Consultant Interview
キャリアとは、仕事だけでなく、
トータルな生き方に活かすべきもの
仕事のアンマッチに、いかに立ち向かうか
以前は大手企業で人事をされていたそうですが、そこではどのような仕事を担当されましたか?
自動車メーカーで、主に人事部門を担当していました。人事企画担当部長だったときに、グローバル化に向けた大幅な人事制度改定を行った経験が、特に印象に残っています。その際は、より進化した成果主義やプロセス重視の評価スタイルの導入、そして高いレベルの業務成果を生み出す、特徴的な行動特性であるコンピテンシーという概念を人事制度に取り入れました。
なぜ、キャリアコンサルタントになろうと思ったのですか?
ビジネスパーソンにとって、キャリア形成は最も大事にしなければならないことであり、その支援を行うことは、とても有意義なことだと思います。企業で働く人材には、潜在的な職種アンマッチが実際に起こっていますが、その解消をお手伝いしたいと考え、キャリアコンサルタントになりました。
アンマッチの原因の一つは、企業内にその人が活躍できる場が提供されていないこと。また、人材側で言うと、自分たちがどういう条件にあればキャリアが活かせるかを認識できていなくて、主張もできていないことが挙げられると思います。アンマッチを無くす仕組みや体制が構築され、運用されているかどうかが問われますが、その点で成功している企業はほとんどありません。比較的進んでいるのは、エンジニア職の世界ですね。大手企業には、社内公募やドラフト制度といったものも見られます。
現状が嫌だから退職するといった、マイナス志向による転職は決してよくありません。そのような考えでは、次の会社でもマイナスな働き方になりかねないからです。ただし、企業内でその人材を活かしきれないということは多々あります、求職者の方が外部に目を向ける際に、よりよいお手伝いができればと思っています。
「健全な面談の場」をつくることが、コンサルタントの仕事
キャリアコンサルタントとしてのポリシーをお聞かせください。
転職の理想形は適材適所だと思います。例えば、中小企業の人事であれば人事の仕事だけでなく、総務や法務などいろいろなことをやらないといけません。そのような経験を積む中で、自分には人事の仕事が向いているなと思うようになれば、人事部門が独立した部署として存在する大手企業に行くしか方法がないとも言えます。
一方で、その逆のケースもあります。ずっと大手企業の人事にいて、制度の一部しか任せてもらえないと感じているのなら、仕事の領域を広げるために中小企業に移ることも選択肢の一つになるでしょう。そのような両方向の思いがあってこそ、適材適所が実現されることになります。これが理想としての転職の形です。
ただし、現実にはアンマッチが起きます。それを避ける方法がわかっている方はそう多くはいらっしゃいません。あくまでも求職者が本音を語り、その本人に適切な情報が伝わり、そこできちんとジャッジできる場をつくる。そのような健全な面談の場をいかにつくっていくのかが、コンサルタントに求められることだと思います。求職者にとっても、求人企業にとっても、その時点でベストな選択と思えるようにすること、そして双方にとってWin-Winとなれる支援を行うことが、コンサルタントの役割です。
「本人の努力」があってこそ、キャリア形成が生き方につながる
これから転職しようとされている求職者にメッセージをお願いします。
人生が有限な中で、キャリア形成はとても大切なことなので、その時、その時に後悔のない選択をしてほしいと思います。ただし、キャリア形成には努力が大切であることも忘れないでほしいですね。ここで言うキャリアとは、私生活も含めたトータルの生き方を意味します。
仕事だけ、生活だけを考えるのではなく、両方を大事にしなければいけないのです。時にどちらかに偏ることがあると思いますが、トータルでバランスを取ることが望まれます。とにかく両方を大事にするという芯を持っていないと、流されるだけで終わってしまうのです。
最近は企業でもキャリア研修を行っています。節目でキャリアの棚卸しを行い、今はどういう状態かを確認します。それによって、結果的にゴールが変わることもあるでしょう。どうしても周りの環境は変わっていきますから、ストレートに信念を貫くことも大事ですが、本当の信念とは何かを都度考えることも大切です。これからはそのような見極めが求められることを、自覚していただきたいと思います。
最後に、休日の過ごし方やオフにこだわっていることがあれば、お教えください。
オンとオフの気持ちの切り替えは大事なので、オフでもだらだらと時間を過ごさないようにしています。そのため余暇は、ゴルフのほか、ドラムレッスンやバンド練習をしたり、スポーツジムに通ったり、家族との時間を持ったり、読書をしたりと、充電のための時間であると意識して行動しています。
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