化学・素材・化成品
基礎・応用研究(化学・素材・化成品)
- 何かを作るのが好き
- コツコツやるのが好き
- アイデアを考えるのが好き
- 専門家になりたい
- 人の役に立ちたい
- 組織や社会に影響を与えたい
- 物事を分析・研究・探究したい
どんなお仕事?
■新製品開発に適した新物質を創りだす仕事 この世の中の動植物、海や山といった大地、建造物、工業製品、食品…とあらゆるものは、分子や元素からなる化学物質。つまり、基礎・応用研究(化学・素材・化成品)はすべての分野に関連し、例えば、金属、ガラス、カーボン、セラミック、調味料、化学繊維、プラスチック、ゴム、紙、化粧品、医療用素材…とその研究対象もボーダレスです。「金属疲労を低減する新しい鉄」「強度と軽量化を同時に実現する航空機の尾翼素材」「清涼感のある新化学繊維」…等のミッションに向けて、試行錯誤しながら新素材を探求する仕事です。仕事内容をもっと詳しくDetail
取り組む研究対象によって、仕事内容は大きく異なりますので、ここでは大まかな流れをご説明します。 【主な仕事の流れ】 [1]研究課題・目標設定/化学・素材・化成品の研究では、主に新製品に関連する新素材を開発します。自動車・航空機等の運輸機では「強度向上と軽量化」が恒常的なミッションですし、繊維メーカーでは、例えば「軽くて暖かい新素材」や「しわも防ぐ涼感素材」といった研究がミッションとなります。細分化された分野毎にチームを編成し、研究のテーマ、クリアすべき数字(例:重さ、強度、耐久性、柔軟性、速乾性、弾性…)、期間等の目標を設定します。また、新製品に関連した研究・開発だけでなく、長期的な基礎研究も行われます。 [2]研究・開発/複数名からなるチームで研究を進めます。金属に微量な不純物をある条件で加えて延性を向上させたり、プラスチックの分子配列を変え強度を向上させたり…と様々な手法を駆使して新素材を開発します。研究時にはまず充分に情報収集、調査したのち、仮説を立てて、その有効性をチームで検討した上で取り掛かります。新素材候補は何度も実験を行い、実験結果を検証してさらに改善を施します。もちろん、世界中で発表される最新論文等に目を通し、有益な手法がないか常に情報収集することも欠かせません。 [3]機能・特性から製品化/上記のように新製品構想から新素材の研究テーマが決まることもあれば、逆に研究して生み出した新素材の機能・特性をいかにして製品化するかといった研究もあります。意図的にあるいは別の研究から偶然生まれた新素材等が画期的な製品となることも少なくありません。 [4]技術改良研究/新素材そのものを作り出すことはもちろんですが、その精製法・合成法・成形法等の技術の改善なくしては素材開発の研究は成り立ちません。例えば成形のための機械の開発等も必要となった場合は各専門家とともに開発を進めることもあります。 [5]レポート・特許/研究内容をレポートにまとめ、論文として発表することも少なくありません。また特許の申請も欠かすことのできない業務です。
やりがいは?Worth
★競泳用水着、人工皮膚・血管、ウオッシャブルスーツ、車体軽量化による燃費の向上…等、新素材が世の中に与えるインパクトは少なくありません。社会に影響を与えるやりがいがあります。
★自然界にある物質に知識を結集させることで、考えられなかった性質をもった物質を誕生させるというスリリングな経験ができます。
★医療用素材、登山用素材等、人命に直結する研究・開発も多く、社会的貢献度の高い仕事です。
★地道な実験・検証・評価といった地道な作業もありますが、研究目標に向けて一丸となるチームワークの喜びを味わえます。
★応用される製品はディスプレイ、太陽・燃料電池、半導体素子、医療素材、衣服、フィルム、タイヤ、自動車、建材、食品、インク…とありとあらゆるもの。すべてに欠かすことのできない研究といえます。
必要な能力・スキルAbility & Skill
●新しいものを探求する好奇心
●粘り強さ・忍耐力
●コミュニケーションスキル
●情報収集力
●論理的思考力
●化学の基礎知識
いうまでもなく好奇心・探究心・化学の基礎知識は欠かすことができません。また、地道な実験を繰り返せる粘り強さ、研究の方向性や手法を論理的に組み立てる能力、常に最新の研究動向をキャッチアップするための情報収集力、研究チーム内や製品開発責任者、時には社外の研究員とのスムーズなコミュニケーション力等が必須の能力となります。
給与の目安は?Emolument
■年収 約300万円~1200万円 新素材開発の需要は常にあり、高い専門性を身につけている研究者の市場価値は高いです。
仕事で関わるヒトRelation
●製品の開発責任者
●研究所内のメンバー、所長
●他社の同じ研究分野を持つ研究者
どうやったらなれる?To become
化学の基礎知識が必要なため、大学・大学院の化学系の学科を卒業したのち、素材メーカーの研究・開発部門に配属されるのが一般的なルートです。 【関連する資格】 ●化学分析技能士 ●危険物取扱者 ●毒物劇物取扱者