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やりたいことをしっかりと言葉にしていくことが、納得のIT道を歩むためには欠かせない。
悩める転職希望者がカウンセリングにチャレンジした

ルート1:上流工程の仕事がやりたい編
ルート2:開発をずっとやりたい編

カウンセリングをしてくれたのは
星野光則氏 写真
パソナキャレント 

ITコンサルティンググループ
マネジャー 星野光則氏

大学卒業後、通信会社、外資系コンサルティング会社にて法人営業、経営コンサルティングなどを手がけ、現職へ。「IT・経営・人事」を得意とするキャリアコンサルタント

このバンクの詳細情報
相談したのは
佐藤二郎さん イメージ佐藤二郎さん
(仮名・24歳)


大学卒業後、中堅SI会社に入社し、現在3年目。営業支援システムの基本設計〜テストまでを手掛ける

佐藤さんのキャリアシートはこちら

佐藤さんの迷子ポイント
コンサルティングの領域に踏み込んでシステム構築できるのではと思って入社したが、
実際は下流工程の開発ばかり
「上流工程の仕事がしたい」と昨年10月から転職活動を開始。
でも「最初は開発から」の案件ばかりで二の足を踏んでいる
もっと具体的な転職希望条件を出したいが、漠然としていて言葉にできない


やりたいことがボンヤリしているなら
志向性キーワードを見つけてみよう

星野
これまでの転職活動が今ひとつうまく進んでいないのは、自分の志向性・方向性がはっきりと言葉になっていないからかもしれません。そのため、まずはいろいろ質問をして佐藤さんの考えを整理するところから始めたいと思います。ではまず、転職を考えたきっかけから教えてもらえますか?

佐藤 今、大手SI会社に出向していて、その会社の営業支援のための小規模システムの開発、メンテナンス作業をしているのですが、できれば上流工程の仕事がしたいんです。自分より上の人たちを見ても、今の自分がやっていることと大して変わらない仕事をしているので、このままで大丈夫なんだろうかという不安があって。それに手掛けているのはNotes/Dominoだし。

星野 なるほど。じゃあ少し詳細に聞いていきましょうか。今の仕事で、一番の不満は何ですか? 大きな仕事に携われないこと? それとももっと別の言語を習得したいなど技術的なことですか? 思い浮かぶままに、言ってみてください。

佐藤 大きな仕事ができないことです。今の作業はメンテナンスが主で、ずっとやっていても次のステップになかなか移れないような気がするんです。

星野 今の会社を選んだ理由は何ですか?

佐藤 インターネットでSI会社のSE職を探していて、たまたまヒットしたので。事業内容などは、詳しく見ませんでした。

星野 そうですか。ちなみに、入社する前に抱いていた仕事のイメージと入った後の仕事のイメージを比べてみて、ここが違うというギャップは、どこにありますか? このギャップを考えるのは、実は重要なんです。

佐藤 うーん。もう少し顧客と接するようなシステム屋のイメージだったけれど、実際は親会社のプログラムを作っているだけという感じでした。

星野 つまりこういうことですね。上流工程ではなく下流工程ばっかりで、ずっとガリガリとプログラミングをしなくてはいけないような感じがする。しかも、手掛けているアプリケーションが主流からはズレている。SEのメインストリートからはちょっと違うところで自分は仕事をしているんじゃないかという不満と不安があるわけですね。

佐藤 そうです。

星野 自分の理想のエンジニア像もしくはビジネスマン像って、どんなイメージですか? おぼろげでいいです。

佐藤 個人名で「このシステムやってくれないか」と名指しされるような感じです。

星野 じゃあ、佐藤さんが仕事をしていく中で、絶対に外せない要素って何ですか? 顧客と接して共同で仕事を進めていくこと、エンジニアとして言語や技術に詳しくなること、年収など待遇面、会社の安定性など、どのあたりだと思いますか?

佐藤 顧客と折衝していくことです。システムだけガリガリやっていても現実味がないというか。

星野 開発言語に対するこだわりはありますか? それとも、顧客と一緒にしっかり作っていけるなら、開発言語は特にこだわらないですか?

佐藤 今は、Notes/Dominoを使う前提で開発を進めているんです。顧客にとってこのアプリケーションがいいから選んでいるわけではないところが、嫌なんです。

星野 なるほどね。ここまでの話の中で自分のキーワードが出てきたの、わかります?「上流工程に携わりたい」「顧客としっかり話し合いながら進めていきたい」「パッケージありきで開発をするのは嫌。中立的な立場で、お客さんが納得するものを作っていきたい」と志向性をはっきり言ったんですよ。

まずは、上級SEやプロジェクトリーダー、もしくはITコンサルタントのいずれかが、自分の目指す方向なんだとしっかり意識してください。

それと佐藤さん、ひとつ認識を改めていただきたいんです。小さな案件とはいえ基本設計をやっているなら、一応は上流工程の末端部分に携わっているんですよ。だから「下流工程しかしていない」という意識は捨ててもいいかもしれませんよ。するとちょっとは自信が出てくるでしょ。

佐藤 そうか。そういう考え方もあったんですね。

適職発見ポイント1
以下の作業を通じて、
自分の志向性キーワードを見つけていこう











入社前に抱いていた「こんなことをやりたい」というイメージと、入社後の「ここは合っていた」「ここはイメージと違った」をそれぞれ書き出し、入社前のイメージと現状の自分との間のフィット&ギャップ(できていることと、できていないこと)を明確にする
具体的なものが出てこないときは、これまでの仕事を振り返り「このフェーズは楽しい」「この仕事のやり方は、納得がいかない」などを思い返してみよう
そのうえで、そもそも自分は何がやりたかったのか、自分の目指すべき姿はどんなものなのかを、もう一度具体的に考える
3年後のために、今何をすべきか、箇条書きにしてみる

スカウト何件来るのかな?

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してみました

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カウンセリング風景1

カウンセリング風景2
上級SE志向かITコンサルタント志向かを
見極める鍵は、ITに対するとらえ方にある

星野
では次に、上流工程の中でも上級SE志向なのかITコンサルタント志向なのかを探っていきましょう。どちらを目指すのがいいかを考える際に、ひとつだけ目安があるんです。それはITに対するとらえ方なんです。

上級SEは顧客との折衝、要件定義、基本設計、マネジメントをしていきますね。携わる領域や顧客に対して出すソリューションはITコンサルタントと似ていると思います。しかしあくまでエンジニアであって、テクニカル面での強みが求められるんです。オープン系、Web系などいろんな言語がある中で、お客さんに一番合った言語を使って、こんなことをしようという発想です。

一方で、ITコンサルタントは顧客企業の経営改善・改革をする際に、ツールのひとつとしてITを使うという発想です。あくまで経営にコミットしてソリューションを出していくわけです。

もしテクニカル面をベースにやっていきたいなら上級SEがいいだろうし、ITはツールに過ぎないと思うならコンサルタントを目指すのがいいでしょう。

自分がどちらかわからないなら、「言語や技術に対するこだわり」を考えてみるといいと思います。佐藤さんは主流派の言語を使って開発していきたいという意識、ありますか?

佐藤 現在の開発案件で必要性が高くなっているのがJavaなので、勉強したい気持ちはあります。でも、こだわりはないです。

星野 そうですか。先ほども「お客さんにとって中立の立場でツールを選びたい」と言っていたし、ITコンサルタント志向といっていいでしょうね。

ただ、今の時点で「絶対にITコンサルタント」と思う必要はありません。「上流工程」「顧客と折衝できる」というキーワードにこだわりつつ、ITコンサルタントもしくはマネジメントがしっかりできる上級SEのどちらかを将来的に選ぶんだと考えていれば、いいと思いますよ。

カウンセリング風景3
適職発見ポイント2




エンジニア志向なのか、コンサルタント志向なのかを見分けるには、「ITに対するとらえ方」を考えてみる
自分がどちらかわからないなら、「言語や技術に対するこだわり」があるかどうかを、考えてみよう

ITコンサルタントになるためにも
技術面でのバックボーンは必要

佐藤
実は半年ほど前に大手の人材バンクに登録して、いくつか案件を紹介してもらったんです。でも、ITコンサルタントではなく、やっぱりSEばかりだったんです。

星野 ちなみに、どんな会社を紹介されたんですか?

佐藤 まずA社は、ある業務系パッケージを自社で持つ会社で、そこならゆくゆくはITコンサルタントになる道もあったんですが、顧客への提案がその自社パッケージでなくてはダメなところが、ちょっと嫌でした。もうひとつ、B社はあるコンサルティング会社の開発子会社だったのですが、コンサルティングをするのは親会社で、子会社だと「SEからスタートですよ」と言われたので、応募する気になれなかったんです。

星野 なるほど。佐藤さんの「中立の立場で、顧客に合ったソリューションを提供したい」という志向性からすると、A社はちょっと違うかもしれませんね。でも、B社は悪くないですよ。

佐藤 でも、またSEからと思うとゼロからスタートな気がして。

星野
SEをもう一度やらなくてはならない、と考えるとゼロからと思えるかもしれないけれど、こう考えてみたらいかがですか? 「次の会社で、ITコンサルタントになるためにシステム開発の知識と経験を磨くんだ」と。ERPの知識・経験を身に付けておいて損はありません。ITコンサルタントになったときに顧客から、「ERPってどうなの?」と聞かれて「わかりません」では務まらないでしょう。また基幹系のシステムを顧客企業にとって最適な形にカスタマイズしていく仕事なので、一方的に自社の都合で導入しているという感覚はないはずです。

佐藤 なるほど。

星野 それに、佐藤さんの場合はもう少し開発技術に強くなっていた方がいいですよ。ITコンサルタントは何か問題が起こったとき、「それはここに問題があるだろうから、こうやってみて」と言えるだけの技量がないといけない。「JavaもC言語もXMLも、すべてをパーフェクトなまでに究めた」というレベルになる必要はないけれど、構造上のだいたいのことはわかる、設計思想やアーキテクチャの基本の部分はしっかり理解できるようになり、人の上に立って具体的に指示できるレベルには達しておきたいですね。

カウンセリング風景4
適職発見ポイント3




提示された求人案件にピンとこなかったら、「どんな点がピンとこないのか」を率直に語ってみよう
ITコンサルタントになるにも、開発技術の知識・経験が必要。人にきちんと指示できるだけの技術力を身に付けよう

24歳でITコンサルタントへの転職は早過ぎる
上流から下流まで一通り携われる会社を目指そう

佐藤
では、転職するならどのあたりの会社がよさそうでしょうか。

星野 上流工程から下流工程まで一通りの流れに携われる会社を目指すといいと思います。さきほどのコンサルティング会社の開発子会社や1次請けのSI会社がよさそうです。ただ、24歳という年齢だと1次請けの大手SI会社は難しいかもしれない。それらの企業がほしがるのは経験4、5年はある26歳以降の人たちなんです。

そう考えると、中堅かもう少し小さい規模の会社。例えば、ベンチャーといわれる状態はちょっと抜け出したかなという段階の、収益性のいい50〜100人程度の1次請けのSI企業はよさそうな気がします。顧客折衝、要件定義からプログラミング、テストまで一貫した責任がドンと与えられるなど、いい意味でいろんな経験ができますよ。プチ・プロジェクトマネジャーの経験も積めるでしょう。1000人規模の大手に比べると、100人というのは当然、社員一人ひとりに頑張ってもらわないといけない規模だから、手塩にかけて育ててもらえると思いますよ。

佐藤
そうか。実はずっと「転職するなら、上流工程だけができる環境でなくちゃ意味がないんじゃないか」と思っていたんです。でも今は、上流から下流までトータルに携わる経験が必要なんだということがよくわかりました。

星野 いろんな会社に応募してみるといいですよ。その際、気をつけてほしいことはホームページなどの文字情報だけで、その会社の良し悪しを判断しないことです。「下流工程をやらされるんじゃないか」と疑問に思ったら、面接に進んで実際に聞いてみればいいんです。面接官に聞いてみたら、上流工程にも携われることがわかるかもしれないし、違っていたら途中で辞退すればいいわけです。間接的な情報ばかり集めて、耳年魔になって「受ける企業がない」なんてことにならないように、「迷ったときには応募」を実行してみてください。

適職発見ポイント4

ちょっとでも興味を持った会社にいろいろ応募してみること。ホームページなどの文字情報だけで判断するとチャンスを逃す

転職活動は、自分を知るにはうってつけの機会
転職する、しないにかかわらず
活動して損はなし

カウンセリング風景5

星野
ITコンサルタントに転職する適齢期は、27〜30歳なんです。もう第2新卒ではなく、社会人として一人でも人前に出せる状態。しかも、自分なりの強みを持っている。リーダー経験もある。

そのレベルに達してから挑戦してほしいんです。24歳でいきなりITコンサルタントへ転職というのは、少々早すぎるんですね。

佐藤 なぜか焦る気持ちばかりが、先走ってしまって。

星野 大丈夫。24歳でそんなにすごい経験積んでいる人なんて、そうそういないですから。佐藤さんは、今の小さなプロジェクトで協力会社や中国にいるSEの取りまとめ役もやっているんですよね。24歳でサブリーダー経験までしているなら、立派ですよ。

佐藤 そういってもらえると、安心しました。

星野 転職を考えているということは、「現状では満足できない。今の自分を変えたい」との気持ちの現れです。それ自体、「危機意識がある人」としてとても評価できますよ。それに、自分ではきちんとした言葉にすることができなかっただけで、しっかりとした方向性も持っている。素晴らしいことだと思います。

佐藤 自分のやりたいことがはっきりわかってきたから、もうちょっと転職活動を続けてみたいと思います。

星野 焦って会社を見つける必要はありませんよ。今いる環境と比べながら、やっていけばいいんです。面接に進んでみて「なんだ、ここじゃ今の会社と変わらないや」と思ったら留まればいいし、今を超える会社から内定をもらったら転職すればいいんです。

実は、転職するにしろ、今の会社に留まるにしろ、転職活動をすること自体に意義があるんです。活動を通じて、自分の強みや弱み、今置かれている状況が見えてくるからです。いろんな会社を回ってみると、「今の会社、こんなところは意外と良かったんだ」とか「そうかやっぱりこの点は問題だったんだ」などが客観的にわかってくるでしょう。

ITコンサルタントになるには、これから3年間が勝負です。「自分は顧客に付加価値を発揮しているか」を考えながら仕事をすることが何よりも大切です。これを心掛けるだけで、成長の度合いがグンと変わります。プログラミングをするときだって、「これは〇〇事業部で使うシステムだな。すると、こんなところに問題が生じそうだぞ。じゃあ先に改善案を考えて提出してみよう」など、顧客の業務内容への配慮をすることができるはずです。

コンサルタントになりたいなら、下流工程の仕事をしていようと、全体を見る視点を持ち率先して顧客の業界事情やビジネスプロセスを勉強したり、必要と思われる開発言語を独学で学んだりして自分を成長させないと。やることは、いっぱいありますよ。

「自分にはこんな強みがある」と自信を持って言えるレベルに達するように頑張ってください。

カウンセリング風景6
適職発見ポイント5



ITコンサルタント転職への適齢期は、27〜30歳。それまでに「これなら人に負けない」といえる武器を持とう
これから3年が勝負。日々の仕事の中で「顧客に対して付加価値を出しているか」を常に意識して、自分を成長させていこう

適職ルートはこれ!




1次請けのSI会社
上流工程から下流工程までトータルで携われる会社。もしくはITコンサルティングファームの開発子会社
今の会社で部署異動
1次請けの仕事のプロジェクトリーダーとして、上流工程から下流工程まで自分で任される立場になる(小規模プロジェクトでOK)

どちらのルートを選んでも、上流工程でクライアント折衝、要件定義、基本設計の経験を積み、プロジェクトリーダーとしてマネジメント力を磨いていこう。テクニカルスキルも「人に仕事をしっかり指示できるレベル」にまで高めていくことが必要。また、常に「自分の仕事は顧客にとって付加価値を出しているか」を意識して働くこと。やる気を示すために、最低、オラクルマスター(Silver)、MCP(マイクロソフト認定プロフェッショナル)など技術資格の取得を。そのうえで3年後をめどにITコンサルティング会社への転職を目指そう。

カウンセリングを終えて
昨年、大手人材バンク2社から求人を紹介してもらいましたが、そのときは自分の方向性が明確でなかった分、求人案件を見ても「自分の希望とは違うんじゃないか」との思いがありました。どうしてこの会社がいいのかが、明確にわからなかったんです。今日は、ぼんやりとしていた方向性をキーワード化してもらえたので、自分の考えがしっかり整理できた。これからは自分から率先して「こんな求人がいい」と言えそうです。また、「上流工程に行きたいという思いは間違っていなかったんだ」と背中を押してもらえました。転職活動、頑張れそうです。

 
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