医薬・バイオ・食品
管理栄養士
- 人と接するのが好き
- コツコツやるのが好き
- 人の役に立ちたい
どんなお仕事？
■栄養に関するスペシャリストとして、知識や技術を活かして栄養指導や栄養管理を行う職業近年では、生活習慣病対策などの栄養指導を通じた予防医療も担っており、管理栄養士の需要は高まってきています。また、似ている職業に栄養士があります。栄養士は主に健康な人に栄養指導を行いますが、管理栄養士は病気を患っている人や高齢者にも栄養指導を行うなどより広い業務範囲を持ちます。そのため、高度な知識と技術が求められる管理栄養士の方が資格取得難易度は高くなっています。
仕事内容をもっと詳しくDetail
管理栄養士としての主な業務を4つご紹介します。
［1］栄養指導・栄養管理
病院・福祉施設・給食施設などで、献立作りや栄養バランスに関する指導を行います。サポートする相手は子どもから高齢者まで幅広く、健康状態も様々です。相手の状態を見極めながら、栄養学的な観点で適切な献立を作ったり正しい情報を伝えたりします。アレルギーを持つ人に配慮したメニューを考案したり、嚥下食や流動食といった特別な食事メニューを作ったりすることもあります。飽食の時代ともいわれる現代において、食べるものに困ることはほとんどありません。しかしその分、身の周りには手軽な食事やジャンクフードもあふれており、偏った食事を摂る生活を続けてしまう人もいます。管理栄養士は、食生活の見直しを促すことで人々の健康をサポートする大切な役割を担っています。
［2］給食管理
保育所や小学校、中学校などで提供されている給食作りも管理栄養士の仕事です。栄養バランスを考えつつ、飽きのこないようなバラエティに富んだメニューを組み立てます。特に幼少期・青年期の食生活は体を作るうえで重要なため、成長期の子どもたちに必要な栄養をしっかり摂れるようなメニューを考えます。また、学校だけではなく、病院や福祉・介護施設の給食事業も担っています。食欲が低下している方や、身体の状態で食事を摂りづらい方もいるため、量が食べられない場合でも栄養を摂取することができるように献立を考える必要があります。さらに、社員食堂や学食などでも、1日に出る食数が多い場合には管理栄養士の配置が必須となります。
［3］食育
食は人が健康に過ごすための基盤となる大事な要素の一つです。そんな食に関する教育を担うことも管理栄養士の役割です。子どもたちが健康に育つことができるように、学校給食や課外活動を通じて、食の大切さや食生活を整えることの重要性を伝えます。教育機関で仕事をするためには、管理栄養士のほかに栄養教諭普通免許状を取得することが求められます。
また、大人向けには食のセミナーや講演会を開き、食へ興味を持ち、生活に役立ててもらえるような取り組みを行うこともあります。栄養バランスを考えて食生活を見直すことで、生活習慣病やその他病気の予防にもつながります。管理栄養士は、食事から健康を作るという考え方がより浸透していくように働きかけていく役割も担っています。
［4］研究・開発
研究機関に所属している管理栄養士は新製品の開発などに携わります。食のプロとして、健康に与える影響を分析して新製品開発に取り入れます。食品だけでなく、医療品や化粧品、薬品などの製品開発にも関わっています。
管理栄養士は様々な環境で活躍しています。主な就職先と業務内容を併せてご紹介します。
・病院：患者さんやご家族の栄養指導を行います。また、病状に合わせて医師の指導の下で栄養バランスを考えた献立作りを行います。
・保育所/幼稚園/学校：給食作りや食育を行います。子どもたちに食の大切さや食に関する知識を伝えます。
・介護施設：利用者さんの栄養管理を行い、適切な食事メニューを提供します。
・行政機関：地域住民の健康を食の面からサポートします。災害時には非常食の準備や食に対して配慮が必要な方の補助も担います。
・企業：一般企業の保健事業部に就職し、企業の社員の健康管理を行います。
やりがいは？Worth
★生活の基礎となる食の面から数多くの人達をサポートします。また、食事改善を通して病気予防を行うなど、健康面でも大きな役割を担っています。人々の生活を支え、より豊かにする一助となれる社会貢献度の高い仕事です。
★献立作りや食育、研究開発など幅広い業務を担うことができるのも魅力の1つです。食にこだわる人も増えてきている中で、活躍の場はさらに広がっていくと考えられます。自分の知識や技術を活かし、人々がさらに食事を楽しめるような環境づくりを担うことができます。
必要な能力・スキルAbility & Skill
●コミュニケーション能力
●発想力
●食育や食への興味関心
食のスペシャリストとして働く管理栄養士は、食への興味関心が強い人に向いています。栄養指導では直接人と関わる仕事なので、コミュニケーション能力が大切です。相手にきちんと言葉で食や栄養バランスの大切さを伝えられるように意識しましょう。また、献立を考える時には栄養価だけでなく、食べる人が飽きないように味や見た目にもこだわることが大切です。食べる人が楽しんでくれるような食事作りのための発想力も身に付けておくことが望ましいです。
給与の目安は？Emolument
年収270万円～700万円
所属する施設や役職によって、年収は大きく左右されます。
仕事で関わるヒトRelation
・子ども
・高齢者
・医療従事者
・行政機関
・一般市民
どうやったらなれる？To become
・管理栄養士（国家資格）
管理栄養士を目指すためには、まず栄養士養成施設を修了して栄養士の資格を取得します。その後、厚生労働省の定める施設で1〜3年以上の実務経験を積むことで（修了した栄養士養成施設の年数によって必要な実務経験年数が変わります。）、管理栄養士国家試験の受験資格が得られます。例外として、大学などにある管理栄養士養成課程を修了した場合は、卒業と同時に国家試験を受けることが可能です。
