ファッション、コスメ業界の転職支援に特化、業界情報が集まる人材紹介会社

帝国ホテルや東京宝塚劇場に近い有楽町の一角。株式会社オンリー・ワンのオフィスを訪ねると、鮮やかなオレンジ色をアクセントにした内装が目に飛び込んできます。

「来てくださる皆さんに元気を与えるビタミンカラーなんです…」

明るく出迎えてくれたスタッフの方が教えてくれました。内装だけでなく、お茶のカップや椅子、備え付けのボールペンもオレンジ色に統一。きめ細かいサービス精神がうかがえるような第一印象です。この日、取材に応じて下さったのは國政社長です。

――さっそくですが、株式会社オンリー・ワン設立の経緯や特色からお聞きします

「私自身、そして当社のコンサルタント全員が、ファッションやコスメの業界でキャリアを積んできた経験者ばかりなんです。この業界はコミュニケーション能力やお客様にサービスする気持ちが何よりも大切。つまり、人材がカギを握っている業界なんです。自分たちが育ててもらった業界に、優れた人材サービスを通じて恩返しをしたい…そう思ったのが設立の経緯なんです」

――つまり、ファッション業界、コスメ業界に特化した人材紹介会社なのですね。

「まさにその通りです。ご紹介先企業の大まかな割合は、外資系ラグジュアリーブランドが約60％、外資を中心とした有名化粧品会社が約30％、その他のファッション、百貨店、家具、雑貨…などに関連する企業が約10％…という感じでしょうか」（國政社長）

國政社長は、有名ラグジュアリーブランド数社で約20年のキャリアを積んだ後、ファッション専門の人材サービス企業に転じました。また、同社設立時から関わる青島専務も、有名コスメ企業で25年以上のキャリアを持っています。

「ファッションやコスメを得意とする人材紹介会社は他にもあると思いますが、業界のことをこれだけ熟知している人材紹介会社は他にはないという自負はあります。それだけに、それぞれのブランドイメージや企業のDNAにマッチしたご紹介を心がけています。働く方にとっても、自分の志向性や価値観、キャリアプランやライフプランにあった企業で働くことが本当の幸福につながると思うんです」（國政社長）

國政社長がキャリアアップを手伝った「卒業生」が業界に多数存在する現在。今度はスタッフを採用する立場になった彼らを通じて、業界全体の採用動向さえもつかめるような状態になっているのだそうです。

時にはビジネス度外視でアドバイス、親身の相談が多くのファンを生んでいます

――では、そんな國政社長が最適のアドバイスをするために重視されていることは何でしょうか。

「キャリアや知識ももちろん重要ですが、やはり一人一人の性格や方向性、価値観などまで理解してアドバイスをすることですね。時にはキャリア・アドバイスの域を超えて人生相談になることもありますよ。そうしてトータルな情報をもとに、『今のあなたに一番お勧めの仕事はコレ、二番目はコレ』というくらいピンポイントに絞り込んだ案件をご紹介します」（國政社長）

一般的な人材紹介会社では条件に合致する求人情報を多数見せ、その中から希望に応じて推薦するというスタイルをとっています。しかし、同社ではそれはやりません。

「その方の人柄や考え方、これまで経験…などを十分理解すれば、一番向いている仕事が自然に見えてきます。仮に求職者の方が希望されても、キャリアチェンジ等、現状厳しいと思った場合は、そのことをはっきりお伝えします。その上で、どうしても応募したい…という場合には、私どもからのご推薦ではなく自主応募をお勧めしています」（國政社長）

――そこまで徹底するというのは、まさにビジネス度外視ですね。

「そうかもしれませんね。でもそういうケースは珍しくないですよ。たとえば販売職からMDなどに職種チェンジしたいという場合。現実的に一番近道なのは、今働いている会社で異動申請などを出して挑戦することです。人材紹介会社としては自社の取り扱いにならないケースですが、本当に求職者の方のためになる…と思えば、無理に転職をお勧めするのではなく、そんな道をアドバイスしますよ」（國政社長）

とはいえ、そういった親身なアドバイスを受けた方が社内でキャリアアップを成功させ、1年後や2年後に再度、より違うブランドで働きたい…といって相談頂くことも多いそうです。

「目先にとらわれないお手伝いができて、私どものファンだと言って下さる方が増えるのが一番うれしいことですね」（國政社長）

――現在、御社の求職者のうち知人の紹介で登録された方が約80％という事実が、ファンの多さを証明しているのですね。

「株式会社オンリー・ワンの推薦なら…」そう言ってもらえる企業からの信頼度

「逆にご本人が気づいてない能力をお持ちの場合もあるんです。私どものプロの目で見て、この方は十分できる…と判断した場合には、新しいキャリアをご提案することもありますよ。最近では、アパレルでキャリアを積んでこられた方に、未経験のジュエリー業界への転職をお勧めしたケースなどでしょうか」（國政社長）

ファッション、コスメ業界に限らず、現在の中途採用は業界経験者、職務経験者の採用が基本。しかし、精度の高いマッチングに定評のある同社では、「株式会社オンリー・ワンからの推薦なら…」と言って頂ける企業も多数紹介先にあるのだそうです。

「私どもは、ダメでもともと…といったご紹介は絶対にしたくないと思っています。もちろん、推薦した方が100％採用されるわけではありませんが、仮に不採用だった場合も、なぜ不採用だったのか、理由をしっかりと企業からヒアリングして、求職者の方の次回以降の転職活動に役立ててもらうようにしています」（國政社長）

現在、ラグジュアリーブランドでは「MD」「PR」「VMD」「リテールマネージャー」「ロジスティックス」「管理部門」…などの求人が多数あり、コスメでは「美容部員」「SV」「トレーナー」「営業」「マーケティング」「PR」「クリエイティブ」「ロジスティックス」「カスタマサービス」「管理部門」…などの案件が豊富とのことです。

入社後もロングスパンでフォロー、出会った皆に幸せになってもらいたいから

――御社では、求職者の方が新しい会社に入社した後も数年間のロングスパンでフォローしているそうですね。

「定期的に電話したり、食事会をセッティングしてみたり…もし転職先で不安や不満があった場合、それをぶつけてもらいやすいような気楽な雰囲気作りを心がけています」（國政社長）

――フォローが形だけになっては意味がないということですね。

「そうなんです。それと、ファッション、コスメ業界では店舗責任者がスタッフの採用を任されるケースもありますので、こうしたフォローを続けているうちに、自然と新しい採用の相談をしていただけることも多いんですよ」（國政社長）

――御社からの紹介で入社した人が働いている職場であれば、現場レベルの正確な情報もしっかり入手できますよね。同社が提供する企業情報がきめ細かいと言われる理由の一端を実感できた今回の取材でした。

同社の強み