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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  

スポーツに学んだ “熱く生きる”精神力

 『無駄に生きるな、熱く死ね』
 映画「エニー・ギブン・サンデー」での、ヘッドコーチ役のアル・パチーノの言葉です。

 僕の母校のアメリカンフットボール部ギャングスターズは、僕が在学していた1990年代前半に3度の学生日本一、そして1995年にはライスボウルも制覇し名実ともに日本一になりました。京都大学は、スポーツ推薦もありませんし高校時代にアメリカンフットボールを経験していた選手もほとんどいません(そもそも、スポーツ経験のない選手も多い)。

 にもかかわらず、そのような環境の中で、極めて合理的なリクルーティング、コーチング、競争戦略の策定および実行で「日本一」という結果を出しつづけています。しかし、本当に優れていたところは気迫です。「目の前の勝負に負けたら死を覚悟する」気迫で、勝負に挑みます。能力で劣る部分を、補って余りある気迫で勝負をし、結果を出していたわけです。

 学生時代の僕は本当に生意気でした。プライドが極めて高く何でも一番にならなければ気が済みませんでした。大学院入試でも「合格すること」ではなく「一番で合格すること」を目指し、「僕はそこらの京大生とはまったく違う。一番で合格しなければ大学院なんか行く意味がない」と大口を叩いていました。ただ、その分周囲の何倍も努力し、自分のくだらないプライドを守るためにまさに「死を覚悟する(ほどの)」意地を張りつづけました。そして、結果を出しました。

 今、僕はさすがに成長し、そういうくだらないプライドは捨て去りましたし、かなり丸くなりました。しかし、今の僕には学生時代に持っていた、くだらないプライドから生まれてきていた気迫が欠けているように思えます。
 日々、目の前に現れるビジネスに忙殺され、目の前の課題を処理することだけでいっぱいいっぱいです。一番だろうがなんだろうが関係なく、その日を乗り越えるだけで精一杯な状態です。

 たまたま、金曜ロードショーで「エニー・ギブン・サンデー」をやっていたので、ビールを飲みながら見ていたのですが、思わず考えさせられてしまいました。「僕は今、熱く生きているのか、無駄に生きているだけなのではないか」—。

 最近ニュースで話題になっていますが、松井選手や中村選手がFA宣言して、自分の夢に向かっていっています。彼らは、自分の人生を決して無駄に生きているのではなく、熱く熱く生きています。とても輝いて見えます。

 僕は今、自分の実力不足から壁にぶち当たり、なかなか乗り越えられず苦労しています。くだらないプライドを持つ必要はありませんが、自分自身に対する「誇り」を失わないようにしようと思います。決して「無駄に生きるのではなく、熱く生きられる」よう、目の前の大きな壁にぶつかり、必ず乗り越えようと思います。

 そして、松井選手や中村選手のように自分の夢に向かって頑張れるような存在になるべく頑張ろうと思います。
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2002.11.11 update 戻る 

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