経営課題のための人材・組織戦略

経営ソリューションツールとしての「人材モデル」・2/12

株式会社クイック ヒューマンキャピタル総合研究所

経営ツールとしての「人材モデル」

パーソナリティを重視した人材マネジメントが、経営に寄与するところが大きいとはいいましても、具体的には何をどうすればよいのかということが、皆様の次の関心事であろうかと思います。私たちは、この経営上の課題解決(ソリューション)に用いることのでき来る、人材・組織マネジメントツールとして「人材モデル」構築というコンサルティングサービスを提供しています。以降、この「人材モデル」を用いて、パーソナリティ重視の人材マネジメントがどのような内容であるかをご説明させていただきます (この「人材モデル」は、その理論的背景として心理統計の研究成果をベースとしていますが、この内容に関して説明をすることは膨大な量を要しますので、割愛させていただきます)。

まずは「人材モデル」の定義と概要をご説明いたします。

[定義] 「人材モデル」とは、人間行動に関する包括的なモデルであり、行動傾向との相関が高い諸概念を検討し、その概念間の相関に基づいて体系化したものです。
[概要] 「人材モデル」では、人材の特性を人間心理の深層から「パーソナリティ傾向」、次に「欲求傾向」、そして表面に現れ目に見える「行動傾向」として階層化しています。[図3]

「パーソナリティ傾向」とは、2−(3)でも述べましたように、遺伝的な気質と幼少期にほぼ固まる性格からなる人間心理の基底構造にあたり、変えがたいその人の傾向を10のタイプに分類し特性論的に示しています。

「欲求傾向」とは、いわゆる広義の意欲・やる気の程度を表すと共に、何に動機づけられるかを示しています。行動を引き出すその人のエネルギー源に相当するともいえます。ここでは欲求内容を10項目に分類しています。
「行動傾向」とは、ビジネスシーンにおける社会的な行動の傾向を示しています。「行動傾向」は最も変動的なもので、環境や自分の置かれている状況に大きな影響を受けます。「行動傾向」も10項目で表しています。

「パーソナリティ傾向」・「欲求傾向」・「行動傾向」のそれぞれ10の要素(項目)を因子と呼びます。他に、参考までに「価値観・関心事」にあたる5項目を見ています。そして、この「パーソナリティ傾向」と「欲求傾向」、さらに「行動傾向」という各階層の因子間には、個々に深い相関があります(片方が高まれば他方も高まることを“正の相関”、片方が上がると他方が下がることを“負の相関”といいます)。

しかし、様々な環境変数によってこの因子間の相関が崩される場合があり、その結果が好ましいか否かによって、環境への対処(改善等)が必要となってきます。言い換えれば、環境変数を変えることで、好ましい行動を引き出すこともできるわけです(スキーマの解説は、省略いたします)。


[図3]

株式会社クイック ヒューマンキャピタル総合研究所
人材・組織コンサルティング事業(人材開発・組織開発・人材課題・組織課題へのソリューション)、制度企画コンサルティング事業、各種組織管理制度の企画・策定・運営をメインに、人材採用から教育開発・最適配置、組織デザインなど人材と組織における経営課題へのトータルソリューションを展開。
URL:http://919.jp/  E-mail:info-jkai@919.jp
2002.05.20 update

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