自分らしく働く。自分で働き方を切り拓く。流動的な時代に意思を持って生きる30歳たちの「今」を、『京都の30歳!』編集長がリレーで紹介しながら、これからの時代のキャリア・働き方へのヒントを探ります。 |
「イヤならやめろ!」などの著書で若手ビジネスマンに熱烈なエールを送り、現在も日本のベンチャー企業育成などの多くの公職に就かれている株式会社堀場製作所の堀場雅夫会長をお招きして開催した今年2月の「『京都・再生の世代』交流会」。 そのご講演の中で堀場会長は、「みなさんは自分の力を1/3しか使っていない。目の前のことに渾身の力を込めて取り組んでいないことが多いのです。本当に目一杯まで没頭してみて初めて、その仕事のおもしろさに気づいたり、好きになってきたりするものなのです」と、熱いエールを送ってくださいました。このことを現実の話として痛感したのが、株式会社ユニシス・山本伸也さん(30歳)の取材でした。 山本さんは高校までは無心に何かに取り組む人を見て、「何でそんなに頑張るんだろう?」「楽しかったらええやん」と思っていたそうです。大学受験に失敗して初めて、自分を追い込むような環境に身をおいて勉強をして、長野の大学に合格。アルバイト先で仕事に情熱を傾ける大人を見て憧れますが、就職に際しては特に業種も職種も絞り込まず、親孝行のために京都で働ける会社のみに訪問して、ソフト開発のユニシスに就職します。 プログラマーの基礎スキルをコツコツと学び、それなりに業務に取り組んでも、任される仕事内容によっては楽しさを感じられない。勉強の延長のようで達成感を味わえない憂鬱な2年間を、「この仕事は私には合っていないのか…」と過ごされたそうです。 29歳でマネジメントをする立場になって、失敗を乗り越えて自信を持てた自分が蘇ってくる。「彼らに自立させるために、しっかり叱ってあげたい」と、他人に意見を求めるだけで自主性を感じられない後輩に「ここは学校じゃない!」と言い放ち、今度は山本さんが目の前の仕事に夢中に取り組む大切さを伝えていらっしゃいます。 堀場会長は、「『上司が悪い』『雰囲気が悪い』と仕事に没頭できない理由を探す前に、もっと自分を信じて、まずはフルスロットルで走ってみよう」ともおっしゃられます。
ときには300%の力で頑張ってみることで、目の前の仕事に新しい手ごたえやオモシロサを発見できるのです。
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