成功するシニアの採用

シニアの採用が成功するケース

森村 学

つい先日、「60歳前後のシニアを採用したい」との問い合わせが入りました。
職種は管理部門の部長職。管理部門担当取締役から直々の問い合わせです。

ヒアリングに伺ったところ、取締役曰く、

30代前半のスタッフはやる気もあり、たいへん頑張ってくれています。ただ、まだまだ部長職を任せる程の経験は持ち合わせていません。そこで、部長を任せられる方を採用しようと思っています。
しかし、30代後半や40代前半の方は避けたいのです。
なぜならば、その方自身が業務を行ってしまい、現スタッフに力が付いていかない。それに、5〜10歳上の社員が入ってくることにより、現スタッフの将来が見えてしまう。つまり、上がつかえてしまうため、彼らのやる気を殺ぎかねない。
そこで、60歳前後の方を採用することにより、彼らを育ててほしいのです。これまでの経験を元に、彼らに足らない知識や経験を伝授していただき、数年後には部長職を任せられるように引き上げていただきたいと思っています。そのためには、管理部門長としての知識・経験があるだけでなく、人柄を重視して採用したいと考えています。出過ぎず、引き過ぎず、彼らの業務をサポートし、適切なアドバイスをしていただける方が理想です。

本当にシニアでいいのですか?という質問に対し、

実は他部門で、知り合いから紹介されたシニアの方を採用しているのですが、その方がたいへん良い方で、若い社員を指導していただいています。偉ぶることもなく、若い社員のモチベーションも以前に比べて高くなり、各部門から「ああいう方をもっと採用してほしい」という声が多くあがっているのです。そこで今回は良い機会なので、シニアの方を採用しようと思いまして、御社にお声掛けさせていただきました。

単なる人手不足の解消のための採用ではなく、企業が抱えている課題と将来のビジョンをふまえ、適材適所の採用と言えるでしょう。
また、知識・経験に加え、人柄・人間力を持ち合わせているシニア、つまりプロフェッショナル・マスターズが提唱するところの「シニア・プロフェッショナル」の的確なニーズとも言えます。

どのような課題を抱えているのか → どうやって解決したいのか
何が足らないのか → どうやって補っていくのか
ナゼうまくいかないのか → どうすればうまくいくのか

様々な課題を解決する方法の手段の一つが採用です。その最も適切な人材がシニア・プロフェッショナルである場合も多いです。本コラムのご覧の皆様の会社でも、シニア・プロフェッショナルの採用を是非ともご検討ください。

次回からは、弊社に寄せられた求人の事例を紹介していきたいと思います。

森村 学(もりむら まなぶ)
株式会社ライフデザインコンサルティング プロフェッショナル・マスターズ事業部 事業部長
1966年生まれ。
システムエンジニア、営業職を経て、2000年、人材紹介業界へ転職。ベンチャー・中小企業を中心に担当。

2006年、監査役・顧問・アドバイザーを専門とした人材紹介サービス「プロフェッショナル・マスターズ」の設立に参画。
豊富な経験と知識を持つ「シニア・プロフェッショナル」を成長企業の常勤監査役や課題解決のための顧問・アドバイザー職としての採用実績を重ねている。
2007.10.18 update

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