転職お役立ち情報|特集レポート|「トクする転職」のための活動準備(後編)

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参加者プロフィール
5年後、10年後に誇れる 何か見つけよう
品 田: 僕は、理系の大学を出て現在プログラマとして活動しています。技術職の立場にあってか、その会社にいるからこそ経験できることを価値として見出しているのです。高価な機材や最先端の技術に触れ続ける、その欲求を満たしていきたいと思っています。今の会社で最先端に求めるのは厳しいですし、技術や機材に多少飽きてきた部分があって転職を考えています。

難 波: 現在の環境が自分の希望に適わないのであれば、転職を通して実現するのも一つの方法です。しかしキャリアを考えると、技術を追い続けられる時期もやはり30歳前半くらいまで。エンジニアは若さが勝負です。今の若いうちに徹底的に吸収しておいてください。他の専門職同様、エンジニアは分かりやすく自分のスキルを売れる職種ですから、今そうした技術を磨くことで、今後転職する際に価値の高いキャリアとして移りやすいはずです。

牧 田: 20代ならやりたいことでポテンシャル採用されるケースもありますが、年齢が上がるにつれて、「やりたい」ことより「実際に何ができるか」でしか評価されなくなってきます。今、最先端の技術に触れることで、5年後、10年後に市場に何を提供できるか、ということを見つけていくことが今後は必要になってきますが、品田さん自身、何か目指しているものはありますか?

品 田: 今後は自分が培った技術を、後輩や部下にうまく分け与えていきたいですね。今のうちは技術の視野をできるだけ広げておき、次第に教育の方へシフトしていきたいと考えています。エンジニアは職人気質で技術を分かりやすく教えることができる人が少ないのです。そういった現場を自分のまわりだけでも改善したいと思っています。

難 波: 特にエンジニアの方におすすめするのが、英語力をつけておくことです。あるエンジニアの転職者は、休暇でシリコンバレーを訪れたら、必ず
現地エンジニアと仲良くなって帰ってくるそうです。新しい技術やトレンドは彼らが親切に教えてくれる。そこで得たものを自分なりに咀嚼して、部下に伝えたり仕事に活かすのも価値のあることです。そのほかにも、海外の最新ジャーナルを読んで知識を洗いなおしたり、疑問や質問は直接コラムニストにメールするといいでしょう。個人的な親しい関係を作ることで、よりコミュニケーション力が鍛えられるはずです。

横 山: エンジニアの方ならばスキルを表わしやすいかと思いますが、バックオフィス系の職種ではどんなキャリアアップの方法があるでしょうか。私は9年間、営業事務の仕事に携わってきました。実は今年の夏くらいから転職を考えており、先日人材バンクにも登録したばかり。どうしたら自分の価値を見極め、高めていくことができるかを今考えています。

牧 田:
 バックオフィス系の仕事は、社内を広くサポートする重要なセクションです。しかし営業など売上として数値で示せる職種と比べて、仕事の価値を測りにくい職種です。それを外部にもわかりやすくアピールするには、横山さんが仕事に関わることで、たとえば3日掛かっていた仕事が2日に短縮した、3人必要だったのが2人で取り組めたなど、できるだけ数字に置き換えてみることです。より具体的なのが、横山さんの仕事を外部に提供したらいくらになるのか、市場ニーズや価値を測ってみるのもいいでしょう。実際に企業面接を受けてみたり、人材バンクを活用すれば、自分の強みや足りない部分、次に何をすべきか、何を身に付けるべきか徐々に分かってくるかと思います。そうした機会を積極的に活用して、自分自身を把握していくのもいいでしょうね。

横 山: 私の場合、特に人事部や経理部で何年経験があるということではなく、今の勤務先で広く事務業務を行いながらキャリアを積んできた形です。実は先のコンサルタント面談では、そうした何でもこなせる人材は、事務系の転職として難しいとの評価を頂いたばかりで・・・。あまりいい感触は得られなかったというのが実感です。

大 西: これまでの人事コンサルタントとしての経験から申しあげると、事業規模の小さな企業や、IPO直前で体制を急務に整えなければならない企業にとっては、とても市場価値のある方だと思います。事務全般に長けた人が欲しいが人員は押さえたい。そんな企業にとっては、業務を一通り経験したことのある人なら引っ張りだこのはずです。バックオフィス系の職種はどの業種でも共通していますから、こだわりがなければ、こうした企業を目指して活動することもお奨めします。

日々の仕事を数字に置き換えてみる  アピールツールは身近に転がっている
難 波: 採用とは“いかにキャリアに好感できるものがあるか”で決まるかと思います。もし好感する部分がたくさんに存在するのであれば当然価値は高いはずです。転職市場は厳選採用に入り、応募者間の競争も一段と厳しくなっています。最近はWEBエントリーで簡単に候補者を選び出せるため、書類選考で落ちるケースも増えてきています。そうした状況のなかで採用企業の目に留まるためには、誰にも負けない自分だけの売りや強みを徹底的に考え、伝えていく必要があるかと思います。どんな人であれ、採用する側は初めて会う相手に「この人はこうだろう」と先入観を持ってみるでしょうから、それを確実に裏切る、サプライズを与える、ということが必要です。

大 坂: 私も医薬品業界をターゲットにした、薬剤師の人材紹介をしていますが、履歴書にしても、いくつも提出するとどうしても雑になります。一つ一つ細かく、丁寧に書いていくことが大切です。また私の履歴書は「目を引く」よう意識して作りました。これといった趣味がなかったので、女性には珍しいとジム通いを始め、エネルギッシュさをアピール。やはり企業は健康で活き活きとした人を求めていますから、趣味的な面でも売りを作っていくといい思いますよ。また面接でも笑顔を絶やさないなど、面接受けするよう自分を創りこむということも必要かと思います。

上 本: 実際に面接の場で面接官に言うかどうかは別にして、自分のキャッチコピーを決めておくというのはどうでしょうか? 「自分はこういう人間だ」と一言で表わせる言葉を作り、履歴書の文章や面接では一貫してその言葉の印象どおりに伝えていくのです。強引でも構いません、自分にとって「ここが強み」「この分野では誰にも負けない」などの売りを外さないようにアピールする。ある意味相手に納得させるようにすると、自分という人間がより伝わりやすいかと思います。

難 波: そうですね。またかえってアピールを意識しすぎるあまり、失敗するケースも時に見受けられます。100%万全に語る必要はなく、自分に整理されていることを話すほうが的確に伝わりますし、実直でまじめな人物と好評価に繋がるようです。今はアピール力が試される時代ですが、相手が何を求めているか状況を読みながら伝え方を考えていくべきでしょうね。

牧 田: つまりは相手とコミュニケーションが取れているかどうかなのです。ただ話し通すだけでは意味がないことですし、たとえ朴訥と話したとしても、相手が聞きたいことに真正面から応えていれば、それは価値のある言葉なのです。そういう意味では「自分をアピールする」といえども、伝え方や応え方ということも事前に考えなければならないでしょうね。

難 波: 基本的に面接で聞かれることは、「これまで何をしてきたか」「これから何をやりたいか」の2つです。なかには本当にやってきたこと、やりたいことを、そのまま答えてしまう方もいます。しかし聞き手は、そのキャリアや経験が入社後どう役にたってくれるか、やりたいことは任せられるか、を判断しながら聞いているのです。相手との距離を測りながら、自分の言葉で、また何ができるかイメージできるように言葉を選んで話すことです。

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