僕らにとってのハイヤーパワーのひとつであるNAは、薬物依存者の自助グループで世界114カ国にある世界的なグループなんだけど、実はこのNAの方がダルクよりも大事なんだよ。
というのは、ダルクにいられる期間は限られているけど、NAとは一生の付き合いになるから。ダルクでクスリをやめてNAで回復と成長をしていく、つまりダルクで動機づけしてNAに行かせるという二重構造になってるわけ。ダルクはNAに行かせるための小学校のようなもんなんだ。だから大事なのはダルクを出た後なんだよな。ある意味ではダルクは刑務所みたいなもの。でも刑務所の場合は出た後のアフターサービスがないでしょ? だからまた刑務所に戻るわけ。でもダルクの先にNAがあるから、そこで一緒に歩いてくれる人を見つければいい。だから出会いの演出だよ。いい人と出会えば回復できるから。
AAの回復への12ステップでは「アルコール」という物質に対して人間は力をもたないって教えてるんだけど、NAは「依存」そのものに対して力がないって言ってる。病的依存、「アディクション」を変えていくってことなの。だからクスリ以外でも、「アルコール」にも「ギャンブル」にも「人」にもなんにだって対処できるんだよ。
僕はその日本のNAのミーティングに発足当時から参加してたんです。ワールドカンファレンスにも日本代表で出席して、日本の状況を説明したりしてたんだ。今年で27年目になるけどね。そうやってくうちに日本中に220の自助グループができた。はじめは1カ所しかなかったんだよ。今では1週間に250回くらいミーティングをやってる。だからダルクの回復プログラムにもNAのミーティングに出ることを入れ込んでる。むしろダルク以外のミーティングの方を大事にしろと言ってるくらい。回復するには数多くのミーティングで数多くの人に出会うことが大事だからね。
だから回復した人には、「あなたは僕やダルクに助けられたんじゃなくて、NAに助けられたと思ってください」って言ってるんだ。 |