企業内部の詳しい情報を教えてもらうために人材バンクを活用したいと思った私は、信頼できるなと思えるコンサルタントだけとやりとりをした。厳選したポイントは、求人案件の数ではなく、しっかりと企業の内部情報を取ってきてくれること。例えば、ある地方の求人に関しては圧倒的な企業情報を持っているとか、付き合いのある企業についてはかなり深いところまでの情報を知っているなどだ。
採用企業との間できちんと関係作りができているコンサルタントは、どんな人材を求めているかはもちろん、面接の場にどんな人物が出てくるかといったことまで教えてくれることも多くありがたかったが、私はそれ以上に、その企業自体の情報を求めていた。コンサルタントによっては、企業がこれからどんな方向に進もうとしているのか、どんな技術開発に力を注いでいるのかなどの将来についての情報や社風などを、その企業のトップ、人事部、現場責任者はもちろん、その人材バンク経由で過去に入社した人に連絡して生の声を集めてくれた。
自分で求人を探してきて、「この企業が募集しているようなんですが」と信頼するコンサルタントに意見を聞くこともしばしばあった。「34歳、これが最後の転職かもしれない。入社してみたけれど合わないというのは避けたい」と慎重になっていた私には、客観的な視点から意見をくれる信頼できるコンサルタントの存在はありがたかった。人材バンクを活用する際、「どんな求人を持っているか」に目を奪われがちだが、「どれだけの情報収集力があるか」との視点でコンサルタントを見てみると、また違った付き合い方ができると思う。
(34歳・技術開発)
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