経営ソリューションツールとしての「人材モデル」・1/12
株式会社クイック ヒューマンキャピタル総合研究所
「経営は人なり」とは、よく言われるところであり、私達はなんら抵抗なく納得しがちなのですが、どのような条件下においてもこのことは本当なのでしょうか? また、経営における「人」と一言で申しましても、その「人」とは経営者なのか社員なのか、それも全ての従業員のことなのかよくわかりません。これから皆様と、経営における「人」とその集合体である「組織」について、企業経営(以下経営)という側面から考えてみたいと思います。
前回にもご紹介しましたように、企業は常に「良い人材」・「優秀な人材」を求めています。ところが、「貴社にとって良い人材・優秀な人材とは、どのような人材ですか」と伺って、経営トップや人事責任者の方々から明確で具体的な回答が得られることは稀なことです。
実は、当社にとって「良い人材」・「優秀な人材」とは?… に明確に答えるということは、簡単なようで、実は非常に難しいことなのです。それはなぜでしょうか。私たちは「人材の良い・悪い」「優秀な人材か否か」については、どのような行動をとっているのかによって判断しています。そして、この私たちの行動というものには、意識して行っていることと、意識せずに行っていることがあります。そしてこの意識していない大半の行動こそが、その人の個人的な特性(パーソナリティ)を反映しているのです。
私たちが、人材に対して行える評価というものは、このように目に見える行動を通してのみ可能なのですが、その行動は見えない人間心理の中でも、最も基底構造にあたるパーソナリティの影響が大きいとされています。いいかえれば、当社にとっての「良い人材」・「優秀な人材」を明確に規定するとは、事業政策に対応して、成果につながる「良い行動」・「優秀な行動」が何であり、かつそれが安定的に発揮できる可能性の高い潜在的能力(これをコンピテンスといいます)を持つ人材か否を見極めることです。
これは見えないパーソナリティを扱うため、多少の心理学の知識や理解が必要ではあるものの、事業政策を実現するための、人材や組織の効果効率的なマネジメントに寄与することを考えれば、経営としては迷うことなく、パーソナリティを重視した人材マネジメント導入をされることをおすすめします。