正社員募集の場合、同年代の正社員経験者と派遣社員経験者では、やはり前者の方が有利です。
正社員の場合、経験、職歴、社歴を重ねるにしたがって、仕事の量・範囲も増え、責任も増大します。時には部署異動などで、全く違う仕事をいちから覚えなければならなくなる場合もあるでしょう。役職がつくと部下のマネジメントや他部署との折衝・交渉など仕事の質も変化します。さらに上に行くと自分の仕事だけではなく、会社全体のことを考える「経営者の視点」も必要になってきます。
そんな変化、困難を経験する中で成長するのが正社員。会社は単なるスキルよりも、こういったプロセスそのもの、組織・会社のためにどれだけの貢献をしてきたか、または今後できそうかという「正社員マインド」を重視するのです。
一方、ほとんどの派遣社員は、仕事の量・範囲があらかじめ決められていて、それだけをこなしていればいいわけです。さらに派遣の仕事は単純作業が多い。仕事の範囲が広がって難易度が高まっていくこともない。同じ仕事を繰り返しているだけでは成長も進歩ないですよね。
あなたは派遣としてのキャリアしかないわけですが、これまでずっと派遣でいた理由があるはずですよね。それが、「組織には縛られたくないから」という理由で、「そろそろ安定のために正社員になりたいから応募しました」では採用してくれる会社はまずないでしょう。
では、派遣としてのキャリアしかもっていないけど会社が採用してみようと思うのはどんな人か。まずこれまで派遣社員でいた理由をはっきり語れること。目的意識をもって、あえて派遣という働き方を選んできた、ということであれば、面接官も納得します。そして、派遣社員時代に身に付けた「スキル」、「できること」を自信をもって語れること。その上で、正社員を目指す理由と、今後どう会社に貢献できるのかを面接で語れれば可能性はあるでしょう。
スキル面では、キャリアの一貫性も重視されます。同じ派遣でも短期間にさまざまな職種を転々としている人と、違う会社でも一貫して同じ職種を経験している人では、後者の方が好印象なのは明白です。派遣社員でもキャリアの一貫性をアピールできれば、採用の可能性もぐっと高まります。
あなたは書類選考には通っているわけですから、会社側もあなたのキャリアや人物面に興味をもっていることは間違いない。以上のようなことをアピールできれば正社員採用の可能性はぐっと高まります。頑張ってください。 |