シンクタンク・コンサルティング
中小企業診断士
- 人と接するのが好き
- コツコツやるのが好き
- 専門家になりたい
どんなお仕事?
中小企業診断士は、企業が成長していくためのアドバイスを行う経営コンサルタントです。企業経営に関する専門的な知識を活かしながら成長戦略や経営計画の策定に携わり、企業を支援します。また、行政や金融機関などの、企業が経営活動を行ううえで連携が必要となる機関との関係性を築く役割も果たします。担当企業の内部から外部までさまざまな人と関わる職業です。
仕事内容をもっと詳しくDetail
中小企業診断士の仕事内容をいくつかの業務に分けてより詳しくご紹介します。
[1]コンサルティング業務
中小企業診断士の主な仕事は、企業の経営状況を分析してよりよい企業へ成長できるよう導いていくことです。ヒアリングや訪問を通して担当企業がどのような問題を抱えているかを把握し、改善点を洗い出します。生産性の向上やコスト削減など、どのような点を改善すべきかを見極め、診断報告書を作成して企業に提出します。企業はそれをもとに経営改善を行います。
[2]補助金の申請代行
国や自治体からの補助金は中小企業にとって非常に大きな助けとなります。ですが、補助金申請は煩雑で量が多いうえ、審査が通るように正確で要点を得た申請書を作成するテクニックが求められます。そのため、中小企業診断士が企業に代わって事業計画書や申請書の作成を行います。また、金融機関への融資依頼の際にも、企業の内情や事業計画などに精通している立場として説明役やパイプ作りを担うこともあります。
[3]公的業務
中小企業診断士の中には、国や地方自治体の行政機関、中小企業基盤整備機構、商工会議所、都道府県中小企業支援センターなどの公的機関に勤める人もいます。これらの公的機関には中小企業の経営者や起業家向けの相談窓口が設置されており、集客・マーケティング・財務・人事などの企業経営に関わるさまざまな相談が寄せられます。それらに対応するのが中小企業診断士の業務です。また、窓口での対応以外にも専門家派遣という業務もあり、実際に企業を訪問してサポートを行う業務も担っています。
[4]セミナーでの講演
企業経営において幅広い知識を持っている中小企業診断士の中には、セミナーでの講演活動を行っている人もいます。企業経営の手法や成長戦略の立て方など、企業運営に関するさまざまな内容の講演を行います。身近に相談できる人がいない経営者や起業家にとっては情報収集ができる重要な場の1つです。
[5]執筆活動
セミナー講演だけでなく、書籍の出版やWEBサイトの記事の執筆、ブログの運営等で情報発信を行う中小企業診断士もいます。自分の得意分野や専門分野を活かして情報発信を行うことで収益を得ています。
やりがいは?Worth
★需要が高く、高収入が期待できる
日本の企業のうち約99%が中小企業です。中小企業診断士の需要は高く、今後もさらに高まっていくと考えられています。自分の知識や経験を活かして企業の成長に貢献できればその分年収アップも期待できます。経営コンサルタントとして企業からの信頼を得られるように、誠実に業務にあたるように心がけましょう。
★企業成長に貢献できる
自分が提案した戦略が成功することで企業の成長に直結します。企業の経営規模が大きくなっていく様子を間近で見ることでやりがいを感じることができます。企業や企業と関わる機関とのやり取りを担う責任は重大ですが、その分やり遂げたときの達成感も大きい職業です。
必要な能力・スキルAbility & Skill
●コミュニケーション能力
●企業経営に関する知識・理解
●マーケティング・コンサルティングに関する知識
●営業力
●向上心・知識欲
中小企業診断士に独占業務はありません。そのため、自分自身で経営に関する知識や経験をアピールして企業側に売り込んでいく必要があります。独立した場合は、特に営業力が求められます。また、中小企業診断士は企業の中だけでなく、行政や金融機関など外部とのパイプの役割も任せられるため、様々な人とうまく交渉ができるようなコミュニケーション能力が重要となります。さらに、企業の問題点を正確に分析し、適切な改善策を提示するためには、業界や経営に関する最新の知識が必要です。自らの知識を常にアップデートしていく向上心は不可欠です。
給与の目安は?Emolument
■年収:300万円~1,000万円
中小企業診断士は独立している人が多い職業です。そのため、個人のスキルや経験に応じて年収も幅広く変動します。
仕事で関わるヒトRelation
・起業家
・経営者
・従業員
・行政機関
・金融機関
どうやったらなれる?To become
中小企業診断士になるには、国家資格を得るための2段階の試験を受けた後に実務補習もしくは実務従事をこなす必要があります。
①中小企業診断士の資格試験は第1次試験と第2次試験に分かれています。第1次試験はマークシート形式です。企業経営やコンサルティングに関する基礎知識を有しているかを判定します。試験は7科目に分かれており、3年以内に7科目全ての試験に合格すると第1次試験通過となります。
②第2次試験は筆記試験と口述試験です。企業の問題点・改善点に対して適切な判断ができるかどうかの応用力が問われます。筆記試験は各設問15~200文字程度の記述式です。口述試験は筆記試験の内容をもとにした10分程度の面接が行われます。
③第2次試験に合格した後は、合格後3年以内に15日以上の実務補習または実務従事をこなす必要があります。実務補習・実務従事を終えると、中小企業診断士として登録の申請を行うことができるようになります。