 障害をもってない人にはなかなかわからないかもしれませんが、手足を切断するなどの障害をもつと、心に大きな傷ができて、かなりのストレスを感じるようになるんですよ。大きな失望感、喪失感みたいなもの。自分は人間として中途半端なんだとか、まともじゃないんだとか、社会人として一人前じゃないんだとか。特に男性に多いですね。女性は女性でもうお嫁にいけないとか、こんな自分はもう誰も好きになってくれないとかね。そういう思い込みが非常に強くてふさぎこんでいってしまう。
でもスポーツをやることで、内向的な部分が消えていったり、自信がわいてくるんですよね。外で活動すると気分が晴れるし、クラブだからいろんな似た境遇の人と知り合えるし。精神的な部分だけじゃなくて、義足を付けている人は運動能力が上がる。そうするといろんな生活の幅も広がるわけですよ。
これがきっかけで性格まで変わる人もいますよ。精神的に逞しくなるというかね。それまでは消極的でずっと家に引きこもってたような人が、週に2〜3回スポーツクラブに通うようになったり、海外旅行にどんどん出かけるようになったり、仕事をバリバリやるようになったり。うつ病で精神安定剤が手放せなかったのに、そういう薬が全然いらなくなっちゃった人もいましたね。
また性格だけじゃなくて人生まで変わっちゃったような人もいますよ。クラブのメンバーの中にはパラリンピックに出場するような人も出てきましたが、そういう人なんてまさに人生変わっちゃいましたよね。これまで陸上を教えてて悪いことなんかひとつもないです。障害を持つ人はどんなスポーツでもいいからやってみるといいですよ。必ずいろんな方面にいい影響が出るということは保証できますね。
現在「ヘルス・エンジェルス」のメンバーは60人くらい、常時練習に来るのは30人くらいかな。創立以来17年で義足をつけて走れる人が0人から60人になったってことですね。練習は月に1〜2回、日曜日にやってますが、障害者の陸上大会が迫ってくると増えます。大会も入れると年に50週くらいかな。日曜日のほぼ半分は「ヘルス・エンジェルス」の活動でつぶれてますね(笑)。通常の勤務以外の活動だからたいへんといえばたいへんだけど、もうこれが当たり前になってますからね。あと、今はスポーツセンターの指導員やウチの若い社員など手伝ってくれる人も増えたし、僕自身好きでやってることだから全然苦にはなりません。楽しいことやうれしいことの方が圧倒的に多いですからね。
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| ヘルス・エンジェルスのメンバー(写真右端が臼井氏) |
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