転職お役立ち情報|基礎から解説!転職現場のサクセスヒント|転職理由を使い分けていませんか?

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エキスパートコラム

基礎から解説!転職現場のサクセスヒント森島 典裕
日々転職マーケットに対峙する専門家が、転職活動アドバイスや考え方のヒントを、基礎から解説。 「キャリアは、自分から切り開く努力をすることが大切!」 と考える現役キャリアコンサルタントの筆者が、転職現場のサクセスヒントを紹介します。
森島 典裕

第10回 ウソの転職理由

 転職にいたる理由は人それぞれ。時には、周りの人を傷つけないために 「ウソ」 と 「真実」 を使いわけた方が良いケースもあります。ただし、うま過ぎて自分自身まで騙してしまう人もいます。

   27歳のFさんは、現在2度目の転職活動中を行っています。半年前にシステムエンジニアからマーケティング営業へ1度目の転職をしていました。今回は、またエンジニアに戻りたいとおっしゃります。Fさんは、われわれにこう言いました。
 
「まだ半年しかたってない上に、またエンジニアに戻りたいなんて、今度の転職は難しくなりますかね?」
「そうですね。半年という期間はともかく、“なぜ、またエンジニアなのか”という点は企業も気にするでしょうね? でも、なぜエンジニアからマーケティングにキャリアチェンジしたんですか?」
「いやぁ、元々エンジニアを辞める気はなかったんですよ」

と、彼の返事は意外なものでした。

「実は、1度目の転職理由は会社の経営が行き詰まっていたからだったんです。決して、エンジニアの仕事が嫌だったわけではないんですよ。」
「じゃあ、なぜエンジニアとして働けるポジションを選択しなかったんですか? Fさんの経歴やプロジェクト実績なら、いろんな可能性がありましたよ?」
「そうなんですけどね。ただ、社内でも高く評価をして頂いていたし、一生懸命がんばっている同僚・上司を見ていると、会社の経営不振を理由にその場から逃げるということができなくて…。だから、前から興味のあったマーケティングに挑戦するということを表向きの理由に活動を始めたんです。そうしている内に、私自身もマーケティングに挑戦したいと、その気になってしまって。本来の転職理由を忘れたまま、活動をすすめてしまいました。」

 
 実は、Fさんのようなケースは意外に多い。 「新しい職種に挑戦したい」 「家業をつがなければならない」 「親の面倒を見るためにUターン転職する」 など表向きの 「ウソ」 を使い続けるうちに、本人の志向性まで変わってしまうことがある。本来の目的である、「こんな仕事がしたい」 「希望のキャリア構築したい」 を忘れてしまうと、Fさんのように寄り道してしまう場合もある。いろんな理由を使い分けている方はご注意を!

森島典裕 (もりしま みちひろ)

総合商社にて約30年間、人事・広報を中心に、管理系全般の業務を経験。その後、専門学校の非常勤講師を続けながら、カウンセリングの研鑽を積む。現在、株式会社パソナキャレントにて、その幅広い経験を活かし、キャリアコンサルサントとして活躍中。【資格:厚生労働省能力評価試験指定キャリアコンサルタント、教育カウンセラー】
2004.07.29 update 戻る

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