転職お役立ち情報|キャリアデザイナー|不安を押して仏留学を決断。夢がつなげた次のステップ

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大手化学メーカーを退職し、憧れのフランスへ
 築山さんが新卒で入社したのは、大手化学メーカーの購買部。仕事に慣れた2年目頃から、会社と家の往復だけの生活に焦りを感じ、卒業以来遠ざかっていたフランス語の勉強を始める。古い体質の会社に閉塞感も感じていた。
「古い会社なので、女性が結婚しても続けるという風土がなく、お子さんのいる方もほとんどいませんでした。長くいる雰囲気ではないと感じてしまったのです。仕事の面でも、化学の専門知識がないとスキルアップするのが難しい部署に異動になってしまって。この先広がりが出てくるとは思えませんでした」
 そんな思いから、26歳の時、築山さんはフランスへの留学を決意する。会社を辞めるには勇気がいったが、「年齢的にも、ここで行っておかないと」という思いがあった。フランスへの憧れと同時に「帰ってきても就職できなかったらどうしよう」と将来の不安も交錯する中での旅立ちだった。

 しかし、いざ行ってしまえば日々の勉強で精一杯。フランスの空気やゆとりある文化に触れ、充実した毎日を過ごすが、帰国が迫ってくると、就職できるのかという留学前の不安感が蘇ってきたという。
「フランスに残って仕事を見つけた友達もいましたね。その人は『フランスでこの仕事がしたい』という明確な目標があって、ワイン関係の仕事に就いていました。私にそこまで強い意志がなかったことを少し後悔していますが、日本に戻ってフランス語を特技としながら働くことを選択しました」
留学を終えて変わった仕事観
 帰国した築山さんは、派遣社員として就業しながら仕事を探し、1年後現在の仕事にめぐりあう。細く長く働いていきたいという築山さん。留学を経て仕事観も少し変わった。
「1年間仕事を離れてみて、どこにも属さない不安を初めて知りました。お金のために働いて稼ぐというのは、当たり前のことだったのですよね」
 特別なことではない。だから自然体で働ける職場がいい。現在の会社では、結婚している人も子供がいる人も、当たり前のように働いている。
「今の会社は外資ですから、日本企業と違った厳しさがありますが、その分、性別や年齢は一切問われません。頑張れば続けていけそうな手ごたえを感じています」
 現在、会議などで使われる社内の公用語は英語だという。次は英語力をアップさせることを目標にしながら、仕事に励む毎日だ。

2003.04.09 Reported by Masako Yamada  
STEP
22歳
大学の仏文科を卒業後、大手化学メーカーに入社。購買、薬事関係の業務を経験
26歳
1年間、フランスへ語学留学。帰国後、派遣社員として専門商社で就業する
28歳
欧州系宝飾品メーカーの日本法人に転職。ロジスティック業務に携わり、現在に至る

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