キャリア&転職研究室|ITエンジニアのおにぎり|第73回 男のダンディズム

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ひげぱわーって誰?

1964年生まれ/大阪在住

・小学校高学年あたりから、学業そっちのけで自分はプロのミュージシャンになるという妄想を抱き続ける。
・大学卒業間近に妄想力尽き就職する羽目になる際に適当にIT業界を選ぶ。
・知らぬ間に1000人企業の支店でシステム部統括マネージャと言われてしまう。
・現在社員数10名ちょいのベンチャー会社マネージャー

 童顔を隠すため無精ひげを生やし「若干不良が交じったイケてるアントンプレナー風」を演出してみるが昨今は年齢もあって普通におっさん化してるような気がする。
たいした技術力はないが、笑って仕事ができる環境を作り上げる技術力はきっとあるんじゃなかろうかと思ってるし、寧ろそれが本当の技術力と豪語したりしてる。

男のダンディズム

 なんだかメンズエステのコピーみたいなタイトルで恐縮ですが、今回はまあそんな話。

ちょっとワイワイした大箱系の居酒屋とかでお酒を飲んでいると、新発売のタバコとかお酒のキャンペーンと称して、ちょっとコスプレしたお姉さんが
「私のクイズに答えて正解したらこのお酒差し上げちゃいまーす。」
てな感じでテーブルを回ってくる時がある。

 この間、サラリーマンが多いそんな店で飲んでいたら、キャンペーンガールのお姉さんが
「私とあっちむいてホイやって勝った方にはこの新商品のお酒1本そのまま差し上げまーす!」
とやってきた。
大体のテーブルでは非常に困惑した顔を見合わせてはやくどっかに行ってほしそうなオーラを出していたのだが、部下に
「ひげぱわーさんほらあっちむいてホイやらないと(笑)」
とそそのかされたので
「よーし、姉さんやるからには真剣にやろうぜ」
と立ち上がったら、キャンペーンガールのお姉さんが
「えっ!こんなダンディな方とあっちむいてホイできるなんて光栄ですー。」
なんてニクイ事をおっしゃる。
「おいおい、お前ら聞いたか!?やっぱ俺はダンディなんだよなっなっ!」
「いや、それはきっとお姉さんのガチ営業トークだと思います。」
「えー違いますよー、本当ダンディですってば・・・うふふ」
というバカバカしいひと時を過ごさせていただいた。

 IT業界限定かどうかはわからないが、そういえばあまりダンディな上司ってお目にかかったことがない。
嫁さんからもらう小遣いが少なくてイライラしているのか、社長からお目玉くらってストレス高まってるのかどうかは知らないが、妙にガサツだったり妙に無気力だったり極端に高圧的だったりと年齢と共にバランスが取れなくなっていく人が多いのだろうか?

 きっと自分のことをあまり好きじゃないであろう部下が報告してくると、忙しいふりをしてPCのディスプレイから視線を外さないまま
「んんっ・・・ああっそれでいいんじゃない。」
と気のない返事をしたりする上司の姿ってよく見かける風景だったりする。
 返事するならまだましな方で、デスクに近寄ってくる人の気配を感じたらあわててキーボードをカチャカチャ叩き出し、
「今忙しいから」
なんて拒絶する、もう何がなんだかわからない上司もいたりする(稀ではなく結構多いと思う)。

 せっかくスーツ着て“××課長”とか“××部長”って肩書きをもらってるんだから、もっとダンディになれば楽しいのにとつくづく残念に思う。

 香水のニオイを撒き散らし、ブランド物のスーツに身を固め、薔薇の花束を持ってストリートを颯爽と歩く事(今時そんなのはいないか 笑)がダンディと言ってるわけではない。
 自分が太ってても痩せてても金持ちでも貧乏でも関係ないし、相手が目上だろうが目下だろうが男だろうが女だろうが関係ない。

 ただ人に話しかけられたら普通にそちらの方に顔を向けて、可能ならば目に少しの笑みをたたえながら視線を合わせて相手の言葉に耳を傾けるその丁寧な振る舞いだけでも十分。
 自然でシンプルで丁寧な立ち振る舞いこそ男のダンディズムなのです。
 勘違いするとスノッブ(知識・教養をひけらかす気取り屋で上から目線の嫌味な人物ってこと)になってしまうし、まわりから見ていて痛々しい人物になります。

あっ、最初の居酒屋のお話ですが、あっちむいてホイはあざやかに負けたのですが
「もーダンディな方とあっちむいてホイできた記念に差し上げちゃいます。」
といってお酒1本くれました。

うーむ、ダンディ役得(笑)

(2012.3.26)

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