自分に合う場を見つけて、自分を生かすという選択
これって、わがままなのだろうか?
輸入業務だから、きっと華やかな仕事だろうと思ったこと、社長の一挙手一投足にびくびくしたことを、「考えが甘いし、人のことを気にしすぎだ」と厳しい視点で見ることもできるだろう。その一方で、阿部さんが求めていたものはちょっと華やかな感じや職場の雰囲気のよさなのだから、それが満たせるところに行けばいいとの考え方もできる。
では実際に、彼女はどうしたか。再び転職する選択をした。
会社に行くのが辛い、嫌だとの理由で、すぐに辞めてしまうのは悔しかった。だから毎日、びくびくしながらも、自分なりに未経験の営業事務の仕事を頑張った。嫌だ、嫌だと思いながらも、頑張ったのだ。「もう嫌だ、我慢できない」との限界に達した半年後、「とにかく、ここじゃなきゃどこでもいい。一刻も早く逃げ出したい」と【人材バンクネット】で転職活動をした。
半年間自分なりに頑張った甲斐があり、前回の転職活動とは違い「事務の経験がある」ということができた。おかげで、人材バンクから紹介されて応募した会社に転職することができた。「以前のマイナスオーラが出ていた私じゃなく、今、ホントに生き生きと働けています。会社の示す方針も、環境も、人間関係も私にとても合っている。こんなに満足できる会社に入ることができて、ラッキーだったと思っています」
そう、彼女は文字通り、ラッキーだったのだ。一歩間違えば、また同じ「会社が合わない」経験を、繰り返していただろう。阿部さんは、自分が何を求めているのか、どんな環境を欲しているのかをはっきりさせないまま、逃げたい一心で転職活動をしていた。1社目の内定が出たとき、「オシャレな街にある輸入業務の会社だから、きっと今よりはいいはずだ」と即決しそうになった。そこへ人材バンクのコンサルタントが、言った。「もし、その会社に入ったら、きっと同じことの繰り返しですよ」。
「きっと阿部さんの求めているものに合う会社だから受けてみては」と勧められ、応募したのが今の会社だ。自分自身でははっきりさせられなかった「次の職場・仕事に求めていること」を、阿部さんの代わりに察知してくれるコンサルタントに出会えなかったら、たぶん、また「合わない、嫌だ嫌だ」の毎日を過ごしていたに違いない。
「自分に合わない」と思える場よりも「合う」と思える場にいた方が、当然、生き生きできる。「自分なりに、できるところまで頑張ってみた。それでもやっぱり、この会社は合わない」と思うなら、転職活動をしてみた方が、我慢し続けるよりもずっといい結果を生むかもしれない。ただし、「次の職場で生き生きできる」かどうかは、自分に合う会社の見極め方に掛かっていることだけは、忘れてはならない。
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