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第11回の匿名スカウト・レポーター  
このままでいいの──?
キャリア2年で悩んだ末の決断
理想のコンサルタントとの出会いで道が開けた
 

顧客先で基幹系システムのヘルプデスクとして働いていた田村さゆりさん(24歳・仮名)。しかし、コンサルタントなど上流工程の仕事をしたいとの希望が強くなり、2年後に転職を決意。保守・運用の経験しかないが、今のままではいつまで経っても自分の思い描くキャリアビジョンは実現できないと、退職願いを提出した。

田村さんのキャリアシートはこちら
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田村さゆりさん(24歳・仮名)
IT企業/システム保守・運用(ヘルプデスク)→IT企業/システム運用(将来的には開発)
大学卒業後、システム開発会社に就職。2年間、システムを提供する顧客先企業にてヘルプデスクとしてユーザーからの問い合わせ、障害対応等に携わる。上流工程での仕事を希望するが、当時勤務していた会社ではその道は不可能と判断し、転職に踏み切った。
転職を考えた
 
上流工程に行きたくて転職を決意

大学卒業後、主に金融・流通・広告のソフトウエア開発や、システム・ネットワークなどの運用管理・保守サービスを行うIT企業に入社しました。システム部に配属された後はすぐに顧客先に常駐となり、基幹系システムのユーザーからの問い合わせや障害対応に携わってきました。

しかし私は最終的にはコンサルティングの仕事がしたくてこの業界に入ったんです。それで、社内で上流工程までのキャリアパスがあるかなといろいろ考えてみたのですが、私の上を見ると社歴の長い先輩や上司がたくさんいて、いわばどんづまりの状況だったんですね。これはなかなかコンサルタントどころか、SEにもなれそうにない、なれたとしてもかなり時間がかかると判断しました。

現状に甘んじていればいるほど不利になる。それに今なら第二新卒扱いで、ポテンシャルも考慮してもらえる。だから常駐先の社員の方々にも評価され、かわいがられていたので、仕事自体は嫌いではなかったのですが、転職を決意したんです。

 
POINT

将来のキャリアビジョンがはっきりと見えて、現状ではそれが実現困難と客観的に判断できたら、田村さんのように早めに動くのが吉。年齢が若ければ若いほど、キャリアパスの修正がきくからだ。ただし、若いからといって闇雲に動くのはNG。自分の目指すキャリアの目標と現状をしっかり吟味、熟考した上で、決断しよう。この時点で業界に詳しい、経験豊富な先輩や上司、または人材バンクのコンサルタントに相談するのもよいだろう。

   
転職活動開始
 
大手ポータルサイト経由で【人材バンクネット】に登録

2007年1月に、3〜4つの大手の転職サイトや人材バンクに登録しました。そこからのスカウトメールや自分からの応募などで、すぐに1件内定をいただけたのですが、もう少しいろいろと他の求人も見てみたい、また実際に働いている人の話を聞いても自分がその会社で働くビジョンが見えなかったという理由もあり、辞退しました。その後も転職活動を進めていたのですが、ピンと来る求人になかなか出会えませんでした。

そんな折、3月くらいに大手ポータルサイトからのメールで【人材バンクネット】の存在を知り、「人材バンクの集合サイトか、おもしろそうだな」と思い、登録しました。

 
POINT

転職活動早々に内定が出るケースもあるかもしれないが、本当にその会社・仕事でいいのか考え、納得した上で決断しよう。早く就職して安心したい一心で十分に吟味せずに入社すると、後悔することにもなりかねない。

 
   
キャリアシート匿名公開
 
キャリアシートではポテンシャルと向上心をアピール

キャリアシートは、基本的に転職活動用に自分で作った職務経歴書をベースに書きました。職務内容は項目を立てて、簡潔に、どこで何を経験してきたかがひと目でわかるように書きました。

また、最後に【経験と貢献】で、自分の強み、何ができるかを書き、単なるヘルプデスクとは違う点をアピールました。「ヘルプデスク」というと、「パソコンの使い方がわからない」など、ユーザーの簡単な質問に答えるというイメージが強いと思うのですが、私の携わってきたのはそうではなく、高度な知識とスキルを必要とする専門職だということをいかにキャリアシートを閲覧するコンサルタントにわかってもらえるかに神経を使いました。

自己PR欄では、ヘルプデスク業務で身につけたコミュニケーション能力などのヒューマンスキルと、「将来自分がどうなりたいか、何を目指すのか」のキャリアビジョン、そして独学でJAVAを勉強していることなどを書きました。

経験不足のハンデを補うために、「ポテンシャル」と「向上心」をアピールする必要があると思ったからです。業界・業種は同じでも、保守・運用と開発・コンサルティングは全く違う仕事ですから。2年間のヘルプデスクの経験しかない私がSEや将来的なコンサルタントとして採用されるためには、このふたつをアピールするしかないと思ったんです。

 
POINT

若手の中には、「経験不足だから転職なんてとても無理」と思う人も多いが、田村さんのように「自分に足りないもの」、そして「それを補うために必要なもの」が分かれば、「どうすればよいか」という方策が取れるので可能性は広がる。あきらめる前に、自己分析し、それらを書き出してみよう。

   
スカウトメールが届いた 初日に4〜5通 その後も途切れることなく 合計:26通
 
匿名公開した当日から、スカウトメールが!

キャリアシートを作成して匿名公開したその日にスカウトメールが3〜4通届きました翌日以降も途切れることなく、結局1カ月ほどで26通もいただきました。これには驚きましたね。さすがにこれほど来るとは思ってなかったので。

でもそのうち返信したのは2通だけでした。返信しようと思ったポイントは、スカウトメールに書かれてあった内容というよりは、人材バンクとコンサルタントの「質」でした。

今回お世話になったアイ・アム稲田敦司コンサルタントからいただいたスカウトメールから、アイ・アムIT業界専門の人材バンクでした。またコンサルタントについても調べたところ、40代の元ITエンジニアのシニアコンサルタントだったので、コンタクトを取ってみたいという気になりました。

やはり今後もIT業界で働きたいと思っており、今後のキャリアプランにも相談に乗ってほしかったので、オールマイティの大手よりもITに専門特化した人材バンク、そして実際にIT業界で働いた経験をもつコンサルタントの方が、より有益な情報・アドバイスが得られると思ったからです。

40代のシニアコンサルタントという点もかなりポイントが高かったです。というのは、これまでお世話になったコンサルタントはみな30代前半までの若手だったのですが、いまひとつ頼りなく、対応にも疑問を抱くことが多かったので、今度は経験豊富な年配のコンサルタントにお願いしたいと思っていたのです。

事実、今回お世話になったアイ・アム稲田敦司コンサルタントからのスカウトメールには、私のこれまでのキャリアから、私が希望するキャリアビジョンを実現させるためには、こういうスキルを生かして、こういう方向に進めばいいということまで書かれてありました。具体的な求人情報は記載されていませんでしたが、私にとっては全然問題なく、逆にキャリアプランまで相談できそうな稲田さんにお願いしたいと思って返信しました。

 
POINT

人材バンクには大きく分けて「総合デパート型」と「専門店型」と「大手企業系列型」の3つのタイプがある。働きたい業界が明確に決まっている場合は、やはりその業界・業種に特化した専門店型がおすすめ。他の人材バンクにはない情報を持っている可能性が高いし、コンサルタントが業界経験者という場合が多いからだ。逆に大手の「総合デパート型」はより多くの求人案件を持っているというメリットがある。(詳しくは「人材バンクはあなたの強〜い味方」を参照)

   
面談
 
高い信頼度。この人に任せよう!

スカウトメールに返信してすぐに稲田コンサルタントとの面談に赴きました。予想通り、元SEだけあってとにかく話が早かった。また私のキャリアシートを読み込み、これまでの経験、身につけたスキルなどを把握し、これからどうしていきたいかという意向を汲み取った上で、「あなたが希望するキャリアビジョンを実現するためには、この3社がいいと思います」と求人を紹介していただきました。

とてもうれしかったですね。というのは、同じ意向を伝えたコンサルタントの中には、「君の経験では無理だよ」とズバっと言う人もいたからです。

一度の面談で、この人なら信頼できる、お任せしようと思い、その日に紹介された4社に応募をお願いしました。

 
POINT

元業界・業務経験者のコンサルタントなら、業界・業務に精通している場合が多いので、業務上の専門的な話を表層的な部分だけではなく、深いレベルで理解してくれる。さらに業界経験が長い場合は単なる求人紹介ではなく、キャリアプランの相談にも的確なアドバイスをもらえる可能性が高い。実際に働いた経験と、業界を客観的に見られる視点とで、有益な情報・アドバイスをもらえるのが大きなメリットである。

   
4社に応募 内定1社
 
とんとん拍子で内定、迷った末に受諾

応募した4社すべて、書類選考は通過しました。そのうち内定をいただけた企業は、一次、二次面接ともにスムーズに通過し、応募から3週間程度で内定をいただけました。しかし、アイ・アム経由以外で並行して進めていた応募案件で内定が2社出ていたんです。

どれも一長一短で悩んだのですが、なかなか結論が出せなかったので、稲田コンサルタントに相談しました。理由はやっぱり一番頼りになると思ったからです。相談した結果、やはり私の今後のキャリアビジョンを実現させるにはこの会社が最適だと説明され、私も納得したので、今の会社の内定を受諾することに決めました。

 
POINT

迷ったときにコンサルタントに相談できるのも人材バンクを利用するメリットのひとつ。ただし、強引に内定受諾を薦めてくるコンサルタントには要注意!

   
匿名スカウトを終えて
 
予想外の結果。こんなに使えるとは思ってなかった(笑)。

私は【人材バンクネット】を利用する以前に、大手転職サイトにひととおり登録して転職活動をしていたのですが、そこから来るスカウトメールは使えないものが多かった。私はヘルプデスクではなく、開発、そして将来的にはコンサルタントなどの上流工程での仕事がしたいとちゃんと書いているにもかかわらず、来るのは保守・運用の案件ばかりだったんです。これじゃ意味がないのでほとんど返信しませんでした。

その点、【人材バンクネット】経由で来るスカウトメールは、ちゃんと私のキャリアシートを読み込んで、私の意向を汲み取ってくれた上で、求人を紹介してくるものが多かったですね。

しかし今回、匿名スカウトを使ってみて、一番よかったと思ったのは、アイ・アムのような私にぴったりの人材バンクに出会えたことですね。失礼ながら、超大手というわけではなく、知名度もそれほど高くないので、何百という人材バンクの中からは、たぶん、自力では見つけられなかったと思います。

でも匿名スカウトを使うことで、先方からコンタクトしてきていただけました。おかげで極めて少ない労力で、稲田コンサルタントのような業界に精通した優秀なコンサルタントにも出会え、希望のキャリアビジョンを実現できそうな企業に転職できました。年収も60万円以上アップと、希望通りでした。

最初は某大手ポータルサイト経由で偶然知って、おもしろそうだからちょっと登録してみるかという軽い気持ちで登録したのですが、予想以上に使えましたね(笑)。

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お気に入りのスカウトメールをくれたコンサルタントからのアドバイス

 

職務経歴書はわかりやすく、正直に

ITエンジニアの転職の場合、我々コンサルタントがまず最初に考えるのが、スキルマッチングです。どういう言語、DB・OSを使えるのか、どういう職種で、どういう役割なのか。つまり、転職希望者の経験・スキル・能力と、企業側の「こんな経験・スキルをもった人がほしい」という要望をすり合わせていくんですね。

そういう意味では田村さんのキャリアシートは非常によくできていました。職務内容欄には経験してきたことが項目別に記載されており、ぱっと見でどんな経験・スキル・能力をもった人材なのかが、かなり具体的かつ明確にイメージできましたから。

そして記載されていた情報に偽りがなかった。ここもかなり重要なポイントで、我々はまず面談の前に、キャリアシートに記載された情報を元にどういう人材かをイメージして、それにマッチしそうな求人を選びます。中には見栄を張って、できるとはとてもいえないようなスキルを書いてしまう人もいますが、大元の情報が正確でなければ、その人に本当にマッチした求人は紹介できません。

また、書類選考は通過したとしても、実際に現場で働いている人との面接では絶対に嘘がばれて不採用になります。

だから、キャリアシートや職務経歴書は等身大の自分を書くことが大事なんですね。

ポテンシャルとやる気を感じた自己PR

また、自己PR欄も非常によく書けていました。まず今後ITエンジニアとしてどういうキャリアを積んで最終的にはどうなりたいかということが明確に書かれていたことが大きいですね。目先のスキルマッチングではなく、将来的なキャリアビジョンを踏まえた求人をセレクトして紹介できましたから。

そして田村さんのようにまだ若手でキャリアが浅い方は、「ポテンシャル」をいかに感じさせるかがひとつの大きなポイントになります。

この点でも、今回の転職にかける意気込み、現在勉強している言語などが具体的に書かれていたことで、非常に熱意とポテンシャルを感じ、田村さんの転職をお手伝いしたいと強く思いました。転職希望者の本気度が高いほど、こちらのやる気も大きくなるんですね。だからこの自己PRまでを読んで、すぐにスカウトメールを送りました。

転職理由に関しては、ポジティブに書くことが大事です。残業が少なくて給料がいいところに転職したいという理由より、より自分自身が成長したいという上昇志向が感じられる文面の方が、好感度は高いです。

これまでのポイントをまとめると、
1.職務経歴はぱっと見で分かりやすく、正直に書く
2.自己PRで熱意とポテンシャルをアピールする
3.転職理由はポジティブに書く

このすべてにおいて田村さんのキャリアシートは非常に完成度が高いので、他の皆さんも手本にしてほしいですね。

若手のうちは早めに動くのも吉

田村さんはまだ経験年数2年とキャリアが浅いのですが、むしろ早めに今の会社に見切りをつけて転職しようとした判断は正解だったと思います。

もしあのまま先の見えない会社でヘルプデスクとして20代後半まで働き、やっぱり開発やコンサルタントなどの上流工程に行きたいと希望しても、紹介できるのはヘルプデスクと同じ保守・運用の仕事しかなかったでしょう。

ですので、自分の目指すキャリアゴールが明確になっていて、現状ではそれを実現するのが困難であると判断し、ジョブチェンジ・スキルチェンジ・キャリアチェンジを考えている20代の方は、キャリアが浅いことを心配する必要はあまりないので、早めに動く方がいいと思います。

 
↓スカウト率アップのポイントを解説
田村さんのキャリアシートはこちら
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株式会社アイ・アム
シニアコンサルタント
稲田敦司氏
コンサルタント歴10年。外資SIベンダーでSE職を7年間経験した後、人材コンサルタントに転身。担当はIT・ネット関連、コンサルティングファームなど。セールスポイントは、1.今までに約3000名の転職希望者と面談した経験、2.IT業界でのSE経験、3.ホスピタリティの高さの3つ。キャリアカウンセリング、求人紹介のモットーは「キャリアプラン・ライフプラン・志向性を一緒に考える」。
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取材・文/山下久猛
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