経営課題のための人材・組織戦略

経営ソリューションツールとしての「人材モデル」・10/12

株式会社クイック ヒューマンキャピタル総合研究所

「人材モデル」を組織に関する課題に用いた事例

次にB支店ですが、業容は中規模で業績は平均的ながらヒューマンエラーが多く、若手の人材が育っていません。b支店長は社内でも優秀で将来が嘱望されいますが、プロットされている点の距離が、あいにく他の社員(m〜p)との間にかなり空いており、これでは、意志の疎通にかなりの努力が要請されます。繁忙な支店ですから、結果的につい何でも支店長がやってしまうことになり、多忙感の反面部下は育たず、ミスは多いという状況をまさに示しています。対応として、他支店からb店長とmさんの間にプロットされる人材を副支店長として配置することで、問題は解決されました。

さて、問題はC支店でした。支店に訪問したり具体的にメンバーを知っているわけではないものの、この図を見た途端、問題の多さは手にとるようにわかります。まずは、マネジメントが機能するはずがありませんし、適切な指示や人材育成もできていないでしょう。現実にも顧客からのクレームは絶えず、商品管理でも問題が多いようです。人材的には、特にq社員とr社員が気になりました。表6を見ていただくと分かるように、潜在的には優秀な社員ですが、このままでは折角の人材がつぶされてしまいます。

c支店長は社歴も長く、その意味ではベテランなのですが、次々と発生する新たな状況下で、自らの経験の範囲でしか判断・指示が出来ず、部下がとまどってしまうような状況でした。時には不適切な指示に対して社員から反論がでると、素直に指示に従えと叱るという状況でした。特に心配したq 社員とr 社員には、反抗社員というレッテルが貼られ、心理的にもまいっているようですが、実際はこの2人の活躍で支店が回っているというのが実状です。

対策としては、c支店長は本社のサポート部門への配置転換、そして他の支店の副支店長をC支店の新たな支店長に迎えました。当然<高有能感、高成熟度>の人材です。r 社員は昇格、q 社員も昇格のうえ他支店の副支店長として異動しました。

株式会社クイック ヒューマンキャピタル総合研究所
人材・組織コンサルティング事業(人材開発・組織開発・人材課題・組織課題へのソリューション)、制度企画コンサルティング事業、各種組織管理制度の企画・策定・運営をメインに、人材採用から教育開発・最適配置、組織デザインなど人材と組織における経営課題へのトータルソリューションを展開。
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2002.05.20 update

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