久しぶりに長い休みを頂いております。
普通ゴールデンウィークというと、家族を連れて海外旅行とか、自己研鑽と称して決めていた本を読破する等々それなりに有意義な休みを過ごそうと努力される方が一般的だとは思うのですが、私は今回はまったくそんな有意義な計画を立てず、いわゆる
・何もしない休み
を決め込んでぐーたらした生活を送っております。
というわけで今回はIT業界の話から離れてゆるーい話なぞ。
ぐーたらした生活とはいえ私も自己研鑽のつもりで本を結構読みました。マンガですけど(笑)
読んだマンガは
・宇宙兄弟(既刊13巻)
・岳 みんなの山(既刊14巻)
の2種類計27冊。
「宇宙兄弟」は、少年時代に月へ飛んでいくUFOを偶然見て、「お互い宇宙飛行士になろう」と約束した兄弟が主人公。弟は実際にNASAの宇宙飛行士になっているのだが兄は自動車会社でリストラされ悶々とした毎日を過ごしているという設定。そこから兄は一念発起し宇宙飛行士を目指すというお話です。
「岳 みんなの山」は北アルプスを主な舞台に山岳救助ボランティア隊員である主人公が出会う色々な人や出来事を淡々と描いたマンガです。
なんだか両方とも映画化されるようで(それもなぜか両方とも小栗旬が主演とは・・・)結構旬なマンガですね。
最近、マンガを見ていると、うるっときたり体がゾクゾクとする瞬間っていうのがあるのですがそれはたいてい
・もう絶体絶命のどん底状態に陥った時に助けてくれる人が現れる
・主人公の回りに集うコミュニティーが心の底から主人公を愛してくれている
といったシーンに出会った時。
・宇宙兄弟で宇宙飛行士を目指す息子達を能天気に応援する父母、弟が住むアメリカの家の近所の人たち、最初は牽制しあうも最後は理解しあって一緒に宇宙飛行士を目指す候補生達
・岳の主人公、島崎三歩を影に日向に応援する山小屋のおばちゃん、救助ヘリのパイロット、警察の仲間達
それぞれがごく小さな世界のコミュニティーなのですが、そこにはお互いを理解し認め合い、普遍の愛情で助け合うとても居心地の良い空間を作り出しています。その穏やかで緩やかなつながりが、いざ有事となると途端にすごいパワーを発揮し出す。そんなマンガのシーンに出合うたびに私はうるうると目に涙をためてしまうわけですね。
21世紀の企業は、どんどんスピードアップし、スクラップ&ビルドを繰り返して競争力を高めていく一方で、そういったお互いを理解しあい、硬い絆で結ばれている暖かいコミュニティーをどんどん失っていっているような気も致します。
今回の東日本大震災で全て無に帰した町の人たちが支えあって生きている世界では、企業のシステムとか方法論は何の役にも立たず、結局は人と人とが集まって作り上げるコミュニティーが生み出す、絶対的な人間愛がその力を発揮しています。
今回の未曾有の出来事は日本全体に、
「今までのいけいけどんどんな競争経済に必死になるのにはちょっと疲れるししんどいなあ」
みたいな、ちょっと立ち止まりたいような価値観の揺らぎが出てきたのではないでしょうか?
その気持ちを大切に、"震災前の元の状態に戻す"という復興ではなく、素朴で人と人との絆が深い静謐(せいひつ)で朴訥(ぼくとつ)な日本になっていかないかな、なーんて事を密かに願っております。
両方ともいいマンガです。是非ご一読下さい。
静謐…世の中が穏やかに治まっていること。また、そのさま。
朴訥…かざりけがなく話し下手なこと。また、そのさま。
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