キャリア&転職研究室|ITエンジニアのおにぎり|第4回 ハイテンションデスマーチ

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ひげぱわーって誰?

1964年生まれ/大阪在住

・小学校高学年あたりから、学業そっちのけで自分はプロのミュージシャンになるという妄想を抱き続ける。
・大学卒業間近に妄想力尽き就職する羽目になる際に適当にIT業界を選ぶ。
・知らぬ間に1000人企業の支店でシステム部統括マネージャと言われてしまう。
・現在社員数10名ちょいのベンチャー会社マネージャー

 童顔を隠すため無精ひげを生やし「若干不良が交じったイケてるアントンプレナー風」を演出してみるが昨今は年齢もあって普通におっさん化してるような気がする。
たいした技術力はないが、笑って仕事ができる環境を作り上げる技術力はきっとあるんじゃなかろうかと思ってるし、寧ろそれが本当の技術力と豪語したりしてる。

ハイテンションデスマーチ

「ひげぱわーさん、すまん。君のチームでここ片付けてあげて!」
「えっ! こっちは手一杯でさらに現在既に深夜1時なわけですが‥‥」
「そこをなんとか! スピードあって確実な仕事するのは君のチームだから!」
「えっ!‥‥まっまっかせなさーい!(踊らされてる)」

(自席に戻る)

「あのさー」
「聞こえてましたよ! 無理ですよ! こちとら晩飯抜きで仕事してるっちゅーのに!」
「わかった! お腹空いてるのね! 買出し班出動! 行ってくる! トゥ!!」
「マネージャー自らコンビニに逃げない!」
「ごめんちゃい」
「チロルチョコのアソートパック忘れないで下さいね。糖分大事だから」
「うん‥‥」
「買物終わったら、すぐ帰ってくる! コンビニで雑誌読んでたら、しばく!」
「はい。行ってくる。」
「帰ってきたら2時間で片付けますよ!」
「ううっ‥‥ありがとね。」

 IT業界ではもはや業界用語として広く認識されている言葉に「デスマーチ」というものがあります。
元々は囚人や捕虜を輸送する時に、ろくに食事も与えず銃を突きつけて過酷な移動を強制し、脱落するものは銃殺するという戦時下の恐ろしい出来事のことです。
転じてIT業界では、納期が近いのに半分も仕事が終わってないような状態のプロジェクトをなんとか期限内に収めようとメンバー全員が昼夜問わず働く状態の事を「デスマーチ」と呼ぶのですね。
そんなプロジェクトの事を「炎上してるやつ」とか「あの火ふいちゃったやつ」と呼び、それをなんとか仕上げる作業を「デスマーチ」と呼ぶわけです。
略して「デスマ」なんていう言い方をします。

用例
A:「B君って、あの火ふいちゃったやつのメンバーなの?」
B:「そーなんすよー。昨日からデスマってますよ‥‥はぁ」

 某掲示板で話題を呼び、小池徹平さん主演で映画化が決定した
「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」
という、高卒の主人公がIT系会社の過酷な労働条件を克服して成長していくというお話があって、ちょっと話題になっているようですが、実はこのデスマーチ、"ブラック会社"とか"過酷な労働条件"って言葉から連想させるほどそんなに過酷ではないような気がします(単に私の運がよかっただけかもしれないのですが)。

 人間がなのか、それともIT業界にいるエンジニアがなのか(単に私だけかも‥‥)はわからないんですけど、このデスマ状態に陥ったエンジニアはどーも奇妙なマゾ体質が発揮されてきて、大抵深夜1時ぐらいからデスマーチはちょっとした自虐的な「ハイテンション祭り」の様相を帯びてまいります。
アドレナリン出てるせいか、普段の半分ぐらいの時間でプログラム1本作ったりもします。

 力尽きて机に突っ伏して寝てる男の子、1時間ほど前に突然「もーこんな生活いやー!!」って叫んだかと思うとトイレで号泣してきてまた仕事している女の子。
そんな死屍累々のフロアでなぜか全員ハイテンション化していくのです。

「おおっ! 俺すげー!」
「いちいちうるさい、さっさと次行く!」
「ひげぱわーさん、これ終わったら朝マックおごってくださいね!」
「本当に終わったら、朝マックとはいわずホテルの朝食奢ったる! むふふ。」
「おっさん、それはちょっとセクハラ発言じゃないのか?」
「えー。私朝マックのあの楕円形ポテト好きなんですよー。」
「あれはハッシュドポテトと言ってだな、えーっとじゃがいものみじん切りと・・・」
「こらひげ! Wikipediaでハッシュドポテト調べてる暇あったら仕事しろ!」
「ごっごめんちゃい」

 何年か経ってから、「あの時の仕事楽しかったなぁ」なんていう思い出話になるのは、大体厳しいデスマーチをやったプロジェクトだったりするもの。
デスマーチはやらないのがベストなんですけど、そしてマネージャーの自分なんかはなぜデスマーチ状態に陥ったかを冷静に分析したりしないといけないんですけど、そんな堅苦しい話はさておき、ちょっとデスマーチって楽しかったりするんです。
で、一度はそんな思い出になるデスマーチを体験すると、なぜか一回り大きくなった気がするんです。

(2009.5.11)

 

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