まずは以前の転職で利用した【人材バンクネット】にアクセスしてみた。
「まず驚いたのは、案件の多さでした。もちろん私のような年齢の女性の求人もかなりありました。下手な鉄砲も数打ちゃ当たるハズと、まずは安心しましたね。そこで早速、キャリアシートを作り直して公開しました」
公開した途端、人材バンクから続々とスカウトメールが届いた。こんなにも私に興味をもってくれる会社がある──件数の多さに、まずは安心した。面談をしてみましょうというコンサルタントからのメールも多かった。その中には、求人案件を紹介しているものもあった。また、まずは転職希望者の希望や状況を面談で確かめた上で、求人案件を探し、マッチングするものがあれば、そこで応募しましょうという段取りを考えているものもあった。いずれにしても、直接企業に応募する前段階として、コンサルタントとの面談というステップが加わるというわけだ。
「コンサルタントからいただいたメールを見て、すぐにおうかがいします、と返信しました。とにかく、退職する気持ちははっきり決めていましたので、もう前に進むしかないと思っていましたから」
気がつけば会いに行ったコンサルタントは10人以上になっていた。
「とにかくできるだけ多くのコンサルタントと会って、可能性を広げたいと思っていました。実際、人材バンクといっても、さまざまなところがありました。何十人もスタッフを抱えている会社からごく少数でやっていらっしゃる会社、ある特定の業種、業界に強い会社、とにかく案件が豊富な会社など。いろいろな特徴があるのだなあと感心してしまいました」
人材バンクのコンサルタントのパーソナリティもさまざまだった。
「例えば、私の話を丁寧に聞いた上で求人案件を紹介してくださったコンサルタントもいます。また、それまで特に意識もせずに書いていた応募の書類も、細かくチェックしていただき、私としてはあれっ!? と思うような箇所を指摘していただいたりもしました。さすがに経験の豊富なプロは見ているポイントが違うんだなと思ったことも多いですね。しかし、年齢、職歴を確かめただけで、これという話もせずに案件を勧められる場合もありました。ですから、面談の時間もじっくり1時間ほど話をしたこともありますし、ほとんど顔を見合わせただけで、事務的に処理したところもありました」
西田さんの場合、だれもが納得するという強い転職理由ではないともいえる。人によっては、こらえ性のないただのわがままな人だなどとも取られかねない。その辺のフォローも、人材バンクによってさまざまだった。
「人材バンクのコンサルタントに勧められるままに企業へ面接に行ったのですが、おそらく最初から履歴書だけでイメージされていたのでしょう。仕事へのこだわりを話したつもりが、『あなたは頑固な方なのですね』と言われたことがあります(※2)。せっかくこうして面接まで用意してくれたのだから、最初から決めてかからなくてもいいのではないかと、なんだか寂しいような、しらけた気分になりましたね」
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