ついこの間、仕事終わりに映画のレイトショーを観に行った。
友人と待ち合わせて、街のクリスマスイルミネーションを楽しみながら軽く食事をし(年末でどこも混んでて夕食難民になりそうだったけれど)、レイトショー料金で映画を観て2時間ほど現実から離れるというのはなかなか良い息抜きになる。
私が観た映画(リバイバル上映中のマイケルジャクソン「This is it」)も、レイトショーにもかかわらず、結構混雑していたのだが、ちょっと驚いたのは「ONE PIECE FILM ワンピースフィルム STRONG WORLD」という日本のアニメ映画が満席で人であふれていた事。
後で調べると、12月12日に公開してから10日たっても毎日レイトショーまで含めて全ての回が満席らしい。
「ワンピース」は簡単に言えば、架空の世界で海賊王になろうと決心する主人公が悪と戦い友を見つけながら冒険をするという、愛と友情と冒険という王道を貫く少年漫画。
練りこまれたストーリーは、メインキャラクターだけでなく、時には脇役にまで徹底した過去のエピソードが書き上げられてあり、それゆえに登場人物それぞれが背負っている苦悩に感情移入してしまうと同時に、それを救済するべくただひたすら直球勝負の愛と友情に突っ走る主人公の姿に一種のカタルシスと感動を覚えるという仕組みになっている。(などといっぱしの評論家みたいな書き方をしたが、私自身アニメと漫画で都合10回ぐらい泣いている)
なぜこの漫画が少年漫画の領域に留まらず、ともすれば一種の社会現象になりそうなぐらい流行っているのか、ちょっとこじつけて考えてみる。
2009年という1年は、IT業界にいる私たちにとっては(IT業界だけではないだろうが)かなり厳しく辛い1年だったような気がする。
企業収益が軒並み落ち込み、雇用状況は最悪。一方的な企業の判断で給与カット、賞与カット、退職勧奨という事をされた方も多かったことと思う。
不況時に企業はその存続を優先させると、どうしても個々の従業員に対する要求は人間味を欠き、殺伐としてくる。今までニコニコと笑って会ってくれてた取引先の方も急によそよそしくなってくる。昨日までワイワイと一緒に酒を呑んでいた同僚の間も、なんだかちょっと疑心暗鬼になってきたりする。
ニュースを見ていても、今年の漢字は「新」とか言ってみたわりには、政治は責任のなすりつけあいだったり、妙に歯切れの悪い発言だったりで、「"友情と愛に"あふれた新しい変革」が訪れるのではという思いを裏切って「権力欲と自己主張」に満ちあふれた醜悪な雰囲気の方を感じてしまったりする。
国民は、(ちょっと風呂敷広げすぎか)もとい、少なくとも私はもうそんな社会に疲れ切っているのですね。だからこそ「ワンピース」のような純粋すぎるほど純粋な愛と友情の冒険に心惹かれるし逃避したくなる。主人公の愚直さと自分の人生のギャップに切なくなって涙してしまうのですよ。
お金が無くてもいい、辛くてもいい、心の底から「俺は!お前の!仲間だーーー!」と叫んで欲しいし叫んであげたい。そんな人たちと共に苦労し共に笑い、肩を抱き合って「面白かったあーー!」って祝いたい。そんな熱い生き方をしてみたい(笑)。
今の社会は経済も政治も、資本主義の競争原理を長年続けてきた「垢」というか「灰汁」みたいなものが随分と蓄積されているような気がします。
そんな灰汁をぬぐい去る事ができるような、素朴な人間関係がこれから重要になってくるのではないかと思っているのです。
というわけで、来年は、そんな愚直な仕事ができて、そして直球勝負な「友愛に満ち溢れた(笑)」社会になっていく年になる事を願っております。
そうそう、レイトショーで見た映画「マイケル・ジャクソン This is it」にも出てくる私が大好きな曲「Man in the Mirror」の一節を自戒の念も込めて今年最後の言葉にしよう。
I'm starting with the man in the mirror
I'm asking him to change his ways
鏡の中の人から一歩を踏み出そう
彼の心を改めるように願いをこめて
涙もろい私は、このシーンで泣きました。
ではまた来年。
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