実業界のプロ出身。豊富な経験と専門分野に精通

同社の代表取締役社長である糸川俊さんは、元クライスラージャパン社長や大沢商会常務取締役などの要職を務めた経歴の持ち主。さらに同社のコンサルタントはすべて、ある特定業界での経験や実績豊かな「その道のプロフェッショナル」揃いです。

「当社は実業界でプロフェッショナルとして活躍された実績のあるコンサルタントだけで構成された集団です。それはわれわれが考える『人材紹介会社を利用する価値』を満たすための絶対条件であり、当社の企業使命にも通じるものです」（糸川さん）

糸川さんがここで言う「人材紹介会社を利用する価値」とは、プロフェッショナルである転職希望者が、自らのキャリアを広げるうえで、自分自身ではなかなか気付かないセールスポイントや可能性を、同じくプロフェッショナルなコンサルタントが一緒になって引き出していくという意味です。

「コンサルタント自身が過去に実業界でプロとして活躍した経験がなければ、そこに共感や理解は生まれにくいものです。転職希望者の方々に対して、単純なマッチングで終わらない、後述するキャリアデザインのサポートを第一義とする当社にとって、それはコンサルタントに求められる必要不可欠な要件であると考えています」（糸川さん）

現在、同社で活躍しているコンサルタントは7名（2010年6月末時点）。その専門分野は、「自動車部門」「メディカル部門」「ＩＴ部門」「製造部門」「管理部門」など幅広く、その奥行きも深いのが特徴です。

また糸川さんは、(社)日本人材紹介事業協会の教育研修委員長でもあり（2010年6月末時点）、コンサルタント教育や育成マニュアルの企画作成の専門家としての顔も持っています。コンサルタント全員が日々研鑽の社内環境の中、「キャリアのプロ」としての自覚と責任を背負いながら、転職希望者の立場に立ったサポートを行っています。

「キャリアデザインありき」でビジョン実現をサポート

糸川さんが株式会社インテグリティを設立したのは、景気のどん底と言われた2009年初頭。世の中が「100年に一度の大不況」と混迷を極める中、糸川さんはあえて「やるなら今しかない！」と決意したそうです。

「人材紹介というビジネスをやり続けるためにも、どん底の今こそ、キャリアデザインをやらなければいけないと思いました。雇用環境が悪化すれば、離職者ほど余裕がなくなります。そうすると、早く就職したいという焦りも生じるでしょう。しかし、その人の3年後、5年後のキャリアというものを考えるなら、近視眼的なマッチングは果たしてその人にとってのベストな選択なのかどうか？と」（糸川さん）

――それは糸川さん自身とってのキャリアデザインへの挑戦だったのではないでしょうか。

「それを実現したいと考えたとき、ふと、耳元で聞こえたのが『では、自分自身のキャリアデザインは何なの？』というもう一人の自分の声。確かにそうなんです。キャリアデザインの大切さを人にアドバイスする以上、自分自身がキャリアデザインをしっかりと描いて、それを実現していかなければ説得力がありませんから」（糸川さん）

糸川さん自身にとってのキャリアデザインとは、同社を設立する前の約7年間、人材紹介会社の経営者として売上等の規模拡大を実現しつつ、頭から離れなかった「もう一つの課題」。それが「キャリアデザインありきの人材紹介会社」を実現させる将来の自分自身の姿だったわけです。

そうした糸川さんのこだわりは、同社の企業理念の「会社経営と人事および個人のキャリアデザインに深い関わりを持つ人材紹介会社でありたい」というメッセージにも込められています。

「当社のスタンスは『はじめにキャリアデザインありき』です。まずはご自身の将来のキャリアデザインを一緒になって考えてみませんか？と。そのうえで3年後、5年後のビジョンを念頭に置いたサポートをしていきたいと思っています」（糸川さん）

今年の秋には、同社キャリア･デザイン部による企画・運営するセミナー講座「キャリアデザイン研究」をスタートさせる予定です。

経営トップ層とのコネクションによる豊富な独自案件

一般には公開されない「シークレット求人」。こうした独自の情報も各業界の経営トップ層とのコネクションを豊富に持つ同社ならではの特徴の一つです。最近では「国内有数の上場企業の社長」というトップシークレット求人で、見事に適材の人材を見出し、成約に結び付けた事例もあります。

「今年の1月から新社長として腕を振るっておられます。国内有数の上場企業から『トップとなる人材を探してほしい』との依頼を受け、100人の候補者からの厳選でした。こうしたトップシークレット求人は、当社の人材紹介会社としての能力を認めていただけたという意味でも大変光栄ですが、転職希望者のキャリアデザインのサポートを第一義とする当社にとっては、新社長になられた元候補者のキャリアデザインの実現こそが最大の喜びです」（糸川さん）

この上場企業の社長は、年収が2200万円から3500万円にアップしました。しかし、同社のサポートでは、「新社長の椅子」や「3500万円の年収」よりも、それが本人の理想とする「キャリアデザインの実現」に適ったものであるかどうかが最優先されます。

転職とはあくまでも「自己のキャリア形成の手段である」というのが、同社のスタンスです。それは上場企業の社長のポストであれ、部課長のポストであれ、そのスタンスと優先順位は変わりません。

入社後のキャリアデザインも含めた長いお付き合い

単なるマッチングではない「キャリアデザインありき」のスタンスにこだわる同社では、サポートした候補者の転職成功＝お付き合いが終了とは限りません。むしろ、個人の「キャリアデザイン」の実現へ向けた本格的なお付き合いは、その時点から始まるといっても過言ではないでしょう。

「われわれの使命はプロフェッショナルな人材を応援することだと思っています。つまり、より本人の理想とする高み（キャリアデザイン）に導かれるようなサポートをすることです。その意味では、転職はキャリアデザインのスタートであり、われわれの本来の役割はそこからだと思っています」（糸川さん）

――過去にサポートを受けた元候補者の中には、糸川さんを「大切な父兄のような存在」と慕う人も少なくないそうですね。

「キャリアコンサルティングという仕事を始めて8年になりますが、一番初めにサポートをした人も含めて、今でも多くの方からよく電話をいただきます。自分自身の転職の悩みは、他者に相談できそうなテーマのようで、実は最も話をしないテーマだったりするのです。特に男性はそうです。例えば自分の奥さんにも、最終的な決断の話はしても、なかなか共通話題になり得ないため、その過程の悩みは自分一人で悶々と自問自答していることが多いもの。そんなとき、私の携帯電話が鳴るのです（笑）」（糸川さん）

先日も以前サポートした方から、糸川さんは「実は会社を辞めようと思う」との電話をいただきました。約30分間の電話での話し合いの末、ある会社から入社を誘われ、九分九厘決まっていたその転職を、糸川さんは「止めたほうがいい」とアドバイスしました。

「その人にとっての3年後、5年後、さらに定年後までも含めたキャリアデザインがいかにあるべきかという軸足に立てば、その転職がベストな選択ではないと考え、率直な思いを伝えました。そうしたアドバイスができるのも、われわれにプロフェッショナルな知識があるからです。このプロフェッショナルな知識がなければ、目先の損得勘定だけでその人のキャリアを考えてしまう危険性もあるわけです。それだけは絶対にやらない。それが当社のコンサルティングのスタンス、あり方なのです」（糸川さん）

――「良き父兄」と慕う元候補者の気持ちが、何となく窺えるようなエピソードです。

同社の強み