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代表取締役社長 松田公太氏


Kouta Matsuda
68年生まれ。父の転勤で、アフリカ・セネガル国、米国マサチューセッツ州などで少年期を過ごす。筑波大学国際関係学類進学を機に帰国。90年に三和銀行入行、6年間の銀行マン時代の4年間を営業マンとして勤務。退行後、97年8月にタリーズコーヒー銀座一号店をオープン。翌年にタリーズコーヒージャパン株式会社を設立し、代表取締役に就任。2001年7月、株式上場。2002年8月持株会社体制に移行。現在、フードエックス・グローブ株式会社・代表取締役
28歳でタリーズコーヒー銀座一号店をオープン。強敵スターバックスを相手に、着々とファンを増やし、カフェブームの火付け役となった松田公太氏は、元・銀行の営業マン。営業時代に培ったのは、小手先の営業テクニックではなく、人に惚れ込む“情熱”だった

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「なんでB社はダメだったんだろう・・・?」。
将来必ず起業しよう、と学生時代から決意していた松田公太氏。社会人第一歩を踏み出す舞台として選んだのは、経営者とじかに会えて、その経営手法や理念を間近で見ることができる銀行の営業職だった。狙いは違わず、中小企業から預金や融資を頂いてくる、という仕事で多くの経営者に会えはした。しかし営業を始めた当初、取引が新たに発生する率は、調子がいいときで1割にも満たない。「A社はOKだったのに、B社はバツ。この違いはなぜだろう・・・」。あっさりと断られ、肩を落とした帰り道で考えを巡らせていた松田氏は、基本的で、しかし重要な違いに気付く。
「情熱。情熱が足りなかったんだ・・・」

90回通ってダメでも、情熱があったらあと10回通える。100回通っていたら、情熱は通じていたのかもしれない。
「その企業や社長の経営理念に惚れ込んで通った会社は、何度断られても通う気力が尽きませんでした」
OKをもらえるまで通えた会社と、途中で諦めてしまった会社。違いはその会社に心底惚れ込んでいたのかという“情熱”の温度差だったのだ。


決裁権を持つ人でなければ商談はしない。それが松田氏の営業スタイルだった。訪問先で、総務も経理も飛び越えて、いきなり「社長にお目にかかりたい」と言い放つ若い銀行マンがまず聞いたのは「御社の社長の経営理念」。これには対応に出た経理部長も総務部長も目を丸くした。「そんな銀行マン、初めて見た」「面白いね、君」と言われつつも、そのスタイルを貫き続けたのは、自分が相手に惚れ込まないかぎり、融資や預金が取れても達成感を感じられなかったからだ。

そう信じて仕事をしていたはずなのに、やはりその情熱や惚れ度には差が生じていたようだ。心の底から惚れ込んで通う会社と、取引が成立しそうだからと通ってしまう会社。取引を断った社長は、松田氏自身も自覚していなかった温度差を、どことなく感じとっていたのかもしれない。



最初の一年間は、自分の年収以下の利益しか上げられない、悩み多き“いち営業マン”だった。しかし、さまざまな経営者と接するうち、松田氏はいっそう自分の“情熱”に重きをおくようになった。

いろんなタイプの経営者と経営談義を交わすうち、相手の呼吸や雰囲気を読む能力、相手のニーズに合わせた商談の持ちかけ方に磨きがかかった。経営者の信念・理念から、その会社の将来性をかぎ分けられるようになったのだ。なみいる他の都市銀行、同じ三和銀行の別支店営業マンなどを退け、取引を次々と勝ち取れるようになり、社内で表彰されたのは、営業を始めて2年たった頃からである。

「銀行マンはどうしてもBSやPLなど、数字で企業を判断する部分がある。それも重要な価値基準ですが、やはり社長の理念に共感し、いっしょにその会社を大きくしたい、と思えなければ情熱は伝わらないということがわかってからは、営業はますます楽しく、やりがいのあるものになりましたね」



取引相手に惚れ込む情熱を惜しまないこと
相手を知らずして門を叩くのは失礼だ、と営業前に必ずできるかぎりのリサーチをし、会社の経営理念を把握してから営業に臨んだ松田氏。相手をもっと知りたいという思い、その情熱は必ず伝わるはず。BSやPLなど、数字で判断せず、経営者の理念を含め根源的に相手を理解する姿勢が大事

常に自ら動き続けること
魅力ある社長たちの多くはポジティブでアクティブ。会社が大きくなっても自分がまず率先して動くことが大事。銀座店オープン時も、自らエプロンをして店頭に立ち、コーヒーをいれ続けた

看板に頼らない。自分自身を信頼してもらうこと
銀行の商品が今以上に横並びだった当時。銀行の看板は武器にならないと痛感し、まずは自分自身を信頼してもらうことから営業を始めたという。その企業の理念に共感し、預金や融資といった銀行商品以外でも、自分にできることを最大限に提供しようとする姿勢が信頼を勝ち得た。

商談は決裁権限者と!
銀行マンはよく「経理課長に会いたい」と話を切り出すが、それで出てくるのは経理担当者レベル。「社長に会いたい」というと、少なくとも経理部長や総務部長クラスと名刺交換できる。攻めるべきは、あらゆる決裁権限を持つ経営者

目標を高く持つこと
目先の売り上げやボーナスまでの半年間の目標にとらわれず、人生の目標を少なくとも5年単位で持つこと。たどり着きたい目標が見えていれば、昨日・今日の辛さも必要なステップとして乗り越えられるはず。

感受性を豊かに保つこと
ルーティンで仕事をしていると、感度がどんどん鈍くなる。映画でも自然でも、日々、感動する機会をできるだけたくさん持つこと。感受性が豊かだと、いざというときのビジネスチャンスを嗅ぎ取るセンスも磨かれる
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