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日々転職マーケットに対峙する専門家が、転職活動アドバイスや考え方のヒントを、基礎から解説。
「キャリアは、自分から切り開く努力をすることが大切!」 と考える現役キャリアコンサルタントの筆者が、転職現場のサクセスヒントを紹介します。 |
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第2回 転職活動における面接と、就職活動における面接の違い
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転職活動においては、就職活動と同様に面接試験があります。皆さんが学生時代に経験した就職活動における面接とは、いったいどのようなものでしたでしょうか?
おそらく、必ずといってよいほど、「あなたは今まで何をしてきましたか?」 という質問と、「あなたは当社で何がしたいのですか?」 という2つの質問が出てきたと思います。実は、この2つの質問は転職活動における面接でも必ず聞かれる質問の王道です。こう言うと
「なんだ、転職だろうが就職だろうが面接に関してはあまり違いがないのか!」 と思われる方々もいらっしゃると思います。
しかしながら、同じ質問であっても、決定的に違う点がやはりあるのです。学生に対する 「あなたは今まで何をしてきましたか?」 という質問と、「あなたは当社で何がしたいのですか?」
という質問は、学生の “ポテンシャル” と “プロセス” をはかるためのものです。質問に対する回答そのものも勿論重視されますが、それと同じくらい姿勢、態度、話し方等も多角的に見られているのです。
私が前職で新卒採用の面接に立ち会った際には、会話の内容がどんなに素晴らしくても、新社会人になるであろう学生の一挙手一投足が基準点
(この場合の基準点とは社会人としてのモラルと同義です) に達していなければ、やはりご縁が無かったという結果になっていました。細かいといっては確かに細かいのですが、逆にこの細かい部分にこそ、学生1人1人の
“ポテンシャル” と “プロセス” が見え隠れするのです。
それでは、転職活動における面接での 「あなたは今まで何をしてきましたか?」 という質問と、「あなたは当社で何がしたいのですか?」
という2つの質問についてはどうでしょうか? この質問のキーコンセプトは “インプット” と “プロセス” と “アウトプット” の3つに集約されます。
社会人になった皆さんが、仕事を通じて 「スキル」 と 「ノウハウ」 をどれくらい “インプット” してきたか、そして頭脳と身体で一生懸命汗をかきながら、どのようにして
“プロセス” を確立してきたか、そして、その結果 “アウトプット” としてバリュー (付加価値) をどの程度創出してきたのかについて採用担当者は知りたいがために、質問の王道である
「あなたは今まで何をしてきましたか?」 という質問と、「あなたは当社で何がしたいのですか?」 という2つを必ず聞いてくるのです。
一見すると、「当たり前のことじゃないか」 と思われるかもしれません。しかし、皆さんが築いてきた 「スキル」 と 「ノウハウ」 を、面接という短時間の間に面接官に分からせなくてはならない上に、
“インプット” + “プロセス” + “アウトプット” を踏まえて具体的かつ論理的に、そして差別化と比較優位を図りながら簡潔に伝えることが求められるのです。
総括すると、面接で聞かれる2つの質問の王道は、「皆さんの今までのキャリアパスと今度のキャリアプラン」 そのものを聞いており、皆さんの受け答えを基に面接官は厳しくチェックを行なっているのです。
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森島典裕 (もりしま みちひろ)
総合商社にて約30年間、人事・広報を中心に、管理系全般の業務を経験。その後、専門学校の非常勤講師を続けながら、カウンセリングの研鑽を積む。現在、株式会社パソナキャレントにて、その幅広い経験を活かし、キャリアコンサルサントとして活躍中。【資格:厚生労働省能力評価試験指定キャリアコンサルタント、教育カウンセラー】 |
2004.04.22 update
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