経営ソリューションツールとしての「人材モデル」・5/12
株式会社クイック ヒューマンキャピタル総合研究所
各因子やその他の詳しい用語について、説明等をしていませんので充分ではないですが、「人材モデル」とはどのようなものであり、そこから何が分かるのかがイメージしていただけましたでしょうか。ここでは、この「人材モデル」を、どのようにしてつくり、何にどう使えば、経営課題の解決に繋がる、人材・組織のマネジメントができるのかついてお話しをさせていただきます。
「人材モデル」は、導入される各社にとって「あるべき人材の基準」となるものです。したがって、企業としてのビジョンや長中期的な経営の方向性などが与件となって、この政策を実践する主体として求められる「あるべき人材」を具体化することができるのです。 つまり、単に現状のハイパフォーマー(高業績者)がベストというわけではなく、企業としての今後の方向性に即した求めるべき人材について、当社の用意したアンケートに答えていただき、その結果に基づき数回のディスカッションを行い、実在する社員で妥当性の検証もしながら、最終的に必要な職種・階層毎に作り上げていきます。
しかしここで重要なことは、多様な「パーソナリティ傾向」の人材の特性を充分引きだし活用するためには、一つの職種・階層につき、「人材モデル」は必ずしも一つとは限らないということです(在籍者の多い基幹職種に関しては、少なくともに二種類は必要なケースが多いです)。
完成した「人材モデル」を、ある企業(C社)の例でご覧いただきます([表2])。階層的にはまだ管理監督者ではない営業職種の例です。非常に具体的な「求めたい人材像」の記述となっています。しかし「人材モデル」として実際に活用するために重要なことは、このような行動の背景にある“パーソナリティ傾向”や“欲求傾向”の因子を特定することなのです。その、特定された因子は次のようになっています([表3])。
パーソナリティ傾向 | 欲求傾向 | 行動傾向 | |
高いことが 望ましい因子 |
客観性タイプ 持続性タイプ 身体性タイプ |
危機耐性 | 責任感 自己信頼性 |
低いことが 望ましい因子 |
▲規則性タイプ ▲弱きタイプ |
▲従順性 ▲モラトリアム |