まだまだ働きたいと思っている高齢者は多いはずです。その証拠に65歳を過ぎた人を雇うと感謝されます。それが一番いいですね。私の財団でも「10年間ほど一生懸命、仕事を探していたけどなかなか就職できなかった」という人がいます。
サラリーマンを定年退職した後、第二の人生などどいって夫婦で世界旅行をしましょうとか趣味に生きましょうということをよく見聞きしますが、こういう遊びだけの生活は3カ月が限度だと思います。結局、毎日が日曜日になったらやることがなくなってみんな困るんですよ。
だから雇うのであれば、定年退職後1年くらい自由にして毎日が日曜日の感覚を分かった人がいいですね。そういう人を雇えばものすごく経験があるし、頑張って働きます。「70歳になったら辞めなきゃだめですよね」と言っても、「何を言ってるの、私を見なさい。死ぬまで働きなさい」って言うと、拝まれるくらい感謝されますよ。だから国や企業がもっと熟年活用産業を活発化させないといけないんですよね。
高齢者の方も、歳を取って、ヨボヨボになって、寝たきりになって、介護の方のお世話になって、そして死んでいくという生き方のどこに誇りが持てるというのでしょうか。生きている意味がないとダメですよね。私は精一杯やることをやって、明日死にたいと思いたいですね。どうすればそう思えるのか、それだけは研究しておかなければと思っています。
だから今の日本に一番に必要なのは、人間一人ひとりが自立するということ。やっぱり人間は自立しなきゃダメですよ。老人だって自立しなきゃいけません。これからの私のテーマは日本の自立です。私は生涯学習開発財団の理事長として、このテーマで活動しているのです。 |