グローバルな展開を目指す多国籍な人材紹介会社

再開発で目まぐるしく進化する東京・丸の内のランドマーク、「パシフィックセンチュリープレイス（PCP）丸の内」。見上げる高さは150m、総ガラス張りのインテリジェンスビルの16階に株式会社エイジェック 丸の内雇用開発センターはあります。

エイジ＆メイク――、新しい時代（AGE）を創る（MAKE）という理念から生まれた株式会社エイジェック。2001年の設立以来、国内76拠点に加えて中国（北京・大連・上海）、韓国（ソウル・春川・仁川）、ロシア（モスクワ）の海外8拠点を展開。グローバルに活躍したい転職希望者にも幅広い門戸を開いています。

「ロシアには日系企業としては2007年に弊社が初めて進出しました。欧米に拠点をもつ大手人材紹介会社もありますが、中国、ロシア、韓国を中心とした人材紹介、人材コンサルティング業には自信があります」

こう教えてくれたのは、この日の取材に対応してくれたマネージャー兼コンサルタントの植木正秋さん。

「海外で力を発揮したい日本人の方、日本に留学中でこのまま日本で働きたい、日本から出身国に戻って働きたい外国人の方を対象に、現地法人との協力提携による求人紹介を行っています。ごく最近では、日本の商社が立ち上げるロシアの現地法人社長候補に内定した方がいらっしゃいます」（植木さん）

一時、人材紹介会社が時流に乗って次々海外進出を試みたものの、法令制度や異なる商習慣の難しさなどから進出が困難となり、短期間で撤退を余儀なくされたケースも少なくないといいます。そのような中で、人材コンサルティング業、総合エンジニアリング業、人材紹介業などを継続展開する同社は、経済成長著しい国々でグローバルに活躍したい求職者にとって実に頼りになる人材紹介会社といえそうです。

豊富なサービスカテゴリーで全方面の転職を支援

――あらゆる業種、職種の紹介が可能とうかがいましたが。

「クライアント社数は400社、案件数は3000件。広範な事業分野を展開し、多様な企業と太いパイプで結ばれている株式会社エイジェックでは、営業・経理・その他専門事務職から、各種マネージャー候補、ＩＴエンジニア・各種研究開発職、WEB・工業デザインなどのクリエイティブ職まで、あらゆる職種の求人案件を扱っています。メーカー、商社、ＩＴ、金融、建設系に特に強く、中でもメーカー、商社の求人案件は全体の6、7割、一部上場企業が9割以上を占めているのが特色です」（植木さん）

――若手エンジニアを育てる研究所も開設されたそうですね。

「（株）ソニーで長年研究開発の現場に携わった経験を持つ西美緒氏を所長に、技術研究所を設立しました。開発現場の第一線で求められる技術はもちろん、経営・マネジメント能力を磨くことで、技術を通した人材育成を行うことを目的としています。リチウム電池などの最新技術や研究開発の成功率を高めるマネジメント法など、興味深いテーマでの技術セミナーも随時開催していますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせいただければと思います」（植木さん）

技術を追求するだけなく、現場に必要なバランスよいスキルを身に付けることがこれからの時代は大切になってくるのですね。人を育て活かす―という同社の就転職支援への能動的な思いが伝わってきます。

経験豊富な30～50代のコンサルタントが活躍

同社のコンサルタントは男性4名、女性1名の少数精鋭。それぞれに人材紹介会社やカウンセリング、転職経験を持った求職者の気持ちがわかるコンサルタントばかり。年代も30～50代と幅があるので、若年層から中堅、シニアまで、幅広い年齢の求職者と違和感なく話ができそうです。

「カウンセリングでは求職者自身の話をよく聞くということ、これがまず基本です。そして、弊社にいらっしゃるすべての方と同じ目線で対応することを大切にしています。当たり前のようですが、これができていないところもなかにはあるようです。求職者お一人おひとりをしっかりと理解し、相互に信頼できる関係を築くことが、真に価値のあるサポートに結びつくと確信しています」（植木さん）

――あえて複数の人材紹介会社に登録することをお勧めすることもあるそうですが。

「人材紹介会社利用が初めてという方の場合、弊社以外にも何社か登録してみてくださいとお話しするようにしています。実際に登録されるかどうかはその方によりますが、人材紹介サービスというのは残念ながら100％の保証をするわけにはいきません。弊社スタッフが最善を尽くすことは当然ですが、求職者の方に複数登録していただくことでサービスの比較ができますし、弊社でお伝えしたアドバイス内容の整合性が自ずと見えてくることもあるでしょう。実際、しばらく連絡が途絶えた後に再び連絡を下さる方が結構いらっしゃるんですよ」（植木さん）

――なるほど、そういえるのは自社サービスに自信を持っている証拠ともいえますね。

特例子会社を設立し、障がい者の就業支援にも全力

――御社では、一般の人材紹介業と並行して、障がい者の就業支援にも力を注いでいますね。

「“仕事を通じて全ての人が輝く社会”の実現を目指す弊社では、以前から障がいをお持ちの方の自社採用を積極的に行ってきました。知的障害や精神障害をお持ちでも、総務・経理などの事務作業で高い能力を発揮される方が多く、その活躍の場をさらに拡げるために、2006年、特例子会社エイジェックフレンドリーを立ち上げました。社会経験のない方には電話応対や事務などのサポートから始め、最終的にはパソコン操作などの実務を身に付けることができるので、企業が求めるスキルとご自身との間にあるギャップを埋めることが可能になります」（植木さん）

――具体的にはどのような仕事に就けるのでしょうか。

「フレンドリー社では、名刺やＤＭなどの軽印刷作業、画像データの編集補正、文書の電子化など、全てにパソコンを使用した業務に就いていただいています。しっかりとしたスキルを身に付け、企業での就労に自信を持たれた方には、弊社に求人を寄せている優良企業に人材を紹介するシステムもとっています」（植木さん）

――自社およびグループ企業内での採用にとどまらず、人材ビジネス業を手がける企業として障がい者のバックアップも全力で行う株式会社エイジェック。全ての人を活かし、雇用の創出につなげていく姿勢は、文字通り「人材総合商社」にふさわしいものと実感しました。

同社の強み