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TOP の中の転職研究室 の中のぴったりルート発見カウンセリング の中の第2回「35歳、転職限界説」を乗り越える稼ぎ力は、どうすれば付く?

進むべき道探したい ぴったりルート発見カウンセリング
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第2回
「35歳、転職限界説」を乗り越えたい どうすれば「稼ぎ力」を付けられますか?33歳・SEの巻
公務員、派遣社員として、職場のシステム構築・管理、SIベンダーを使ったプロジェクト統括などを行ってきた久保さん(仮名・33歳)。初めての転職活動で苦戦したため、「どうすれば、引きのある人材でいられるか」をいつも気にかけてきた。現在の職場で契約期間が終了するのを機に新たな活躍の場を探しているが、どうすれば35歳を過ぎても転職市場で通用する「稼ぎ力」が付けられるのか、今後のキャリア形成に悩んでいる。
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久保 浩二さん(仮名)
 
カウンセリングをしてくれたのは
  photo   株式会社サンブリッジ ヒューメトリクス キャリアパートナー部
キャリアパートナー部  木﨑秀明氏

IT業界、コンサルティング業界専門の人材バンク。母体がインキュベーション会社なので、あまり公表されない独自の求人情報も多数抱えている。「転職希望者が何をしたいのか、これからどうなりたいのか」を何より大切にしたコンサルティングには定評がある。
これまでの経験をふまえてやりたい仕事内容を明確に そうすれば、目指すべき職種が見えてくる
木崎 転職活動がなかなかうまくいかない、と悩んでいらっしゃるようですね。今後の方向性を探るために、まずはこれまでの経歴を教えてください。

久保 大学卒業後、公務員として就職しました。学生時代からアルバイトでプログラミングなどをしていたせいか、「パソコンに詳しいから」という理由で、IT化の推進役に抜擢され、3年ほど事務処理システムの構築などに携わってきました。

木崎 具体的にはどんな業務ですか。

久保 財務・労務・人事などのシステムをつくり、業務の効率化を図りました。ほかには、インターネット導入に際してのセキュリティーポリシーの策定、ウイルスのリスク管理、対策などです。

木崎 今、2社目なんですよね。

久保 そうです。社会人6年目に初めての転職活動をしたのですが、職務経歴書の書き方も知らなかったせいか、かなり苦戦しまして……。50社近く応募したのに、ぜんぜんダメ。公務員のイメージを打ち破って、「これだけの仕事をしてきました」とアピールすることができなかったのかもしれません。

結局、派遣社員のSEとして、ある団体の大規模な情報化プロジェクトに加わりました。ここでは業務効率化だけではなく、SIベンダーのコントロールも担当していました。あと少しで契約期間が終わるので、転職活動を始めています。過去の転職活動の失敗から「SEとしてしっかりスキルを身に付けてやる!」とこの4年仕事をしてきたから、自分のスキルには自信を持っている。しかし……20社ほど受けたのですが、なかなか思うように進まない。SIベンダーからは何社か内定をいただいたんですが、やりたい仕事とは違うような気がして……。

木崎 経歴からみると、社内SEのような役割をしてきたわけですよね。きっと、社内のIT企画を任されて業務分析から課題解決までできる仕事を志向しているんだと思います。

久保 確かに。SIベンダーではそういう仕事をするのは難しいですよね。だからピンとこないのかもしれません。

木崎 きっと久保さんの場合は、発注される側ではなく発注する側で、一定の裁量権を持って仕事をしていきたいのでしょう。SIベンダーやスタッフたちをまとめながら、できるだけ上流工程に携わる方がこれまでの経験が生かせるかもしれません。社内SEに絞って転職活動をされてはどうですか。

久保 実は、システムアドミニストレーターのような仕事に魅力を感じているんです。ユーザーと製作側の調整役に徹したいんですよ。社内SEは、確かに、やりたいことに近いと思います。

木崎 久保さんは自分で仕事を覚え、システム企画を提案し、周りの人を巻き込んで実行してきた。そうした実行力、業務分析力が強みですし、社内SEとしては重要な資質です。

ただ残念ながら、民間企業に対して転職活動をするときに、公務員や派遣社員としての経験はあまり高く評価されない傾向にある。そのため、仕事内容を説明するときは、社内SEのような立場で幅広い業務を担当してきたことを具体的に伝えてアピールしてください。

 
 
「転職は、35歳が限界」ではない チャンスが来たとき、見合うキャリアを積んでいるか否か
久保 でも、社内SEは求人が少ないのではないでしょうか。ITコンサルタントという道は考えられますか。

木崎 30歳を過ぎている方の場合、ITコンサルタントは経験がないと難しいでしょうね。

久保 そうですか。

木崎 確かに社内SEは、SIベンダーのSEに比べると求人数は多くはありませんが、さまざまな企業で情報システム部門のアウトソーシングが進んでいます。SIベンダーをコントロールしながら課題解決できる人材の需要は確実にありますよ。

久保 IT業界ではよく「転職は35歳までが限界」との話を耳にしますが……。

木崎 そんなことありませんよ。一般公募の求人は若手対象のものが多いので、そんなふうにいわれるようになったのでしょうが、誤解です。人材バンクには、35歳以上でも力があればOKという求人がけっこうある。経験豊富な中堅層である35歳以上の人材を求めている会社は、確実にあるんですよ。

会社にとって最高のパフォーマンスが出るようなシステムを作り上げるには、ある程度の経験が必要ですよね。実務経験が豊富で力がある人なら、35歳を過ぎても転職チャンスはあります。要はチャンスが来たときに、そこに見合うキャリアを積んでいるかどうかなんです。

久保 35歳を過ぎても転職できるだけのキャリアって、どんなものなんだろう。

木崎 久保さんは、将来的にはどんな立場になっていきたいと考えているんですか。

久保 エンジニアとして専門性を極めていくというよりは、できるならCIOとして経営に参画していける立場になりたいと思っています。

木崎 それなら、今後5年くらいはしっかりと実力を付けられる会社を選ばなくてはなりませんね。会社の業務分析をし、必要に応じたシステムを作り上げてきた。そういう経験を積んでいれば、それだけで将来的にも転職市場での価値は上がると思います。

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35歳を過ぎても力があれば転職は可能です
年収を気にするあまり、チャンスを逃すことも 「やりたい仕事ができる環境かどうか」を最優先に
久保 実は、設立10年くらいの会社で「社内のシステム管理者として働いてほしい」といわれているところがあるんです。仕事内容に魅力を感じるのですが、提示された年収が540万円。派遣社員のときは600〜700万円でしたから、かなりのダウン。ちょっと迷っているんですよね。

木崎 SEの年収といっても、経験や年齢に応じて、200万円台〜1000万円超のものまで実に幅が広いですよね。確かに、ダウン提示はあまり気持ちのいいものではありませんが、相場的に低すぎる額というほどではないと思います。もちろん、年収は高い方がいいのですが、「今、この経験を積んだ方が将来的にプラスになる」と思えるなら、年収が多少下がったとしてもチャレンジすることで、のちのち自分のためになることもあるんです。

久保 確かに、今は将来のための布石を打つことを優先させる時期ですもんね。じゃあ、35歳を過ぎても転職市場で通用する稼ぎ力を付けるために、やっておいた方がいいことはありますか。

木崎 ある程度の継続的なスキルの向上は必要ですが、プログラマーのスペシャリストを目指しているわけではないのだから、技術だけに特化する必要はないと思います。社内SEに大切なのは、いかにその会社に合ったシステムを構築できたかです。

企業規模や業務内容によっては、必ずしも最新のシステムを導入するのが最適ではないこともありますし。適切な業務分析をしてその企業に最も適したシステムを構築する力をもっともっと磨ければ、稼ぎ力はアップするでしょう。久保さんは業務分析が得意のようですし、人を巻き込んでの推進力・実行力があるのですから、自信を持ってください。

久保 はい。これまでのお話を聞いていて、今の自分には最終意思決定ができる環境を選ぶことが大事なのではないか、と感じました。公務員や派遣社員だったときは、最終的な決定権を持って仕事をしていたわけではなかったので。社内システム構築において、決定権と責任を持てる職場を探そうと思います。35歳が転職の限界ではないとわかって安心しました。3年、5年経った時に「稼げる力」が身に付いているように、頑張ります!

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3年後、5年後 もっと稼げる力が身に付くよう頑張ります
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