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自分なりの道しるべを持っていないと、
流されるままにキャリアを歩んでしまうことになる。
適職ルート発見のための転職ステップを考えながら
求人動向をチェックしよう


広〜いIT業界でやりたい道を究めるには
自分なりの道しるべをしっかり持つこと

あるエンジニアはつぶやいた。
「SEになって、ITと呼ばれる業界があまりに広いことを知った。よほど自分で意識していない限り、やりたい道を歩むことはできない。それにいつ気付くかが、その人のエンジニア道を大きく左右する気がしてならない」

そうなのだ。IT業界は広いのだ。時代の変化を常に敏感に感じ取りながらも「自分の志向性を究めていこう」という目標をしっかり持たないと、流れに翻弄されてしまうだろう。

日々進化する技術に追いついていけるのは若いうちだけといった「SE35歳限界説」や、Javaなど技術の進化によるプログラマー不要論など、不安要素はたくさんある。また、2次請け、3次請け会社にいて一方的に指示されるばかりの仕事への不満がある人もいるだろう。

それでも、「専門知識に裏打ちされた技術力で勝負していきたい」「顧客としっかり向き合って、いいソリューションを提供していきたい」など、自分なりの道しるべをしっかり持てば、納得のいくITエンジニア道を究めていけるはずだ。

もし「本当にこのままでいいのかな」「もっと自分を生かせる道があるんじゃないか」との漠然とした不安があるのなら、「今が、一皮むけるチャンスなのかもしれない」と発想を切り替え、行動に移すことだ。つまり、転職活動をしてみるのである。

「メンテナンス作業ばかりの毎日に意味を見出せなかったが、転職活動してみて初めて、自分にも力が身に付いているんだとわかって自信が持てた」(25歳・SE)というケースも少なくない。何がやりたいのか、そこに行き着くには、今、何を身に付け、どんなルートをたどればいいのかを真剣に考えることにもなるだろう。転職活動を通じて自分自身としっかり向き合うのである。

それではここから具体的なルートを考えてみたい。

ITコンサルタントになりたい
上流工程に携わりたい20代

「詳細設計、プログラミング、テストばかりをやらされて、システム全体を見渡せず、つまらない」「きちんとした仕様書さえあれば、人件費の安い中国、インドなど海外へ外注できるこの時代に、下流工程に携わっていて本当に大丈夫か」などの理由から、ITコンサルタントになりたい、上流工程に携わりたいと考える20代SEは多い。

しかし、「イメージでITコンサルタントや上流工程の仕事をとらえている人がほとんどですね」とリコー・ヒューマン・クリエイツの大久保 樹氏は指摘する。まずは、「この仕事って何をするんだろう」との視点で雑誌やプロジェクトマネジャー向けの専門書などを読み、仕事内容をつかむことが必要だ。

実際のところ、下流工程だけをやってきたSEがすぐにITコンサルタントを狙うのは難しい。そのため、「上流工程から下流工程までトータルで携われ、プロジェクトリーダー経験なども積める会社を一度経由して、力を身に付けることをお勧めします」(大久保氏)。

将来の目標を見据えたうえで、「今、どんな力を身に付けるべきか」を考え、ステップを踏んだ転職をしていくルートだ。

20代は、まだまだポテンシャル転職が可能な年代。なかでも一番ニーズが高いのが、社会人としての常識が身に付いている経験2、3年以降の人材だ。イムカの平野郁夫氏によると「この年齢層への採用側の視点は、『この人物は育てがいがあるかどうか』です。面接では、得意分野は何か、将来のリーダーとしての素養はあるかなどを見ている」という。

そのため転職を考えるにあたっては、「自分は大した経験を積んでいないのでは」という不安を持つ必要はない。なぜ転職したいのか、これから自分はどんなエンジニアになりたいのかを明確にすることが大切なのである。
→関連記事「適職ルート発見カウンセリング:ルート1」

30代でもプチ・キャリアチェンジは可能!?

「エンジニアとして究めたい道はここではない」と思いながらも、転職を考えるチャンスを逃してきてしまった30代の中には、「本当にやりたい仕事に就くには、今が最後のチャンスかも」との思いから、プチ・キャリアチェンジを考えている人もいる。例えば、業務アプリケーション系SEから制御系SEへ進み、開発にずっと携わっていきたいなど、これまでの専門領域から少しズレた場所への転職を希望するケースなどだ。

「30歳を過ぎると、入社したその日から、自分で考え、自分で動いて仕事を進めていける即戦力が求められるケースがほとんどです」(平野氏)という指摘がある一方で、抜け道ルートも存在する。「ある特定の領域に特化したベンチャー企業など、探せば抜け道はあります」とリーベルの石川隆夫氏はアドバイスする。

ただし、「なにがなんでも、その仕事にチャレンジしてみたい」という熱意が必要だ。育ててもらえる立場を過ぎてしまった年齢なだけに、「自分で学んでいくぞ」という強い意志がないと転職できたとしても、めげてしまうことになりかねない。転職市場における年齢の壁を乗り越えられるかどうかは、本人の気持ちひとつで決まる。「これが最後のチャンスかもしれない」との思いをバネに、「自分で仕事を引き寄せてくるぞ」とのマインドを持った自律型人間になれば、その後のルートは大きく開けてくるはずだ。
→関連記事「適職ルート発見カウンセリング:ルート2」

修羅場経験のある
リーダー/マネジャーは引っ張りだこ

30代に入る頃から、ITエンジニアも次第に管理する立場になることを求められるようになる。後輩や部下を育て、チームを率いる側に回るのだ。加えて、無理難題も少なくない顧客からの要求を上手にネゴシエーションしながら調整し、コスト割れを起こさないような手腕が求められてくる。自社内での部門間調整に駆け回ることも出てくるだろう。

つまり、技術力や専門知識に加えて、人間力が必要になってくるわけだ。いろいろなプロジェクトで数多くの修羅場を踏んできた人は、転職市場でも“できるプロマネ/リーダー”として引っ張りだこの可能性が高い。「次は、大型プロジェクトでのリーダー経験を積みたい」「一から作り上げる案件で、自分の力を試してみたい」「もっと顧客企業の経営改善にコミットしていきたい」など、これまで培った力とため込んだ思いを発揮できる場を見つけてみるのもいいだろう。

いずれにせよ、自らの道しるべを持ちつつ力を蓄え、ITエンジニア道を究めていこう。

*



IT求人動向レポート

2003年の秋ごろは冷え込んでいた転職市場。求人案件は出ているものの、実際には採用に至らないケースも目立ったが、このところ企業の中途採用意欲は高まりつつあり、市場は徐々に活発化してきている。それでは、各職種の動向を見てみよう。
平野郁夫氏 写真

イムカ 取締役
平野郁夫氏


メーカーでの生産管理などを経て、現職。IT業界(ソフト、ハード)を中心にあらゆる分野を手掛けるベテランコンサルタント


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大久保樹氏 写真

リコー・ヒューマン・
クリエイツ
取締役
大久保 樹氏


外資系および日系企業にて、技術営業、マーケティング、教育などさまざまな職種を経験し現職へ。ITをはじめ守備範囲は広い


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売り手市場
■業界チェンジのチャンスあり! 制御系・組み込み系SE
DVD、デジカメ、携帯電話、薄型TVなどの情報家電と自動車および関連製品の売れ行きが好調なことを受け、制御系・組み込み系SEのニーズはこの半年ほどで急速に高まっている。メーカーやその開発子会社、また受託開発会社などの求人が出てきている。「その反面、転職希望者の数が少なく、制御系・組み込み系SEは引っ張りだこの状態です」(平野氏)。C、JavaやリアルタイムOSなどの知識があり、制御系・組み込み系の開発経験が3年以上ある人は、売り手市場といっていいだろう。同職種で業界チェンジをするなど幅広い転職活動をするチャンスだ。

売り手市場

■ 顧客折衝力のあるプロジェクトマネジャー/リーダー
SI各社が、受注競争、コスト競争を強いられている現状にあって、プロジェクトを司るプロジェクトマネジャー/リーダーの重要性が声高に叫ばれている。顧客企業の要求が年々高くなっていく中で、きちんと話を詰め、上手に顧客とネゴシエーションできる手腕を持つプロジェクトマネジャーに熱い視線が注がれている。技術に強い必要はさほど、ない。顧客折衝力、調整力、管理能力を磨いてきた人を企業は求めているようだ。複数のプロジェクトを掛け持ちしている人なら、45歳くらいまで引き合いはあるという。一方、プロジェクトリーダーは、技術力をバックボーンに複数の案件を仕切れる人へのニーズが高い。「人件費を抑制しているこの時代にあっても、『いい人ならぜひ採用したい』とこの職種の年収は上昇傾向にある」(平野氏)ようだ。


売り手市場
■ オープン系、Web系エンジニアはUNIX有利!?
Windows系に強いエンジニアの数に比べて、UNIX系の技術力を持つエンジニアが少ないため、後者の方が若干、引き合いが強い。「20代半ば〜30代半ばの転職希望者なら、Java、J2EEの経験者や、オブジェクト指向の開発経験者は売り手市場です」(平野氏)。もちろん、それ以外のオープン系、Web系エンジニアにも転職チャンスは拡大しているようだ。

■依然、ニーズの高い業務アプリケーション系SE
各企業がIT投資への規模を縮小してきているため、ERPパッケージの導入などは、これまでのような大型案件から比べると経理と財務、生産管理や販売管理など一定のモジュールに特化して導入したりとプロジェクト規模が小さくなってきているようだ。それでも、基幹業務アプリケーション開発を含め依然ニーズは高い。

■ 転職希望者に人気の社内SE
求人案件が出ると一件の求人に多くの応募者が殺到する社内SE。現在、社内SEそのものをアウトソーシングする企業が増えている一方で、発注する側に回りたいというSEたちがその門を叩いているため、他の職種に比べると応募倍率が高くなっているようだ。

■ これからはSEも語学の時代!? ブリッジSE
中国やインドにいる技術者に開発を発注するケースが増えている今、ブリッジSEという職種が確立しつつある。Eメールでやりとりするケースが多いため、英語の読み書きがしっかりできるレベルならチャレンジできそうだ。また、中国やインドと日本の間での開発環境の違いがどこにあるのかなどを知っているブリッジSEは希少価値となっている。

 

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イラスト/きたみりゅうじ
取材・文/中村陽子(編集部)

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