「どうやって書けばいいのか 分からない」 「書類選考で落とされる理由がわからない」――。 職務経歴書で悩んでいる人、大集合!
47歳女性。大学卒業後、国内のアクセサリーメーカーに入社。営業事務として2年半勤務したのち、フランスでウインドウディスプレイを学ぶため渡仏。2年の留学期間を経たのち、フランスの服飾メーカーに入社。以降2社で15年間、接客、商品管理、スタッフ教育に携わる。2007年帰国し、日本での転職を希望しているが、日系企業へアピールできる職務経歴書の書き方がわからずお悩み中。
キャリア・コンサルタント。個人を対象にしたキャリア形成および転職支援コンサルティングのほか、 企業向けの人材育成コンサルティングで多数の実績を有している。また、現場においてもキャリア気付き研修のファシリテーターや能力開発トレーナーとして活躍。 ●産業カウンセラー ●NPO法人日本キャリアカウンセリング研究会会員
飯田さん
現在、これまでのキャリアを生かせる仕事を探しているんですが、書類を作るにも手間取っているという状況です。先日までフランスに18年在住していたので、日本の企業や転職事情にうとく、手がかりがつかめないんです。
なるほど。何に一番困っていますか?
やはり帰国して日が浅いので、まだ情報が少なく、得意なフランス語を生かせる仕事が見つからないことです。フランスでアパレルの販売を中心に経験を積んできましたから、できれば同じジャンルで見つけたいです。フランス語も日本語と同じレベルで使えるので、それが生かせる職場を見つけたいのですが……。
飯田さんの場合はフランスで長くアパレルやアクセサリーを扱ってこられた経験があります。それに加えフランスに約20年暮らしてきたことで、国柄や文化、仕事以外の人脈など、なかなか他の日本人がもっていない武器をたくさんもっています。よって、それほどたくさんのニーズがあるとはいえないかもしれませんが、飯田さんのような人材を欲している企業から見ると、ものすごく市場価値は高いわけです。だからすぐには見つからなくても焦らずに匿名スカウトを待つか、求人検索をし続けていればきっとチャンスはつかめると思います。
なるほど。では具体的にどういうふうに職務経歴書を書けばいいのでしょうか? 長い間日本にいなかったので書き方がよくわからなくて……。
海外でも日本でも職務経歴書の基本的な書き方は同じです。「これまでこんな経験をしてきて、こんな能力があるから、その会社にこんなメリットを与えることができます」ということを具体的に分かりやすく書けばいいのです。
なるほど〜。
そこで改めて飯田さんが書いたものを見ると、いくつかの点が気になります。まず第三者的がこの職務経歴書をぱっと見たときに、飯田さんが何をやってこられたのかすぐには分からない。これはただ時系列でだらだらと書いていることが原因ですね。各会社での職務内容が散漫に書かれているため、飯田さんの強みが分かりにくい。
具体的にどう改善すればいいでしょう?
まずはこれまでのキャリアを時系列ではなく、業務領域と職務内容に分けて書きましょう。こうすることで、これまでどんな仕事を何年間経験してきて、何を身につけたかがひと目でわかるようになります。特に職務内容は詳しく分かりやすく書きましょう。例えば業務領域が「店舗運営」なら、「売上管理」「スタッフ管理」「売り場アレンジ」という項目を設けて簡潔に「何をやってきたか」を説明する。さらにその後に、「主な成果」としてどんな工夫をしてどんな貢献をしたかを加えると効果的です。
時系列での職務経歴はあまり重要ではないんですね。
それは履歴書の方を見ればわかりますし、略歴として数行で職務経歴の始めに書いておけばOKです。経験や年齢を積んでいれば積んでいるほど「何を何年やってきて、何ができるか」ということを分かりやすく書くことが大切ですから。さらに、業務領域と職務内容は次に就きたい業務・職務を最初に記載した方がいいですね。
これまでのお話で、やっぱりフランスでの経験を生かせるフランス系のアパレルを扱う外資系か日系企業で店舗運営やマネジメントの仕事を狙いたいと思いました。
では、店舗運営・マネジメントを最初に記載しましょう。ポジションとしてはどんな感じでしたか?
ディレクターの下について業務を行っていました。
日本でいう副店長ですね。仕事ですから成果を書くことが大事です。もう若手ではないので、将来に関して可能性を見てもらえることは少ない。これまでの実績と即戦力として何ができるか、ということでしか見てもらえません。マネージャーとしての実績とか、何かひとつの能力を訴えることが重要です。飯田さんが仕事の中で工夫されてきた事例はありませんか? 例えばこんな工夫や努力をして売上が上がった、とか。
販売スタッフの動きをよく観察しながら、躊躇しているときなどは自然なサポートを心がけました。
それは大事なことです。常にサブマネージャーとして主体的に行ってきたことなのでハッキリ書きましょう。 ここで肝心なのは“飯田さんならではの”というオリジナルの部分ですので。
また、志望動機は必ず書きましょう。
でも書き方がよくわからないのですが……。
例えば、「15年以上フランスで働いてきて、こういう仕事をしてきた。事情により帰国したけど、仕事は続けていく。今後の新たなステップとして色々と模索する中で、自分の経験を生かせる御社が最もフィットした」、といったことを軸としてはいかがでしょうか。特に飯田さんは普通の日本人がしていない経験をしているわけだから。なによりオンリー・ワン的なイメージは大切です。後は応募する会社をよく研究し、「なぜその会社のその仕事なのか」という点を熱くアピールしましょう。
自己PRの要領も聞きたいのですが。
箇条書きで書くのが分かりやすくていいでしょう。だらだらと書かずに、簡潔に3〜4つくらいでまとめてみてください。また、これまでの仕事上のスキルや能力だけでなく、海外勤務で身につけた国際性や柔軟性、対応力のようなヒューマンスキルもアピールしてください。企業はここもかなり重要視しますから。
“日本的”とか“定型”にこだわったせいで混乱してたんですね。 よくわかりました。気をつけて書き直してみます。ありがとうございました。
海外での勤務経験が長い場合、職務経歴書の書き方に戸惑いがあるかもしれませんが、基本的に違いはありません。職務としてやってきたこと、身につけたスキルと知識、そして貢献できる強みを明確にすることが重要です。その上で、コミュニケーション力としての語学力や異文化に対する適応力、柔軟性などを、事例を元にアピールするとオリジナリティが出て価値の高い職務経歴書になります。
日本を長く離れてフランスで暮らしていたため、日本語での職務経歴書をどのように書いたらよいのか分からず、大変迷っていました。しかし、このたびアドバイスをいただいたおかけで、誰にもできない経験を積んできた「独自性」を前面に打ち出し、業務・職務ごとに簡潔にまとめることで、職務経歴書が説得力のあるものにまとまりました。大変参考になりました。ありがとうございました。
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