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人材バンクの歩き方
第6回 質問、リクエストをどんどんして 人材バンクからレア情報を入手する
人材バンクをうまく活用すれば、採用側の生の声など自分ではなかなか集められない情報を入手できる。コツは、気になることをどんどん質問することにあった
 
情報入手編 求人案件提供機関としてだけでなく 情報源として人材バンクを活用しよう
 
人材バンクを活用するメリットのうち、「自分で求人を探す手間が省ける」「非公開求人もある」「思わぬ企業を紹介してもらえる」などがクローズアップされることが多いけれど、求人案件提供機関としてだけの付き合いで終わってしまってはもったいない。自分一人で行う転職活動ではなかなか得られない企業側の生の声を聞くことができたり、数多くの企業や求職者に会う中で培ったそのコンサルタントなりの企業の見方をアドバイスされたりと、求人案件提供にとどまらない貴重な情報源でもあるのだ。

人材バンクという情報源を活用するためのコツは、こちらから積極的に質問・リクエストをしていくことだ。例えば、紹介された求人について「社長はどんな人なのか」「業界の中での位置付け、その企業ならではのオンリーワンの強みは何か」「その企業が、今、注力していることは何か」といったことから、求人票ではわからない企業像が見えてきて「応募してみたい」と興味がわいてくることもあるだろう。また、「今回の募集の背景は?」「これまでどんな人が応募して、結果はどうだったのか」「何ができる人を必要としているのか」などを聞いていけば、採用側のニーズがより具体的になり、面接対策が立てやすくもなる。ちょっとした採用側の声が、内定へ大きなヒントになることもあるのだ。

 
「これについて、もっと詳しく知りたい」と思ってコンサルタントに質問しても、聞きたい答えが返ってこないこともあるが、そんなときは「もう少し情報が欲しい」とリクエストすれば、企業や担当者に問い合わせをして詳細情報を教えてくれることも少なくない。

知りたいことをどんどん質問して、積極的に情報を入手してみよう。
  「これについてもっと教えて!」「任せてください」
 
証言1
 
コンサルタントにどんどん質問 採用側が求める人物像をしっかりつかんで内定に
 
内定のためには、採用側のニーズを知って自分をアピールすることが大切だ。そのため、その企業を紹介してくれたコンサルタントを通じて情報収集をした。「採用側は、私のどんなところに興味を持っていそうか」「入社後、どんな仕事をすることになるのか」「どんな職種、キャリアの人を欲しいと思っているのか。それはどうしてなのか」などをメールで質問し、教えてもらった。

採用側のニーズがわかれば、こちらもアピールする内容が変わってくる。応募書類を企業に提出した後も、採用側が求めている実務経験について、「職務経歴書のこの経験は、こういうことで、自分はこんなこともできる」と、コンサルタントを通じて補足説明してもらった。その結果、面接の前に「あなたに大変興味を持っているようです」との評価が聞こえてきたほどだ。面接も準備万端整えて臨めたため、内定に。

人材バンクを活用すれば、具体的な内部情報を入手できる。コンサルタントにはこちらからどんどん質問をするといいだろう。その際、抽象的な質問ではなく、「この点はどうなっているのか。これはどういう意味なのか」と具体的に聞くと中身のある答えが返ってきやすいと思う。(37歳・流通)

 
 
証言2
 
落とされた理由も必ず聞こう たった一言のNOの理由の中にも、内定へのヒントはある
 
落とされた理由も、大事な情報のひとつだ。たった一言のNOの理由にも、内定のためのヒントが隠されている。最初の頃は面接で落とされても、「42歳という年齢のせいかなあ」と漠然と落ちた理由を思い浮かべていたが、途中からコンサルタントに「なぜ落とされたのか」をできる限り聞くようにした。

私の落ちた理由は、「外資系企業での勤務経験がない」「業界の経験がない」というものがほとんどで、「スキルや実績に不安がある」と言われたことがないことに気付いた。面接で言われたことも併せて思い返しているうちに、相手が欲している答えがわかってきた。つまり、外資系企業の勤務経験がないことのどんな点が気がかりなのか、業界経験がなくてもやっていけるとわかってもらうためには何を語ればいいのかが見えてきたのである。それらをもとに「外資系企業での勤務経験はありませんが、60カ国以上の海外市場を相手にした仕事だったためスピードを重視してやってきました」「私のマーケティングの方法論は、業界が違っても通用すると思います。なぜなら……」など、面接の受け答えを変えたら、うまく進んで内定に。

面接では「相手はどんな答えを聞きたいのか」を考えることが大切だ。多くの面接で聞かれる質問や落とされた理由にそのヒントがあるのだ。(42歳・マーケティング)

 
 
証言3
 
「入社してみたけれど合わなかった」にならないように 企業の方向性、将来性、風土などを人材バンク経由で入手した
 
企業内部の詳しい情報を教えてもらうために人材バンクを活用したいと思った私は、信頼できるなと思えるコンサルタントだけとやりとりをした。厳選したポイントは、求人案件の数ではなく、しっかりと企業の内部情報を取ってきてくれること。例えば、ある地方の求人に関しては圧倒的な企業情報を持っているとか、付き合いのある企業についてはかなり深いところまでの情報を知っているなどだ。

採用企業との間できちんと関係作りができているコンサルタントは、どんな人材を求めているかはもちろん、面接の場にどんな人物が出てくるかといったことまで教えてくれることも多くありがたかったが、私はそれ以上に、その企業自体の情報を求めていた。コンサルタントによっては、企業がこれからどんな方向に進もうとしているのか、どんな技術開発に力を注いでいるのかなどの将来についての情報や社風などを、その企業のトップ、人事部、現場責任者はもちろん、その人材バンク経由で過去に入社した人に連絡して生の声を集めてくれた。

自分で求人を探してきて、「この企業が募集しているようなんですが」と信頼するコンサルタントに意見を聞くこともしばしばあった。「34歳、これが最後の転職かもしれない。入社してみたけれど合わないというのは避けたい」と慎重になっていた私には、客観的な視点から意見をくれる信頼できるコンサルタントの存在はありがたかった。人材バンクを活用する際、「どんな求人を持っているか」に目を奪われがちだが、「どれだけの情報収集力があるか」との視点でコンサルタントを見てみると、また違った付き合い方ができると思う。
(34歳・技術開発)

 
 
 
自分を生かす転職 3つの新常識
1 「ちょっとでも興味を持ったら質問する」が意外な道を開くことも
  面接こそ、その企業を知る一番の場であるが、そこまで至らないうちに「興味がない」と切り捨てていることは多い。求人紹介をされたとき、ちょっとでも興味を持った点を質問してみることで、自分では予想していなかった魅力が見えてくることもある。
   
2 採用側の生の声をコンサルタント経由で入手する 人材バンクっていろんな情報を持ってるんだな
  書類選考や面接を突破するには、採用側のニーズ(求めている人物像)をつかむことが大切だ。これまでの応募者が落とされた理由や自分自身が面接で落とされた理由などの採用側の生の声に内定への大きなヒントがある。
 
3 情報収集力のあるコンサルタントをメインに付き合う方法も
  何のためにどんな企業に転職したいのかが明確になっていて、自分でもある程度求人を探してこれるタイプの人なら、情報収集力でコンサルタントを選ぶ手もある。
 
   
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写真/尹 総吉
取材・文/中村陽子(編集部)
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