自動車・住宅業界で活躍した伝説のトップ営業マンが自身の経験をもとに"売れる営業"の極意を伝授。営業スキル・思考法から転職活動のヒントまで、新時代の営業マンに求められる条件・成功テクニックをお伝えします
	第17回　ＨＯＷを高める営業スキル（６）　ハウツー提案のポイント ■カリスマ店員はハウツー提案をやっている 　　「カリスマ店員」というのが話題になりましたがご存じでしょうか。東京・渋谷などのブティックで働く店員さんで、流行の先端を行くメイクやファッションでお客様〔コギャル）にとってもリーダー的存在となりプロの販売担当者を超える売上げを上げていました。 　現在はこの数字を上げたハウツー提案のソフトが大手百貨店の衣料部門の成績アップに活かされています。　 　ここで数字を上げていたハウツー提案を紹介します。　 　彼女たちは、「商品を売り込まない」「一方的に勧めない」「強引に押しつけない」のです。お客様が「買いたくなる商品」を着て、目の前で商品の組み合わせをハウツー提案して魅力をアピールするのです。つまり、ビジュアルのハウツー提案営業をしているのです。 　そして、選び方や洋服の着方をコーディネイトし、お客様にアドバイスしています。決して売り付けることはせず、お客様がどういう情報を欲しがっているかを聞き出して、一緒に考えたりもします。これがハウツー提案です。 ■ハウツー提案でお客様に好かれる 　住宅業界で数字を上げているハウツー提案も、考えようによっては洋服の選び方と同じです。その商品についてハウツー〔造り方、住み方、組み合わせ方、選び方、考え方〕を熱心に話せば話すほど、お客様はすっかり営業マンやカリスマ店員の信者になってしまうのです。ハウツー提案は、次のようなテーマに商品をのせていけば、明日からでも使うことができます。テーマは食べ方、つくり方、使い方、買い方、見方、飲み方、選び方、組み合わせ方、着方などなどです。 「このようにお使いになってはいかがですか」「三階建てにすると、日当たりがこんなに素晴らしいですよ」このように使い方や造り方の「ハウツー提案」からスタートすると、お客様は「この営業マンの話を聞いてみよう」という気になります。 ■営業マンの「価値観」を提案する 　ここからは営業経験を重ねたあなただからできる、契約の確率の高い提案営業を公開します。 それは、先に述べた提案営業に、あなたがもっている「哲学」を組み込ませてお客様に伝えるやり方です。 　たとえば商品の使い方についていえば、「私でしたら、この商品はこのように使います」と強い思い入れを話します。営業マンが話すこの「強い思い」は、商品に対する哲学といってもいいと思います。営業マンの哲学ともいえるでしょう。 　商品を目の前にして「私は、このように考えます」「私でしたら、このように使います」「私でしたら、このように組み合わせます」とお客様に伝えるのです。 　ただし、ここで注意すべき点があります。それは、「考え方」の提案をしたときにお客様の反応から、その提案を気に入ったかどうか、しっかり判断しておく必要があるということです。しかし、営業経験を積んだあなたなら、そのあたりの微妙なニュアンスの違いを見抜くことはできるはずです。 　もし、お客様が共感していないようだったら、あらためて他の切り口からあなたの哲学を提案すればいいでしょう。 　現在は価値観が多様化し、こだわりをもったお客様が増えてきました。 　 より詳しい「営業スキル」は岡田さんのメールマガジン でご覧いただけます！ info@A-gyo.com 岡田 和芳　（おかだ　かずよし） 営業ドットコムファーム代表。キャリアカウンセラー、営業講師、ビジネス作家。事務系から営業職へ転身後、自動車業界で1000台を突破、クルマセールスから異業種の住宅営業に挑戦。住宅業界の居並ぶトップ営業マンの二倍の売上"11年間で85億、二倍の粗利益22億"を達成。営業転職の成功伝説をつくる。著書の「契約力」（すばる舎）と「突然、『営業マン』になった人が読む本」(大和出版)が好評。現在、営業ドットコム（http://www.A-gyo.com/）より「稼げる営業スキル」を無料配信中。 2004.01.06　update 戻る