私が今後取り組んでいきたいことは3つあります。ひとつは2004年から続けている終身刑設立に向けての署名活動です。皆さんにもぜひご協力していただきたいです。メールでもできます。今も全国から送られてきています。
死刑制度については、私は賛成でも反対でもありません。しいていうならば、賛成の方が近い。死刑反対の人の気持ちもわかるよ。でも我々の気持ちもわかってほしい。確かに人の命は大切。でも殺された人の命も大切でしょう?
もしくは犯した罪の数に応じてどんどん罰を追加していくシステムをつくってほしいです。私のケースなら、放火とふたりの命を奪った罪で無期懲役。さらに娘の将来4年間を奪った罪でプラス4年、10年後だったらその3分の1で3年、仕事を奪った罪であと3年、合計追加10年。無期懲役が終わったら、次の償いでさらに10年服役。それは賛成。そうすれば終身刑はいりません。でもその制度は日本にはありません。つまり現状の日本では、車を100台盗んでも、そのうちの一番高い車だけで判断されて、あとの99台は罪に問われない。
私の場合は2人殺されてるから、それだけで判決を言い渡される。じゃあそれ以外の10人の殺人未遂は? 10軒の全焼を含む焼けた25軒以上の家はどうなるの? 彼らだって苦しんでいるんですよ。日本の法律を調べても、放火は10年以下の刑罰です。5年だとしても、25軒が焼けたらどうなる? 計算しやすいでしょ? そこだけでも無期懲役を上回ります。
だから終身刑じゃなければ、犯した罪、一つひとつすべてに罰を与えてすべてを加算して最終的に量刑を決めるという制度が成立してほしいと思っています。目的はあくまで犯人の命を奪うことではなくて、人の命を奪った犯人を社会に出させないためですから。
2つめは講演会です。頼まれれば全国どこでもいきます。もちろん講演料などは望みません。ただ、交通費と宿泊費などの経費だけ出してほしい。それさえ出してもらえればOK。関西圏内だったら日帰りだから無料でもいいです。
私の講演会では、まず無期懲役と終身刑の違いを説明します。被害者の心、痛みと悲しみ、苦しみ、反省させる制度の必要性。最後にスイスと日本の教育の違い。ジョークを入れつつ話します。硬い話だけだとダメですからね。
学校にも行きます。18歳未満は署名できないけど、若い人たちに、我々の痛み、犯罪に遭うとどういうことになるのか、話したいです。ひとりでも多くの人に知ってもらいたいから。それが犯罪の抑止につながる可能性もあるので。 |