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日々転職マーケットに対峙する専門家が、転職活動アドバイスや考え方のヒントを、基礎から解説。
「キャリアは、自分から切り開く努力をすることが大切!」 と考える現役キャリアコンサルタントの筆者が、転職現場のサクセスヒントを紹介します。 |
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第5回 面接のポイント(2) “採用を行う理由” 後編
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第2新卒採用の場合、評価の多くは性格や思考力、行動力といった潜在能力が占めることが多いです。しかし、職務上の実績、経験はあればプラス要素になる。その点、Aさんは潜在能力も実績も、他の候補者より優れていたと言えます。では、なぜ面接で失敗したのでしょうか?
それは、Aさんが『企業が採用を行う理由』を満たさなかったためだと考えられます。第2新卒採用を行う企業は、次の4タイプに分類することができます。
(1) 年齢層毎の社員数のバランス化
(2) 新卒採用の補完
(3) 戦略的な若手採用
(4) 純粋な社員採用
(1)の例としては、90年代中頃から終盤にかけて新卒採用をストップしていた企業が挙げられます。従業員の年齢層毎のバランスをとるために、第2新卒を採用します。
(2)は、新卒採用では充分な採用数を確保できない業界が行うことが多いです。
(4)は、純粋に社員を増やしたいケースです。
Aさんが応募していた企業は、(3)のケースでした。異なる環境で仕事をしてきた同世代の若手を採用することにより、既存の社員に刺激を与え、組織を活性化しようというのが企業の狙いだったのです。
つまり、採用対象は、他社で実績を残し、自己の仕事のやり方を確立している人材だと推測がつきます。Aさんは、企業の採用動機を抑えきれていなかったため、『素直で謙虚に学びます(教えてもらいます)』とポイントを外して答えてしまったのです。その結果、どんなに応募要件を満たしていたとしても、選考対象から除外されてしまうのです。
自分の転職動機を考える前に、企業の採用動機を推測することも、実は重要なのです。
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森島典裕 (もりしま みちひろ)
総合商社にて約30年間、人事・広報を中心に、管理系全般の業務を経験。その後、専門学校の非常勤講師を続けながら、カウンセリングの研鑽を積む。現在、株式会社パソナキャレントにて、その幅広い経験を活かし、キャリアコンサルサントとして活躍中。【資格:厚生労働省能力評価試験指定キャリアコンサルタント、教育カウンセラー】 |
2004.05.20 update
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