これまで出会えた皆さんのおかげで毎日充実した日々を送っていますが、これまでの道のりを振り返ると奇跡的ですよね。なんせ元ニートですから(笑)。そういう意味では19か20歳の頃、知的障害者の方が声を掛けてくれたことが大きいです。あれがこれまでの人生の中で一番大きい節目でしょうね。「遊びにおいでよ」って福祉作業所に誘ってくれたおかげで、再び人の中に入れるようになったので。もしあのとき声をかけてもらえなかったら、今でも引きこもりだったかもしれない。そういう恐怖感はありますね。あれがすべての始まりだった。
それまではほんとにキツかった。不安で不安でしょうがなかった。毎日うじうじしてた。でも一方で、あそこまでだらしなく落ち込んだ経験が、今、すごく生きているなあって実感するんですよね。こういう、人と接する仕事をする上で、中途半端な時期が長かったということがかえってよかったのかなと。
というのは、僕、意外とエリートに思われることがあるんですよ。30代半ばでいろいろな講座や講演とかで全国各地を飛び回ったり、本を出したりしているので、いい大学を出ていいキャリアを重ねてきた人なんでしょって。
でも全然違いますからね。「大学も出てないし、若いころはうじうじしてニートという言葉がない頃のニートですから」って言うと、そうなんだって、皆さんに親近感をもってもらえたり、信頼を得られるようなところがあるんですよ。特に最近増えてきた大学での講演で後でこう話すとかなりウケますね(笑)。
だからヘタに順調にキャリアを重ねてこなくて、結果としてよかったかなと。一歩間違ったらほんとに危なかったと思いますけどね(笑)。
ニートから紆余曲折を経て人気講師となった今、次なる夢や目標やビジョンはなんなのか? 岡田氏から返ってきたのは、意外だが、彼らしい答えだった。
|