今回の調査対象社
株式会社バンステーション
今回潜入したのは、株式会社バンステーション。設立は1992年という関西では老舗の人材紹介会社です。自らもコンサルタントとして東奔西走する同社の代表・岡田さんは、業界では名の知れた存在だそうですよ!
株式会社バンステーション 本社
〒530-0005 大阪府 大阪市北区中之島4-2-28 甲南アセット中之島4F[Map]
【交通】地下鉄四ツ橋線「肥後橋」駅2番出口より、徒歩約10分 JR東西線「新福島」駅2番出口、阪神線「福島」駅3番出口より、徒歩約10分 JR環状線「福島」駅より、徒歩12分 京阪電車「淀屋橋」駅、地下鉄御堂筋線「淀屋橋」駅より、徒歩15分
管理系職種に圧倒的な強さ 「社長」の求人も!
土佐堀川のほとりをずーっと歩いて抜けたところにある株式会社バンステーション。オフィスは、こじんまりとしてアットホーム。ですが、お話はビッグでした…。
「私たちの特徴といいますと、やはり管理系職種への転職事例が多いということだと思いますね」
最初にお話を伺ったのは、コンサルタントの岡田智文さん。若手ながら、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)の有資格者であり、コーチングの勉強もされています。
「当社の設立は1992年。当時は、法律で管理職と技術・研究開発職の職業紹介しか認められていなかったんです。必然的に私たちも職種を限定していたわけですが、1998年には法律が改正。ですが、その後も、『管理職なら株式会社バンステーション』と世間のほうが認識してくれていたんです」(岡田さん)
――老舗ならではのエピソードですね。業種や業界を問わず、経営企画・CFO・IPO・財務・経理・法務・人事・教育・労務など、企業を管理・マネージメントする職種が多いそうですが。
「取締役社長を探しているというお話をもらうこともあるんですよ」(岡田さん)
――しゃ、社長ですか!?
「その時は、60代の男性をご紹介して、実際に社長に就任されました。もともと、複数の会社で社長をしてらっしゃった能力の高い方だったんです。当社では、CEOやCOOの求人は多いわけではないですが、珍しいことでもないんですよ」(岡田さん)
――過去には、「一部上場企業の副社長」というお話もあったそうで…。企業トップにつく人材を依頼されるのもすごいですが、それに見合う人材を紹介できるというのもすごい。御社の手腕を感じさせます。
「人材ありき」の 戦略人事型の紹介が得意
――ハイスペックな人材紹介を可能にするのに、特別な営業をされているのでしょうか。
「クライアントとの出会いが、いわゆる『営業』という場面ではないことが多いんです。株式会社バンステーション設立以前から当社の代表と親交のある方も多いですし、ご紹介をいただくことも多い。それと、異業種交流会や勉強会などには積極的に参加しています。週に2回は行ってるでしょうか。そこでの出会いが、のちのちビジネスにつながることも多々あります」(増本さん)
営業というより、「出会い」。こうした出会いの中では、いきなり企業トップとのつきあいになることが多いといいます。
「経営者は常に企業戦略を考えています。その中には、必ず人材戦略がある。なぜなら、企業は人で成り立っているからです。経営者の考える人材とは、事業を前進させるために欠かせない存在。欠員補充ではないんです」(増本さん)
――戦略的に人材紹介を提案する御社には、クライアントからさまざまな相談が寄せられるそうですが。
「新規事業立ち上げのご相談も多いですね。本当のところ、人材以外のお話も多いんです。クライアントが困っていることは、全て相談にのります。たとえお応えできなくても努力はします(笑)。ひょっとしたら、私たちは効率の悪い人材紹介会社かもしれません」(増本さん)
――人材紹介会社という枠を超えてクライアントとつきあう。これこそ、「コンサルテーション」のあるべき姿であり、御社が大きな信頼を得ている理由だと言えそうですね。
必ず複眼での面談を 登録者を理解し成功へと導く
――御社では、登録に来られた方には必ず、複数のコンサルタントでお会いするそうですね。
「スケジュールが合うときは、当社の代表ともお会いいただいています。2人、3人のコンサルタントで可能性を引き出すほうが世界が広がると思うんですよ」(増本さん)
文字通り、「複眼」。自分にはない視点で客観的な意見をもらうことで、新たな選択肢が見えてくることも。
「例えば、営業出身の経理マン。この場合、会社の数字を見れると同時に営業的なセンスをお持ちなんですね。部全体、会社全体をマネジメントできる可能性が高い。もちろん、本人の希望が最優先ですが、資格取得などで経理のスペシャリストを目指すより、経営幹部に向いているかもしれません」(増本さん)
――御社の面談は、カウンセリングルームではなく、応接室で行われるとお聞きしましたが。
「登録者というより、ゲストをお迎えするという思いが私たちにはあるんです。だから、応接室=ゲストルームにお通ししています。会議室のような机をはさんで、こちらから一方的に質問するのではなく、ゆっくりとお話をして、お互いに共感したいと思っています」(増本さん)
――経歴書を見ながらデスクワークでキャリア審査をするだけなら、コンサルタントの存在意義は薄いかもしれませんね。
「なかには、『何社も応募してダメだった…』という方もおられます。自分の進むべき道に悩んでいる方もいらっしゃいます。人間には、経歴書だけでは判断できない良さや長所があるものです。それを発見し、お帰りの際には少しでも元気になって、勇気を持っていただけたらと思ってます」(増本さん)
――登録者との人間同士のおつきあい。「転職」を超えて、「人生」を後押ししてくれるようなフトコロの深さを感じます。
40年を超えるおつきあいも 登録は末長いご縁の始まり
――人との出会いを大切にする御社は、転職後もおつきあいが続くケースが多いと伺ってますが。
「私たちがお手伝いをし、ある企業に営業部長として転職された方が実績をあげ、10数年して取締役社長になったというようなお話は一番嬉しいですねぇ。『今度は企業のトップとして、株式会社バンステーションさんとおつきあいしたい』と。転職をきっかけに良い人生を歩まれたんですね。そこに私たちが関われたということに大きな喜びを感じます」(岡田さん)
――紹介には至らなかった方とも長いご縁になったりしますか。
「ええ、『僕のデータ、残しておいてください!』と。誕生日のたびに、更新に来る方もいらっしゃいますよ(笑)。自分は転職しなかったけど、ご友人を紹介してくださる方も多いですね」(増本さん)
また、長いご縁の方々は、「社外アドバイザーのような存在」だといいます。
「今は転職しなくても、時々来てくださる。そして、みなさんのおられる業界の話や情報交換をしてくださるんですね。私たちのほうが、登録者のみなさんからいただいているものが多いかもしれませんね」(増本さん)
――お互いが気持ちをオープンにし、共感できたことで生まれる深い信頼関係。御社のあたたかさに、ジーンと来てしまった調査隊でした。
同社の強み
POINT 1
業界・業種を問わず、管理系職種に圧倒的な強み
POINT 2
「人材ありき」の戦略型人材紹介
POINT 3
登録者を深く理解し、成功へと導く手腕
POINT 4
一過性でない登録者との末長いおつきあい
48歳 | 学習塾講師/年収450万円 | 私立高校/事務局長/年収850万円 | |
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52歳 | 精密機械メーカー/法務審査マネージャー/年収890万円 | 製薬メーカー/経営戦略部長/年収1050万円 |
責任者にお聞きしました
人材紹介を単なる
ビジネスにしたくないんです
代表取締役 岡田政之さん
登録者との出会いは、偶然ではありません。それは必然であり、ご縁だと思うんです。ですから、「入社したら終わり」「紹介したら終わり」というやり方は、私たちにはありえません。おひとりおひとりと向き合い、これまでの思いとこれからの可能性をお互いに共感する。そのようにご縁を大切にしていますと、20年、30年と長いおつきあいになる登録者の方も多くなってきました。
昔の話になりますが、私はコンピュータのシステムを売る営業マンでした。しかし、コンピュータはどんなに進化しても、ツールに過ぎない。主役は、それを使う「人」なんです。1人の人間が入社し、1000人の会社が大きく変わることもある。1台のコンピュータを導入したからといって、そうはいきません。付加価値を作っていくのは、「人」なんです。
目的を達成するためだけのおつきあいなら、一過性で終わるかもしれません。でも、そうじゃない。人材紹介は、「人と人のつながり」です。そこに打算があるべきではない。「力を発揮できる会社に入れた」と登録者に喜んでいただき、「良い人材のおかげで会社が活気づいた」と企業からも喜んでいただく。双方の幸せに関われることが、私たちのやりがいです。結果として、それがビジネスになればいい。私はそう思っています。
面談時間 | 約60分 ※事前予約が必要 (日曜・祝日を除く9:00~20:00スタート ※時間帯は応相談) |
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服装 | 基本はビジネススタイル (スーツ、ネクタイetc.) |
面談前の準備 |
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登録・面談後の サービス |
希望条件を「決めつけ過ぎない!」 という方法もある 仕事内容はもちろん、給料や勤務時間、勤務地など自分の希望をはっきりさせておくことは大切だ。しかし、それを逆から見て、「やりたくないことは何か?」と考えてみたことはあるだろうか。自分にとっての 「NO」をはっきりさせることで、逆に「YES」が広がることもある。逆転の発想。「これしかやりたくない」と限界を作ってしまうのは、もったいない。 |
取材を終えて…
今回、調査隊がいたく感動したお話があります。チーフコンサルタントの増本さんが、「私は、たとえ20代、30代の若者であっても、出会う人みなさんが私の先生だと思っています」とおっしゃったんです。自分以外の人は、自分の知らない世界を教えてくれる師である。なかなか言えることではありません。調査隊は頭が下がる思いでした。
それだけでなく、登録者やクライアントを大切に思いやる気持ちが話の随所にうかがえる取材となりました。「人のやさしさ」をたくさんもらったような気がします。
※本記事に掲載されている内容は取材時点の情報です。現在の情報と異なる場合がございます。悪しからずご了承ください