4月に私の会社も1人の新卒を採用いたしました。まあ10人に満たない会社ですから仰々しい入社式というのはなく、歓迎会と称して近くの居酒屋で細やかな酒宴を開き
「おっ、よろしく!」
「おす。まーがんばれ。」
「今日はとりあえず飲め。」
みたいな感じで迎えいれました。
やたら背筋をピンと伸ばしてビール瓶抱えて私達のコップが空いていないかどうか凝視しながら
「最初はご迷惑おかけしますが精いっぱい勉強させていただきます!」
とカチコチになっているのが新鮮で面白いので
「おい、社長!入社してやったんだぞ!いいから酒を注げ!って社長に言ってごらん」
とか言って初々しい新入社員をプチいじめたりしつつ楽しい歓迎会でございました。
数十社合同の就職セミナーにブースを出していてそこに来た専門学校卒業の子なのですが
「なぜ数ある会社からそれこそ、いかがわしいヒゲ面だらけ(我が社の代表もヒゲはやしております)の10人足らずの我が社を選んだの?」
と聞いたら
「他の企業はパターン化した会社説明だったけど、御社はすごくフランクかつ真剣に話をしてくれたから」
とのこと。
代表は代表で
「いやー。なんかこの子よかったんだよね。すごく真剣だった。でも適性検査の成績悪いんだよねーわはは」
とかと言ってるし、なんだその軽いノリは(笑)
まあ結局のところ、なんとなく運とタイミングが良くてその子は初めての職場を手に入れ、そして我が社は新しい人材を手に入れたわけです。
話変わって、先週、IT業界としては1万人以上の社員を要するまあまあ大きな会社の女性人事課長とお酒を飲んでおりました。彼女はその企業の中ではちょっと面白い立ち位置にいて、立場は一グループ会社の一支店の人事担当者なのですが、じつはその企業母体のホールディング会社のかなりの上層部から特命を帯びていて、本社から目の届きにくい、キャリア採用がうまく進んでいない関連会社とか支店の内情を探り出し、場合によってはその原因となる人物を特定して異動させるという、内部監査的裏ミッションを持っておられます。
本人はまったく不幸な役回りだと嘆いていますが、なるほど適役と思える怖い人です。
いざという時は自分の所属する支店の支店長でさえ配置換えさせる権力をお持ちのようです。まっ、酔った勢いの本人曰くですが(笑)
(このコラム見つかったら怒られるなきっと・・・)
でその裏ミッション中に、ある時6ヶ月以上1人もキャリア採用ができていない関連会社の人事担当者から書類選考で落としたという何十枚もの履歴書を入手したところ、すぐにでも採用したい経歴の持ち主がたくさんいたそうです。
「なぜ、こんないい経歴の人がいっぱいいるのに面接に進めないのか?」
と問いただしたところ、
(募集要項は、管理、総務、人事系のキャリア採用だから業界経験は問わないはずなのに)
「IT業界の経験がないから・・・」
としどろもどろな返答。
いい人を採用してしまったら自分の席がきっとなくなる・・・悲しいかなその人事担当者はそんな浅はかな思考に陥ってしまっていたのですね。
結局、優秀なキャリアをお持ちの方たちは運悪く職に就けず、この会社はいい人材を手に入れるタイミングを失い続けていたわけです。
まあ、私の会社のように"真剣に挑んできたから採用!"とか、自分の席がなくなるのを恐れて書類選考で落としまくる人事担当者がいる大企業っていうのは結構稀なケースなのかもしれません。
でも、転職活動をしている方たちにとっては、10社、20社と応募しても成功しないとどんどん不安になり自分を貶めていくもの。
ちょっとめげそうになった時は、「ああっ、この会社は人事担当者がバカだったんだな。」
ぐらいの気持ちで、やがてやってくる運とタイミングに出会うまで気楽にやった方がいいのかもしれません。
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