キャリア&転職研究室|ITエンジニアのおにぎり|第13回 エンジニア武勇伝

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ひげぱわーって誰?

1964年生まれ/大阪在住

・小学校高学年あたりから、学業そっちのけで自分はプロのミュージシャンになるという妄想を抱き続ける。
・大学卒業間近に妄想力尽き就職する羽目になる際に適当にIT業界を選ぶ。
・知らぬ間に1000人企業の支店でシステム部統括マネージャと言われてしまう。
・現在社員数10名ちょいのベンチャー会社マネージャー

 童顔を隠すため無精ひげを生やし「若干不良が交じったイケてるアントンプレナー風」を演出してみるが昨今は年齢もあって普通におっさん化してるような気がする。
たいした技術力はないが、笑って仕事ができる環境を作り上げる技術力はきっとあるんじゃなかろうかと思ってるし、寧ろそれが本当の技術力と豪語したりしてる。

エンジニア武勇伝

 ここ2回ほど不況絡みのあまり楽しくない話ばっかりだったので、ちょっと気分を変えてみましょう。

 IT業界にいて面白いと思うのは、コンピューターというものがありとあらゆる業種業態に入り込んでいる関係上、色々な仕事に出会えるところにあります。
私は主に金融、製造業、医療関係の業務アプリケーション分野の仕事をする事が多かったのですが、友人や先輩には結構変わった仕事を経験してきた人もいて、そして大抵1つや2つの武勇伝というかトラブル体験をお持ちで、そんな話を仕事の合間に聞いているのは結構楽しいものです。
  まだ記憶に残っているそんなエピソードをいくつか。

「自動カツオ1本釣ロボットの暴走」
  最初の会社で自動カツオ1本釣ロボットを開発していた先輩のお話。テストは工場横のグラウンドで擬似的なカツオ状の重りをつけて電源を入れ、プログラムを起動させた途端ぐわんぐわんと高速でロボットアームが動き出し、先についたカツオ型重りが工場の窓ガラスを割り出し、止めるに止められず逃げ回って大騒ぎ。
  その先輩は最終テストで実際に漁船に乗せられ数ヶ月船上で端末と睨めっこしていたそうですが、実際は船酔いで殆ど画面を見てなかったそうです。

「鉄製造ライン火災」
  鉄の製造ラインは溶鉱炉で原料を溶かして、それを鋳型に連続的に入れながら鉄の板を作っていくわけですが、その製造ラインの制御システムを開発していた友人のお話。
溶けた鉄は大変危険なので事前にクールランといって溶けた鉄を流さないで十分動作テストした後、最終テストとしてホットラン(実際に鉄を流し込んでテストする)を行うのですが、そこで事件発生。やはりプログラムに巧妙なバグがあったらしく鋳型に大量の溶けた鉄が流れ込み、一気にあふれてあたり一面発火。想定されている事なのでちゃんとすぐ消化する手はずはあるのですが、さすがに本人は重責にどっと疲れて1週間ぐらい家で寝込んでました。

「電子カルテの血液型」
これは私もかかわってた仕事。
電子カルテとは、病院が利用するシステムで、患者の基本情報(氏名、年齢、性別、血液型etc)や投与した薬や行った処置、手術などの記録をコンピューターで管理するシステム。某病院に導入してすぐの事。看護士さんがある患者に輸血しようとした時に、虫が知らせたのか血液型を再検査。すると電子カルテシステムが指示している血液型と実際の血液型が違う!さあ大問題。お医者さんが「患者殺す気か!」と怒鳴り込んでくる。
  調べてみるとその患者さんは骨髄移植をされていて(骨髄移植をすると血液型が変わります)電子カルテシステムがその移植手術の記録を患者の基本情報に反映するロジックが全くない。ていうか、要は私を含めたエンジニアが骨髄移植をすると血液型が変わるなんていう事を全く知らなかったわけです。・・・・これはアブナイ。
メーカーの責任者や営業マンが慌ててやってきて平謝り。さすがに私も嫌な汗をかきました。電子カルテ黎明期にはこんな初歩的なミスがあったりしたのですね。

 先輩も友人も私も当時は真っ青になってシュンとしてましたが今となっては笑い話になってたりします。
  そんなトラブルに直面しても結局、人力では不可能な制御や動きをコンピューターが変わってやってくれる。そしてその動きをプログラムによって作り上げるという仕事はなかなかダイナミックで楽しいものなのです。

 そういえば、そもそも私がこの業界に入ろうと思ったのも、学生時代にバンドを組んでいて、4台ぐらいのシンセサイザーをMIDIシーケンサーという機械で自動演奏させてた時に
「うひゃーどんな複雑な演奏も勝手に演奏してくれる!シーケンサーすげーコンピューターすげー!」
って楽しんでたのがきっかけでした。

 なんか最近は歳をとって立場が変わったせいか、売上げだ経費だ効率化だとそんな事ばっかり考えていますが、まあそれは仕方がないとしても、初心というかコンピューターで動くものを作るワクワク感みたいなのはエンジニアとしていつまでも大切にしていたいですね。

(2009.9.28)

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