キャリア&転職研究室|ITエンジニアのおにぎり|第35回 情報中毒者

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ひげぱわーって誰?

1964年生まれ/大阪在住

・小学校高学年あたりから、学業そっちのけで自分はプロのミュージシャンになるという妄想を抱き続ける。
・大学卒業間近に妄想力尽き就職する羽目になる際に適当にIT業界を選ぶ。
・知らぬ間に1000人企業の支店でシステム部統括マネージャと言われてしまう。
・現在社員数10名ちょいのベンチャー会社マネージャー

 童顔を隠すため無精ひげを生やし「若干不良が交じったイケてるアントンプレナー風」を演出してみるが昨今は年齢もあって普通におっさん化してるような気がする。
たいした技術力はないが、笑って仕事ができる環境を作り上げる技術力はきっとあるんじゃなかろうかと思ってるし、寧ろそれが本当の技術力と豪語したりしてる。

情報中毒者

朝起きて携帯メールをチェックして、仕事場に向かう電車の中でスマートフォンで新聞を読み、twitterでつぶやき、mixiで友人の日記を読み、会社着くなり大量のメールをチェックし、お昼にお弁当を食べながらRSSリーダーに堆積したニュース記事や気になるブログを読み、夕方に仕事が一段落したら自分のブログを更新し、家で晩御飯を食べながらテレビでニュースを見て、寝る前にまたブログとかtwitterとかをチェックしてるうちに寝てしまう。で、また朝起きて携帯メールを・・・

風邪をひいて薬を処方してもらえば、すぐネットでその用法と用量から始まって効能、副作用どころか、ヘタをすればその薬剤の化学式まで調べてしまう。

ちょっと旅行しようかなと思えば、その土地で人気の旅館を探す事から始まってそのピンポイントの位置、駐車場の有無、台数はもとより女将の出身地、家族構成、人柄まで調べあげたりする。

気に食わない政治家の過去の発言、ニュース、行動を洗いざらい調べて、バッシングのネタにする。
会社の会議や新しいビジネスモデルを開拓しようとするミーティングも、知恵を出し合って討論するというよりは、自分がどれだけ知識を持っているかのお披露目会になっている。

常に何かの映像、言葉、キーワードを手に入れる度にネットを駆使し、大量の知識で理論武装し、情報強者を気取り、そしてそれが勝つ事と信じている人たち。

インターネットが普及してそしてそこに大量の情報が流れるようになってから、人はすべて押しなべて情報強者になりつつある。

でも同時に、
「ふふん、オレこれ知ってるんだぜ!お前こんな事も知らないの?」
っていう、昔の時代でいう"単なる嫌なやつ"が増えてるような気もする。

情報を仕入れ、そして情報を発信し続けないと落ち着かない人。
携帯がないと生きていけない人。
パソコンがないと生きていけない人。

そんな人を「情報中毒者」と言ったりします。

残念ながら、私もけっこう情報中毒者かもしれません。

世の中は非常に便利になった。腕枕しながらマウスクリックするだけで24時間後にはどんな商品でも玄関まで持ってきてくれるし、電車も飛行機もホテルも携帯電話で4,5回クリックするだけで予約できてしまう。

情報をスピーディに入手し、コントロールする事自体、私は否定するつもりはありません。
情報中毒者大いに結構。私も、もっと情報を!と飢えてるタイプだど思う。

ただ、ちょっと感じるのは最近なんだか、情報を使う事がなくなったかもしれない。

そう私はここ最近、何もクリエイトしていないのだ。
情報を仕入れる事に追われて、それを使う事を忘れてしまっているのだ。

ネットワークの世界が普及すればするほど、私は知識ばかり増え、知恵を駆使する能力がどんどん衰えているのではなかろうか。

というわけで、そろそろ
「人間は知識と知恵を両輪のように回しながら物事の道理を導き出す英知を持った生き物」
という事にもう一度立ち返ってみようかなと思う。

その先に単なるキャリアとか、優秀な技術者とかいう順列を越えた人間としての価値を備えた人になれるのではないかと思っている。

なんか、暑さでおかしくなっているのか妙に哲学的になっている私(笑)。

(2010.8.23)

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