先日、千葉幕張メッセの国際会議場で、CRM(カスタマ・リレーションシップ・マネジメント)に関する講演を行ってきました。幸いなことに立ち見が出る盛況で、無事成功に終わりました。
当日の朝も、同行した秘書から「緊張しないんですか?」 と聞かれましたが、僕はこのような講演では全然緊張しません。むしろ自分の実力を市場で測る絶好の機会だと考え、わくわくします。
(1) 僕の講演にどのくらいの申し込みがあるのか
(2) その申し込みから実際に当日、何人会場に足を運んでもらえるのか
(3) 講演のアンケートから、聴衆の満足度はどうなのか
などの要素から、現在の僕のブランド力、プレゼンテーション能力、ソリューションサービス提供能力を客観的に測ることができるからです。
僕は小学校の頃、学校のテストが嫌いでした。「よくできました」か、「頑張りましょう」 だけで自分の実力が全然分からないからです。「ライバルの○○君も
『よくできました』 だったけど、僕とどっちがよかったんだろう」 と思っていました。中学受験の進学塾に行きだしてから、僕は勉強が大好きになりました。毎週テストがあり、その結果は、氏名、学校名と共に、壁に張り出され、自分のポジションが明確に分かったからです。日々競争で、頑張れば頑張るだけ自分のポジションが上がる。力のない奴、頑張らない奴は脱落して行く。こんなにフェアで明快な世界はないと思いました。僕が、日本企業を選ばず、外資系企業を選び続けてきた理由はここにもあります。
今回の講演では、定員200名に対し、
1. |
申し込みの段階で600名を超え満員御礼となった。同日の5講座の申し込みは平均70名であり、唯一の締め切り講座となった
|
2. |
実際に会場へ訪れて頂いたのは300名。その結果、立ち見が出る盛況となったが、一般的な平均来訪率50%と同様の結果がでた
|
3. |
アンケートの結果は、5段階評価で、4.2である
|
いう結果でした。関係者一同驚いていた申し込み数に対して、実際の来訪者がそれほど爆発的に増えなかったのは、まだまだ僕の集客力の無さが原因だと思います。
アンケートに関しても、多くの方が、「素晴らしい」「参考になった」「目から鱗です」と書いてくださいました。大変有難いことですが、僕はその意見を鵜呑みにすることはできません。
実は、当日マッキンゼーやBCGの仲間が多数僕の講演を見に来てくれていました。彼らの僕のプレゼンテーションに対する評価は少々異なるものでした。
1. |
確かにプレゼンテーションは群を抜いて上手い。彼らの所属するファームのコンサルタントと比較してもトップクラスである
|
2. |
しかし、分かりやすさとロジックの精密さを天秤にかけた場合、分かりやすさを優先している。その結果、実は結構ロジックで甘い部分がある
|
3. |
パワーポイントのスライドは下手くそ。プレゼンテーションは上手なのに、パワーポイントを見ると、今どの部分を話しているのか一目でわからない。 |
この指摘された部分は僕がこの4年間悩み続け克服しようとしながら克服できなかった部分なのです。
次回、その原因に関してさらにお話を続けていきます。