キャリア&転職研究室|人材バンクの歩き方|「転職してよかった!」と思える“ぴったり求人”探しの鉄則

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人材バンクの歩き方
第4回 転職してよかった!と思える“ぴったり求人”探しの鉄則
「転職してよかった」に至るためには、自分に合った“ぴったり求人”を探し出すことが欠かせない。キャリアと志向性をしっかりアピールすればチャンスは生まれるのだ
 
基本編 自分一人での求人探しには、限界あり コンサルタントの視点で、キャリア価値を発見しよう
 
自分一人で求人探しをしていると「魅力的だけど、私のスキルや経験じゃ無理かもしれないな」と思う求人に出会うことがある。「もしかしたら、自分をもっと成長させることができるかも」と思いながらも、「……自信ない」と尻込みしてチャンスを逃してしまうケースが、実はとても多いのだ。

求人情報に書かれている経験年数、スキル、年齢などは目安に過ぎないことも多いのだが、そんな裏側まではなかなか読み取れないものだ。また、十分通用するだけの力があるのに、自分では気付いていないことも少なくない。

自分を成長させるチャンスを逃さないためには、「誰かの意見を聞いてみる」ことが必要だ。求人の紹介だけでなく、「客観的な視点から、いろんな提案をもらえる」ことも、人材バンクを利用するメリットのひとつ。自分のスキルを求める人材バンクからのスカウトを待てる【人材バンクネット】の匿名スカウトで、「あなたのキャリアに興味があります。一度お会いしませんか」とスカウトメールをもらったのをきっかけに、「あなたの経験なら、十分、この求人にも応募できますよ」とアドバイスされ、自信を持って求人に応募できたなど、第三者からの気付きで、キャリア価値を発見することがチャンスを広げる

スカウトメールが届いたら、面倒がらず、ぜひ人材バンクへ足を運んでほしい。何人かのコンサルタントと直接会って面談することで、転職市場の動向やその中での自分の位置などがわかるはずだ。

 

でも、コンサルタントにアドバイスをもらってキャリア価値を発見するだけでは、「転職してよかった」と思えるぴったり求人には出会えない。もう一つ必要な軸がある。あなたの志向性だ。キャリアの棚卸しをする中で、「こんな仕事だと自然に力がわいてくる」「こんなことが得意」を掘り起こし、自分のモチベーションの源が何かを知ることが大切なのだ。そして「次はこんな力を身に付けたい」をイメージしてみるといい。

そのうえで、これまでの実務経験やスキルと、あなたの志向性(生き生き取り組めること・身に付けたいこと)を【人材バンクネット】のキャリアシートやコンサルタントとの面談でどんどんアピールしてみよう。求人を紹介してくれるコンサルタントに、あなた自身をできるだけ理解してもらうように努力するわけだ。実務経験だけでなく、志向性も伝えて、その一致点が多くなるような仕事に就くことが、「転職してよかった」へと繋がっていく

では、経験者たちのエピソードから、まずはアピールのヒントを探ってみよう。

  こんなことができます!あんなことがやりたいんです!
 
キャリアアピール編 キャリアシートには、ほんの小さな経験も遠慮せず書く
 
まずは、あなたのキャリア価値をコンサルタントに発見してもらうためのアピール方法を見てみよう。人材バンクからのスカウトを待つなら、【人材バンクネット】のキャリアシートの書き方を工夫するといい。小さな経験も遠慮せず書き込む、誰が見てもわかってもらえるように心掛ける。この2つを意識しながらキャリアシートを書くことで、チャンスを広げることができる。面談でも、自分の経験や実績、得意なことをどんどん伝えてみよう。
 
証言1
 
「匿名スカウト」の決め手は、キャリアシートにあり 自分の経験を、遠慮せず、できるかぎりたくさん書くのがコツ
 
一般には出回らない「非公開求人」が人材バンクにはあると聞き、414社以上の人材バンクからスカウトを待てる【人材バンクネット】の 匿名スカウトを試すことに。その際、キャリアシートに「自分の経験を、遠慮せずできるだけたくさん書くこと」にしました。私自身、中途採用の面接官をした経験から、「判断する材料は、多い方がいい」と思っていたからです。どんな仕事を手掛け、どんな結果を出したかを、自分一人で担当したものだけでなく、部署として取り組んだもの(自分では一部しかやっていないもの)まで、幅広く書きました。そのせいか「あなたのキャリアから考えると、この求人をお勧めします」と、コンサルタントも判断がしやすかったようです。 (37歳・商品企画)
 
 
証言2
 
「私の経験では無理かな」と思っていた求人でスカウトが 小さな経験も書き込んだことが、チャンスを広げた
 
社会保険や給与計算など総務・人事事務をしていたのですが、採用や人材育成などにも携われればいいなあと思っていました。でも、やっていたのはいわゆる事務だし、実務経験も2年だし、ちょっと無理かなと諦めていたところもありました。それでも、「出張者の新幹線の手配」「文房具購入」なんていう小さな経験まで、手掛けた仕事を全部、【人材バンクネット】のキャリアシートに書き込んだんです。すると、希望していた人事の求人でスカウトメールが。人材バンクの面談では「経験2年でも、幅広くやっているから大丈夫」とアドバイスをもらえ、自信を持って求人に応募することができました。 (28歳・総務・人事事務)
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やりたいことアピール編 面談では、進みたい方向やこだわりのポイントをしっかり伝える
 
転職にあたって、あなたが求めているものは何か。次の職場で、あなたのどんな力を生かし、伸ばしていきたいのか。どんな環境なら、自分の力を発揮できるのか——。あなたの志向性に合った求人を探すことが、「転職してよかった」の鍵を握っている。しかしこれらは、キャリアシートではなかなか伝えることができないため、コンサルタントとの面談でしっかりと伝えることが必要だ。経験者たちは、自分の進みたい方向を語ったり、紹介された求人に対してYES/NOの理由を伝えたりしながら、自分の志向性をわかってもらう努力をしていた。
 
証言3
 
「言わなくてもわかってもらえるはず」はNG 自分の得意なこと、進みたい方向を面談でしっかり伝える
 
自分に合った求人を紹介してもらうには、人材バンクのコンサルタントに私の希望をわかってもらうことが必要です。多くの場合、コンサルタントは職務経歴から「この人はこんな経験をしているから、こんな求人が合っているだろう」と判断します。でも、「自分に合った求人」となると、それだけでは足りません。そこで、「私の得意なこと」「やっていて楽しいこと」「だからこういう方向に進みたい」を、具体的なエピソードを交えながらしっかり伝えました。「言わなくてもわかってもらえるはず」では、決してうまくいきません。自分を売り込むつもりで、積極的に伝えることがぴったり求人を紹介してもらうコツです。(27歳・Webディレクター)
 
 
証言4
 
この求人はYES、この求人はNOを理由とともにはっきり伝える
 
42歳での初めての転職活動。これが最後のチャンスだとの意識がありました。そのため、納得のいく企業を粘り強く探したいと思っていました。人材バンクでの最初の面談で、業界、職種はもちろん、狙っている企業名などを出しながら、どんな企業、仕事内容を求めているのかをできるだけ具体的に伝えました。求人を紹介されたときも、受けたい理由、辞退したい理由を具体的に話しました。 
 
40代は「求人が多く、売りやすい年齢」とはいえません。継続的に求人の紹介を受けるには、コンサルタントといい関係を築くことが大切です。企業での面接の後には、「こんな人が出てきて、こんな話をした」など必ず報告しました。コンサルタントにとってこの面接報告も、大事な企業情報になると思ったからです。転職したいとの意欲を全面に出し、いい関係を築くよう心掛けていれば、最後まで付き合ってくれる人材バンクは必ずありますよ。(42歳・マーケティング)
 
 
 
  自分の希望がうまく言葉にならないときも この求人YESの理由、NOの理由を伝えるのが効果的      
「こんな社風の会社で、こんなスキルを身に付けたい」と言葉にできなくても、自分の希望を伝える方法がある。紹介された求人の「いいなと思う理由」「いまいちだと思う理由」を言ってみることだ。多くの場合、コンサルタントは「これなら力を発揮できるんじゃないか」と判断した求人を紹介してくるが、当初は「キャリアから考えると」という基準で選んでいることが多い。紹介された求人のぴんと来ない理由、ちょっと惹かれる理由を伝えることで、「なるほど、この人が望んでいるのは、こういうことなのね」とコンサルタントにわかってもらえる。また、やりとりをするなかで、「この求人は、あなたの希望する○○を満たしていますよ。なぜなら……」など、新たな情報を引き出すこともできる。「この求人は希望と違う」と何も言わずに終わらせるのではなく、それぞれの求人へのYESの理由、NOの理由を具体的に伝えてみよう。   求人をもとにしたやりとりが大切
 
ピンチのヒント これからの方向性に迷ってしまったときは転職活動いったん休止が○
 
特に20代の転職活動では、いろんな求人を目にしているうちに、どんな方向に進みたいのかがわからなくなってしまうことが多いようだ。そんな状態で人材バンクを回っても、「いろんな求人を紹介されて、さらに混乱」という事態に陥ってしまうことも。これからの方向性がわからなくなったときは、転職活動をいったん休止して「キャリアの棚卸し」をするのが近道だ。木野さん(仮名・26歳)のケースを紹介しよう。
 
証言5
 

キャリアの棚卸しをしっかりやったら「転職後にチャレンジしたい仕事」が見えてきた

 
私は、貿易事務、マーケティング、Webディレクター……と経験職種が幅広かったんです。実はこれが悩みの種でした。自分一人で求人を探していた頃は、「こんな仕事もできるかも」「あんな仕事もありかも」とどんどん広がってしまって、最後にはどこへ進むべきかわからなくなり、混乱してしまったんです。

そこで1カ月ほど、転職活動を休止してキャリアの棚卸しを実行。これまでやってきた仕事を振り返って、自分に合っているもの、合っていないものを書き出し、「この仕事は好きだな。転職後もやりたいな」と思う部分を探しました。おかげで「こういう方向に進みたい」が見えるようになりました。

 
人材バンクを利用するメリットのひとつが、「自分の想像を超えた提案をしてもらうこと」です。「キャリアを、こんなふうに生かしたらどうですか」などたくさんの意見をもらった中から、自分に必要なものをピックアップすることで可能性を広げられます。でも、自分の軸がはっきりしていないと逆に迷ってしまいます。コンサルタントのサポートを受ける前に、自分でキャリアの棚卸しをしておき、いろんな提案の中から「ここは聞いておこう」「これは、私にはいらない」と取捨選択するといいですよ。(26歳・マーケティング)   道に迷ったときはキャリアの棚卸しが大事!
関連記事:キャリアの極意(自分の軸発見ノート付き)
 
 
 
自分を生かす転職 3つの新常識
1.たくさんの経験をキャリアシートに書き込むべし
よ〜し。しっかり書き込むぞ!
 
  スカウトを待つなら、【人材バンクネット】のキャリアシートに経験をしっかり書き込むことが大切。これをもとに、「この求人はいかがですか」とスカウトメールが届くからだ。小さな経験でも遠慮せず、どんどん書き込もう
 
2.面談で、できること、進みたい方向を積極的にアピールすべし
  コンサルタントとの面談では、自分のできることだけでなく、「こんな仕事をしているとき、楽しいし充実していた」「次に身に付けたいのは、こんな力」「できればこんな社風の会社で働きたい」など、あなたの志向性も積極的に伝えよう
 
3.自分の希望が言葉にならないときは、求人をもとにやりとりを
  「こんな仕事を希望している」とあなたの志向性がうまく言葉にならないなら、求人をもとに「ここは惹かれる」「ここはいまいち」を伝えてみよう。そのやりとりを通じて、コンサルタントにあなたの希望を伝えよう  
 

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