キャリア&転職研究室|転職なるほど!Q&A|第10回 派遣から正社員への転職はやっぱ難しい?

TOP の中の転職研究室 の中の転職なるほど!Q&A の中の第10回 派遣から正社員への転職はやっぱ難しい?

転職なるほど!Q&A
転職に関する疑問・質問はやっぱり転職のプロにお任せ!
アナタの「?」にQ&A方式でずばりお答えしちゃいます!


今週の困った 派遣から正社員への転職はやっぱ難しい?
 
派遣社員として5社で働いてきたのですが、面接に行くと、「君は職歴が多いね」と言われ、結局採用には至りません。現在は派遣という雇用形態で働いているのですが、派遣先会社の数が多いだけでも仕事が続かない人間と見られるのでしょうか? 履歴書には職歴は一括で派遣で数年働いてきたと記載し、職務経歴書の方に詳しい会社名などを書いた方が印象が良いのでしょうか?
(アキ/就職活動中/28歳/女性/東京都)


お答えします 派遣で働いていたことの理由と目的をはっきり語るべし
 
   
 

正社員募集の場合、同年代の正社員経験者と派遣社員経験者では、やはり前者の方が有利です。

正社員の場合、経験、職歴、社歴を重ねるにしたがって、仕事の量・範囲も増え、責任も増大します。時には部署異動などで、全く違う仕事をいちから覚えなければならなくなる場合もあるでしょう。役職がつくと部下のマネジメントや他部署との折衝・交渉など仕事の質も変化します。さらに上に行くと自分の仕事だけではなく、会社全体のことを考える「経営者の視点」も必要になってきます。

そんな変化、困難を経験する中で成長するのが正社員。会社は単なるスキルよりも、こういったプロセスそのもの、組織・会社のためにどれだけの貢献をしてきたか、または今後できそうかという「正社員マインド」を重視するのです。

一方、ほとんどの派遣社員は、仕事の量・範囲があらかじめ決められていて、それだけをこなしていればいいわけです。さらに派遣の仕事は単純作業が多い。仕事の範囲が広がって難易度が高まっていくこともない。同じ仕事を繰り返しているだけでは成長も進歩ないですよね。

あなたは派遣としてのキャリアしかないわけですが、これまでずっと派遣でいた理由があるはずですよね。それが、「組織には縛られたくないから」という理由で、「そろそろ安定のために正社員になりたいから応募しました」では採用してくれる会社はまずないでしょう。

では、派遣としてのキャリアしかもっていないけど会社が採用してみようと思うのはどんな人か。まずこれまで派遣社員でいた理由をはっきり語れること。目的意識をもって、あえて派遣という働き方を選んできた、ということであれば、面接官も納得します。そして、派遣社員時代に身に付けた「スキル」、「できること」を自信をもって語れること。その上で、正社員を目指す理由と、今後どう会社に貢献できるのかを面接で語れれば可能性はあるでしょう。

スキル面では、キャリアの一貫性も重視されます。同じ派遣でも短期間にさまざまな職種を転々としている人と、違う会社でも一貫して同じ職種を経験している人では、後者の方が好印象なのは明白です。派遣社員でもキャリアの一貫性をアピールできれば、採用の可能性もぐっと高まります。

あなたは書類選考には通っているわけですから、会社側もあなたのキャリアや人物面に興味をもっていることは間違いない。以上のようなことをアピールできれば正社員採用の可能性はぐっと高まります。頑張ってください。

 
 
   
中村俊之氏photo
 
株式会社ワークポート
中村俊之氏

大学卒業後PCのサプライメーカーの営業を経験した後、インターネットベンチャーのコンサルタントに転職。2年半勤めた後、共通の友人に紹介された現在の代表と共にワークポートを立ち上げる

お答えします 転職の理由に筋が通っているかどうかが重要
 
   
  たしかに履歴書に派遣先がズラリと並んでいたら、採用担当者は驚くかもしれません。しかし大事なのは、あなたがそれぞれの派遣先でどんな経験をし、どんなスキルを身に付けてきたのかということ。そして、どうしてその仕事を選んだのか、またどうして辞めたのか、筋道が見えるように説明できることもポイントです。たとえば、「目指す仕事に就職する準備期間として派遣を選んだ」けど「その仕事で得た経験を活かしスキルアップするために退職した」など。

なお派遣という労働形態は、自分は続けたくても派遣先の事情で仕事を続けられない場合もあるので、それについては率直に話した方がいいですね。いずれにしても、「なんとなくその仕事を選び、なんとなく辞めた」のではない、ということをきちんとアピールすることが重要です。

履歴書や職務経歴書の書き方でもっとも気を配る点は「採用担当者が見てわかりやすいか」です。この点から考えると、あなたのおっしゃる書き方でOK。また、ウソはいけませんが、相手に良い印象を与えられるような書き方も必要だと思います。たとえば、現在目指している職種が営業事務であれば、それに活かせるスキルや経験、なぜ派遣で働いてきたのかといったことを詳しく書き、あまり関係ないものはサラリと触れる程度にしておくとか。履歴書には、希望の職種に関連した勤務先名だけ書いて、詳細やその他の勤務先はまとめて職務経歴書に書くのも、ひとつのテクニックだと思います。

 
 
   
 
  • 正社員と派遣社員の違いを認識しよう
  • 応募書類や面接では、 「目的意識をもって、もしくはやむにやまれぬ事情で派遣でいた」こと
    「派遣社員として身に付けたスキル」
    「キャリアの一貫性」
    「正社員として働くことの熱意」など、
    正社員として自分を採用することで会社に与えられるメリットをアピールしよう
  • 「派遣社員として働いてきた理由」を筋道を立てて説明しよう
  • 職務経歴書は担当者が分かりやすいように書こう
木崎秀明氏photo
 
株式会社サンブリッジヒューメトリクス 
木崎秀明氏

人材系の広告営業を6年間経験した後、キャリアコンサルタントに転進。IT系全般のの転職に強い。日本プロフェッショナル・キャリアカウンセラー協会認定キャリア・コンサルタントの資格をもつ

TOP の中の転職研究室 の中の転職なるほど!Q&A の中の第10回 派遣から正社員への転職はやっぱ難しい?