医薬・バイオ・食品
創薬研究
- 何かを作るのが好き
- コツコツやるのが好き
- アイデアを考えるのが好き
- 専門家になりたい
- 人の役に立ちたい
- 組織や社会に影響を与えたい
- 物事を分析・研究・探究したい
どんなお仕事?
■新薬開発のきっかけになる新規物質を発見、合成、探究する研究 アレルギー、認知症、生活習慣病、感染症…など、今もまだ治療法がない疾病は数え切れないほどあります。創薬研究とは病気を引き起こすメカニズムを調べ、その原因の1つに照準を絞り、その治療に有効と思われる新薬の種(シーズ)を探索すること。シーズは治療に有効な新規物質を指し、これらを発見、合成、探究します。 膨大な時間と労力、お金をかけて開発される新薬の最初の一歩を担う仕事といえますね。ちなみに創薬研究で生み出されるシーズのうち、実際、新薬として世に出る確率は1万分の1~2万分の1と言われています。それまでに費やす時間は10~15年、研究にかかるお金は1000億円以上!気の遠くなる話です…。仕事内容をもっと詳しくDetail
創薬研究には化学系、微生物系、遺伝子系、薬理系といった違うアプローチ方法があります。それぞれのアプローチ手法毎に研究者がチームを作り、研究を行います。最近の研究には創薬プロセスでたいていゲノムサイエンス、IT技術を取り入れています。 [1]研究テーマ決定/医療現場のニーズ調査を行い、ある疾患に照準を絞ります。 [2]標的生体分子の特定/照準を絞った疾患のメカニズムを解明し、さらに疾病の原因となる生体分子(ターゲット)を特定します。さらにその分子が本当に疾患の治療の鍵として適正かどうかを検証し、確認します(ターゲットバリデーション)。 [3]物質探索/疾病の原因分子に有効に作用する新規物質を探究するプロセスです。各アプローチ毎に研究がすすめられます。 ●化学系…既存の化学物の変異、新化合物について、コンピュータ上での理論合成や実際の合成等を重ねて、新薬のシーズとなる新規化合物(リード化合物)を決定します。 ●微生物系…海洋生物、水中生物、昆虫、土壌等あらゆる生物を探査し、体内の微生物やホルモン物質を見つけだします。その後機能解明を進め、その中に疾病治療に役立つ物質はないかを研究。シーズとなる物質を特定します。 ●遺伝子系…ヒトに限らずあらゆる生物の遺伝子研究を行います。特定の生物に発生する疾患と遺伝子構造の共通項を見出したり、糖尿病になりやすい人となりにくい人の遺伝子コードを比較して、その違いを特定。そこから新薬のシーズを発見します。 [4]前臨床研究への引き継ぎ、研究発表/その物質が有効なシーズとなりえるかの安全性・効き目等の検証を行い、認定されれば前臨床研究に引き継がれます。他業務としては、研究所内でのディスカッション、社外の研究者と意見交換等があり、ここでの人脈形成も重要となってきいます。また実験記録や結果、研究手法等はその都度まとめておき、研究発表へ備えます。
やりがいは?Worth
★治療薬がなく病気と闘っている多くの人を救える仕事です。社会的意義がモチベーションになります。
★研究という自分の成果を作り上げることができ、有用な研究発表が注目を集めることもあります。
★生命、自然、生物の根源を探究できる奥の深い仕事です。
★創薬研究は真っ暗な闇の中で何かを掴むような研究ですが、ふとした気づきや勘が大発見につながることもあり、これが研究の醍醐味でもあります。
必要な能力・スキルAbility & Skill
●自然や科学、生命への探究心。
●芽が出るか分からない研究を粘り強く続けられる忍耐力。
●他の研究者と意見を交わせるコミュニケーションスキル。
●独自の視点、アイデアを豊富に持っていること。
●化学、生物等の専門的な知識と経験。
●理論合成のシミュレーションや数値解析を行うためのITスキル。
●世界中で発表されている最新の研究論文を読むための英語力。
給与の目安は?Emolument
■年収 300~800万円
仕事で関わるヒトRelation
●研究所内のメンバー、所長 ●他の研究所の研究者 ●臨床開発担当者
どうやったらなれる?To become
大学もしくは大学院卒業後、製薬メーカーに就職するケースがほとんど。転職市場でも求められるのはほとんど経験者となります。未経験での転職には門戸のせまい職種ですが、大学時代の専攻によっては可能性があります。 【関連する資格】 ●日本毒性病理学会認定毒性病理学専門家(JSTP) ●薬剤師資格