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自動車・住宅業界で活躍した伝説のトップ営業マンが自身の経験をもとに"売れる営業"の極意を伝授。営業スキル・思考法から転職活動のヒントまで、新時代の営業マンに求められる条件・成功テクニックをお伝えします |
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第31回 挫折で学んだ 異業種転職で成功するヒント
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実は、私にもクルマ業界から住宅業界に転職して1ヶ月目に退職の危機があったのです。
何をやっても売れないのです。
住宅業界に移って、モデルハウスで接客したお客様全員を訪問しても、1件の見込客も出てきません。自分の営業にかなり迷いました。
クルマの営業マンの感覚だと、初回接客でお客様の名前と住所を聞くことができて、商品の購入時期を教えてもらえたら、お客様全員が見込客に見えてしまいます。しかし、住宅の営業では、どんなに継続訪問を繰返しても売れない…。
入社して数週間を過ぎた頃、私の空回りを見かねて若い営業マンが声をかけてくれました。
「住宅は女性を大切にしなければダメですよ」 |
「住宅会社を決めるときには、奥さんの意見は強いですよ」 |
そうアドバイスしてくれたのです。
無我夢中でやっていたので、私はそんなことを見逃していました。住宅の営業マンであれば当たり前のことでも、そのときの私には見えていなかったのです。「ああ、そうか。」と、我に返りました。
クルマ営業では、契約の対象者は圧倒的に男性が多く、その習慣がついていましたから、男性にばかり商品をすすめていました。名刺を渡すのもご主人に、さらに、男性を中心に話しかけてしまっていたのです。
クルマ営業の新規訪問では、一般家庭の主婦、事務所の女性と話すことが多かったので、女性と話すことは苦手にしていませんでした。
住宅地の飛び込み訪問で “顔を知ってもらう”、“名前を覚えてもらう” という営業においては、女性と仲よくなるのは鉄則です。ご主人が 「クルマを買いたい」 と言ったときに取り次いでもらえるように人間関係を作っておくのです。
家にいるのは高齢者、女性が圧倒的に多いわけですから、高齢者、奥様、留守番の人と話していました。その結果、こういった 「好かれる営業」 は、無意識に身に付いていたのです。
若手営業マンからの私へのアドバイスは、野球に例えると狙い球を絞れということでした。ピッチャーの投げてくる球を全部打とうとしていたのを 「カーブを狙いなさい」 と言われたのと同じです。
そこで営業活動を、意識して女性の話を中心に話を聞くように変えました。今までも女性の話を聞いてはいたのですが、それ以後は、“女性の話に意識を集中し、女性に気配りをして、女性に多く話してもらう” という営業活動に変えました。
たまたまかも知れません。偶然かも知れません。若夫婦の母親が決定権を持つご家族から、契約をとることができました。
女性に焦点をあてて1つ目の契約を取り、自分の営業に自信が持てました。その後は順調に住宅営業の仕事を続けることができたのです。
■ 今日のポイント
・ クルマ業界と住宅業界では見込客も違う。 |
・ 無我夢中でやっているときには当たり前のことが見えなくなっている。 |
・ 強気も大事だが、謙虚さも大事。 |
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「売れる!営業マンスキルアップ成功術」 は、作者都合により7月まで隔週でのリリースとなります。なにとぞご了承ください。 |
岡田
和芳 (おかだ かずよし)
営業ドットコムファーム代表。キャリアカウンセラー、営業講師、ビジネス作家。事務系から営業職へ転身後、自動車業界で1000台を突破、クルマセールスから異業種の住宅営業に挑戦。住宅業界の居並ぶトップ営業マンの二倍の売上"11年間で85億、二倍の粗利益22億"を達成。営業転職の成功伝説をつくる。著書の「契約力」(すばる舎)と「突然、『営業マン』になった人が読む本」(大和出版)が好評。現在、営業ドットコム(
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2004.04.20 update
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