成功するシニアの採用

「シニア・プロフェッショナル」と「顧問・アドバイザー」としての契約を結ぶ

森村 学

「顧問・アドバイザー」というと、閑職、名誉職、外部有識者に名前を借りる等々のイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
「そのような方に報酬を支払う余裕は無い!」と言われそうな感じもします。
しかし、プロフェッショナル・マスターズが提案しているのは、あくまでも契約形態のことです。
ある業務を専門に行っていただくため、正社員ではないかたちの契約です。
出社日数や報酬も、その業務に応じて決定すればいいのです。
週3日で月額30万円等、フルタイム以外でも可能です。
もちろん、閑職・名誉職としてではありません。実際に実務に携わっていただくものです。

具体的な事例をご案内します。

IPO準備を進めているベンチャー企業が内部監査室を新設するために、内部監査経験者を採用することになりました。
しかし、人材紹介会社10社以上に依頼したものの、1年経っても、誰一人として紹介されていない状況。
社長曰く、組織的に若いことと、まだ内部監査室にはそれほどの年収を支払えないこともあり、依頼した条件は、「30歳前後で年収は400万。内部監査経験者」。
開いた口がふさがりませんでした。そもそも、そんな人はいません。
(そんな依頼を黙って受けてしまう紹介会社もいかがなものかと思いますが。)

そこで、プロフェッショナル・マスターズからの提案としては、

当社に登録されている方々の多くは、報酬やポジション、勤務日数に拘らず、経験を活かして若い会社の役に立ちたいという指向です。
内部監査を長く経験し、定年退職された62歳の方の登録があります。その方を「週3日、月額30万円」の顧問契約というかたちで採用を検討いただけませんか?御社規模であれば、内部監査室といっても、毎日出社してもらうほどの業務は無いでしょう。そのかわり、将来のために若手社員を部下に置いて、内部監査の指導をしていただきながら組織を構築していくのはいかがでしょうか。若手社員と同等の年収で、豊富な経験と知識を取り入れることができますよ。

そのような採用方法を考えてもいなかった社長がたいへん驚かれたのは言うまでもありません。
社長に面接いただいたのですが、知識・経験は言うに及ばず、人柄についてもたいへん気に入っていただき、即オファーとなりました。
入社から1年になりますが、ご本人もたいへん満足して働いていただいています。若手社員も力をつけてきたようで、内部監査室が十分に機能するようになってきています。あと数年すると、その若手社員が中心となって、内部監査を切り盛りしていくことでしょう。

内部監査に限ったことではありません。
豊富な知識・経験を取り入れ、若手社員を底上げし、次世代のリーダーを育成していく。シニア・プロフェッショナルの有効活用の最も効果的な事例と言えます。

森村 学(もりむら まなぶ)
株式会社ライフデザインコンサルティング プロフェッショナル・マスターズ事業部 事業部長
1966年生まれ。
システムエンジニア、営業職を経て、2000年、人材紹介業界へ転職。ベンチャー・中小企業を中心に担当。

2006年、監査役・顧問・アドバイザーを専門とした人材紹介サービス「プロフェッショナル・マスターズ」の設立に参画。
豊富な経験と知識を持つ「シニア・プロフェッショナル」を成長企業の常勤監査役や課題解決のための顧問・アドバイザー職としての採用実績を重ねている。
2007.11.29 update

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